2024年7月21日、今シーズン最後のお花見登山で表大雪へ行くことにした。
目的は次の二つ。
- 裾合平のチングルマ
- 小泉岳のチョウノスケソウとホソバウルップソウ
しかし。。。
その様子を記録に残しておきたい。
今回歩いたルート
画像はヤマレコより引用
いつものように、旭岳温泉を出発して戻るルート。
通常、小泉岳へ行くなら東側の銀泉台から登るし、裾合平へ行くなら旭岳温泉から登る。
それを両方やろうとするからこうなるので、距離は32.9kmとなる。
車中泊はせず、自宅で仮眠をとってから出発
土曜、札幌の自宅を22時に出発する。
17時半に退勤後、18時にレンタカーを借用。
帰宅してシャワーを浴びたら2時間の仮眠、そして出発という流れだ。
深夜1時50分から半袖短パン姿で登り始める。最高気温が33℃に達する見込みで、風も穏やか。もう真夏である。
ログを確認すると、無料駐車場から姿見の池まで1時間16分。そろそろ夜が明ける時間だ。
そうそう、ビジターセンター前の駐車場が有料化されていた。
しかも車中泊禁止とか、駐車可能時間の設定があるなどして、つまり夜間は停められないわけだ。
代替えの無料駐車場が500mくらい手前に設定されていて、そこからスタートすることになる。
旭岳からの眺めは、いかに大雪山が広大であるかがよく分かる。
東大雪、十勝連峰、北大雪、どこをとってみても「遠い」と感じるくらい広大だ。
旭岳山頂から小泉岳へ
山頂到着時刻は4時18分、駐車場から2時間35分だった。
この時期は熊ヶ岳(左)のクレーター部分がはっきりと確認できる。地形図で見ると、白雲岳(右奥)のそれより規模も高低差も大きい。
標高も道内では後旭岳(2,216m)(右手前)に次いで、5番目(2,210m)のようだ。なのに全くもって無名と言う悲しさ。
裏旭へ下りると、キャンプ指定地の周辺にお花畑が広がっている。
チングルマ、イワヒゲ、イワウメ、ツガザクラ系やコザクラ系など、この時期の主要な高山植物が見られる。もう十分である。
御鉢平を北海岳へ向けて歩くと、あちらこちらにコマクサの姿が見えてくる。
北海岳では写真撮影を引き受けた際におしゃべりタイムが始まる。
香川から来られた男性は、すでに三百名山を終えているとのこと。
それでもまだこうやって登山を続けられていて、先日は室蘭岳に登ったらしい。
忠別岳に登りたいと仰っていたので、クチャンベツ登山口を推奨した。それでも遠いのだが。
今回歩いた中では、北海岳から白雲岳へ至る道にお花が最も多かった。
チングルマを下から見上げる構図が好きなので、今回もこうして撮ってみる。
北海岳を下りるとキバナシオガマの姿が散見される。
北海道内では、ほとんどが大雪山系にしか分布していないそうだ。
白雲岳には登らず、小泉岳を目指す。
標識に小泉岳という名前は出てこない。ヤマケイの北海道百名山なのだけどどうしたものか。
ホソバウルップソウは紫の花が終わってしまったようだ。
チョウノスケソウも最後までその姿を見ることがなかった。
小泉岳から緑岳方向に少し下ってみたり、分岐から赤岳方向にも進んでみたりしたが、やはり見つけられなかった。チングルマもすで終わっていた。
小泉岳から中岳温泉、裾合平を通って旭岳温泉へ
期待した花は見られなかったものの、眺めが良いのでまあ良しとしよう。
25km先に見えるのがニペソツ山(中央)、その左手奥にウペペサンケ山、左手前には石狩岳が見えている。
16km先にトムラウシ山、25km先に十勝連峰のオプタテシケ山が見える。
直線距離ではニペソツ山とオプタテシケ山がほぼ一緒、ウペペサンケ山と十勝岳が約33kmで一緒というのが興味深い。
再び北海岳に戻る。
反時計回りに中岳分岐まで歩いて、中岳温泉と裾合平を経由して姿見、そして旭岳温泉へ下山する。
時刻はすでに8時を過ぎているが、なんとかお昼前には下山したいところ。
御鉢平外周の凌雲岳(左)と桂月岳(中央)の奥には、北大雪のニセイカウシュッペ山から平山へと続く稜線が見えている。
層雲峡側はいずれも谷が深そうに見える。
中岳温泉から裾合平の間、チングルマを楽しもうというのが今回の狙いであった。
しかし、すでに花はほとんど終わっていて、綿毛ばかりになっていた。
小泉岳に続いてこちらでも期待外れ。
結局、何一つ目的が達成できなかったので、気分はかなり不完全燃焼感だ。
こちらは2019年7月29日の様子。
今年の方が1週間くらい早く来たのに、ずいぶんと様子が違う。
地球温暖化の影響と悲観する向きもある一方、これからは6月下旬や7月上旬といった比較的早い時期から夏山シーズンが訪れるということでもある。
何が起こってもすぐにポジティブな方向に考え方を切り替える。そうすることで多くの人々よりも早い時期からメリットを享受できるものだ。
10時30分、姿見へ戻る。一気に観光客が増える。
山岳風景に囲まれ、地獄谷や点在する池、花も多くてキタキツネもちょくちょく現れるのだから、観光ポテンシャルがとても高い。
世界中の人々がこの大雪山を訪れて欲しい。
天女が原ではワタスゲがたくさん見られた。が、あまり気にもせず、気温が上昇して暑すぎるので黙々と下山。
姿見のロープウェイ分岐点から無料駐車場まで50分で下りてきて、11時40分下山完了。
レンタカー返却時間まで十分あるので、下道で札幌まで帰る。
ちょうどお昼の時間帯ということもあり、外気温が33℃を超えている。
こんな日にエアコンのない自宅でジッとしていたら熱中症になるかもしれない。せっかくの機会なので、エアコン全開で涼みながらノンアルコールでひと休み。
さて今シーズン、お花巡りの登山はこれで終了。
8月は久しぶりに日高山脈に傾注したい気分だが、気分屋の私なのでどう転ぶか分からない。