土曜の荒天とは打って変わり、日曜は一気に天候が回復する予報。特に道東方面が晴れ予報だが、冬型の気圧配置となって気温は一気に低くなる。風もかなり強そうだ。
もしかすると土曜に雪が降って、山は銀世界になるかもしれない。
頭の中でそんなことを考えていたら、どうしても十勝幌尻岳か芽室岳に登りたくなった。先日登った伏美・ピパイロをきっかけに私の中での帯広がグッと近くなり、直前の金曜にレンタカーの手配をする。
今週末もみしなさんのカツカレーが食べたいので、例え山に登れなかったとしてもいいだろう。とにかく行動をしようと思う。
日勝峠は積雪があるようだ
レンタカー返却時間の19時から逆算し、札幌出発時刻を決める。
行動時間は最大でも8時間程度と見積もると、5時登山開始、13時下山完了、みしなさんでカツカレーを食べて15時に出発しても十分間に合うだろう。したがって1時起床、1時30分出発という結論になった。行きは下道で、帰りは十勝清水~夕張間を高速で帰る。
で、1時に起床して日勝峠のライブカメラ映像を見てみると、峠は銀世界だ。
今回借りた車はまだ夏タイヤを履いているので、さすがにリスキーだ。で、あれこれ悩んでいるうちに3時近くになってしまう。
札幌から峠を越えないで行ける山も考慮したが、どうしても芽室岳に行きたい。
そこで夕張ICから十勝清水ICまで高速道路を利用することにした。
道東道のこの区間は長さ4kmを超えるトンネルが多いし、最高点の標高も600m台だったはずだ。とにかく行ってみることにした。結果はすべてが杞憂であった。この程度のことはあれこれ考えず、まずは行動するに尽きる。
登山口には5時45分頃に着いた。出発に後れを取ってしまったけれど、高速道路を使ったので6時前には登山開始となった。
過去に台風で被災してしまった林道や駐車場はきれいに整備されているし、よく手入れされている簡易トイレもあった。小屋は撤去されたのだろうか?
靴はスピードクロスをやめ、冬に履いているミドルカットの登山靴を履くことにした。稜線上の雪の深さが心配だったからだ。
5時50分出発、最初から最後まで尾根を登っていくパターン。
おっ、この看板を見た記憶がある。そうか、2019年2月に敗退した場所がここだった。
山頂まで3kmとあるが、実際はそれ以上に感じるくらい遠い。
こちらは2019年2月撮影のもの。
錆の状態を見る限り、5年前より少し劣化していることがわかる。
たまに完全に錆びてしまって読解不能な標識を見かけるが、あれはいったい何十年くらい経過しているのだろう。
途中には何もない。ひたすら尾根を登るだけだった。
稜線に上がってもこんな天気。凄いスピードで雲が流れていき、時折青空が見える。
視界が開けそうでそうならない、よくあるパターン。
山頂で休憩しているうちに気温が上がって晴れてくれればよいが、ダメならパンケヌーシ岳に登らず下山しよう。
ちょうど3時間かかって山頂に着いた。
最近の山行は10時間以上歩くのが普通になっていたので、ちょっと違和感を感じる。感覚がマヒしつつある。
地面に薄っすらと雪がのっている程度の積雪とは言え、寒さと風は立派な冬だ。装備の選択に間違いはなかった。ザックの外側のポケットに入れていたミルクティーが、シャーベット状になりつつある。
ずっと尾根登りで眺めもパッとしないので、写真はあまり撮っていない。そして山頂もこの天気だし、標識の向きが悪くてその手前も狭いのでセルフタイマーでの自撮りがしずらい。
こんなシチュエーションでノンアルを空けるか?
一瞬ためらってみたものの、「キンキンに冷える」以上に冷えていてこれが最高にウマかった。凍りかける少し手前がウマいということを知った。
11時過ぎに下山完了。川で靴の泥を落とし、着替えをしてから帰る。
レンタカーのアクアは走行距離12万キロ近くてちょっとガタがきているようだった。それでも往復320kmくらい走って給油量が14ℓだったので、燃費は悪くない。
いつも通り、とんかつのみしなさんに立ち寄り、カツカレーを食べて帰る。
遠くの山へ行くのは移動時間や金銭的にもコストがかかるのでついつい躊躇しがちだし、億劫なものだ。
それでもやった後に後悔することはまずないし、必ず気持ちのリフレッシュができる。一定の効果が得られるものだ。だからこれからもできる限りやり続けよう。
こうやって長期に渡ってコツコツ積み上げていくことは、必ず大きな成果が出る。ずっとやり続けている人は百名山のように何らかの目標を達成しているし、自尊心が高くて前向きな人が多いように思う。何よりも人柄が良いことが多い。
帰り道、そんなことを考えたり、次はいつ再訪しようかと考えたりして、今週も日曜日を終えるのであった。
過去ログ
さて最後に過去の話も少し書いてみよう。
遡ると、十勝幌尻岳に登ったのは2014年11月23日が最後だった。もう11年も前になる。
この年は転職したことで一気に休日日数が増えたので、まるで堰を切るように山に通い続けた。8月最終週に北海道マラソンを走り、9月から11月までの3か月間で16回の山行と札幌マラソンを走っている。ヤマレコに投稿していない山も複数あった。
それにしてもよく11月後半にカチポロに登ったものだ。この時に見た景色は印象深い。だから今回も芽室よりカチポロに登りたかった。
でも芽室岳の記憶があまりない。西峰のパンケヌーシ岳となると登ったかどうかすら記憶にない。
芽室岳に登ったのはいつが最後だろうか?
調べてみると2019年2月9日であった。でもこの時は強烈な寒さと深いラッセルで敗退している。山頂どころか中腹にも達していない。ではそれ以前はいつだっただろう?
答えは2012年10月2日であった。ヤマレコにポストし始めるよりさらに前のようだ。
2012年に登った際の芽室岳。食品のパッケージを一緒に写しておくことで、それがいつなのかが分かりやすくなる。
2019年2月の芽室岳は深夜の林道歩きからスタート。振り返るとちょっと無謀であったように思う。でも人は失敗を重ねて成長するものだ。文字通り「致命的な失敗」でなければ良いじゃないか。
登山開始時の気温は、冷凍庫として正常に機能するレベル。札幌民が帯広の冬をナメてはいけない。
2014年11月23日の十勝幌尻岳。すっかり冬である。この冬シーズンも晴れればぜひ来てみたい。