
6月12日から11連休を取得し、東南アジア3か国と中国本土、マカオの旅をしてきた。
写真をメインに11日間の旅を一気に振り返ってみたい。
6月12日 新千歳→関西 いきなり遅延で深夜到着
出発日は新千歳から関西空港への移動だけ。peachの関西行き最終便は、定刻の20時10分出発から22時50分へ大幅な遅延。関西空港のT2に着いたのが深夜1時過ぎだった。こんなこともあるんだね。
到着したT2からT1に移動し、旅の初日から空港野宿をすることになった。
乗客にとっては確かに迷惑な話だが、乗員や空港職員はもっと気の毒だ。かわいそうに。
6月13日 関西空港→クアラルンプール 暑さに辟易する

11時出発のエアアジアXでクアラルンプールへ。めちゃめちゃアルマトイ推しの機内。
出国時、関西空港の地上係員からカンボジアのビザの確認、カンボジアからタイへの出国ルートと国際バス予約状況の確認、その後に中国を経由して帰ることなど、詳細に確認を受ける。こういうのがイチイチ面倒くさいが、相手だって面倒くさいだろう。ヘンな旅程を組む私が悪いのだ。

KLIA2に到着したのが17時過ぎ。KLIA2はクアラルンプール国際空港のターミナル2の略称で、旧LCCターミナル。90%以上の発着便がエアアジアグループという特異なターミナルである。
いつもは空港バスでKLセントラルへ移動するのだが、週末のこの時間帯だときっと渋滞に巻き込まれてしまうだろう。そう思って各駅停車のKLIAトランジットに乗りたかったんだけど、券売機ではなぜか直通電車のKLIAエクスプレスのチケットしか買えない。しかも有人の窓口に駅員がいない。
何としてでも割安に移動したい。
そこでターミナル1まで一駅だけ乗って一度改札を出て、ターミナル1からクレジットカードのタップで直接改札口を通ることにした。これならどうだ?
ちなみに空港でキャッシングしたクレジットカードがスキミング被害に遭い、数日後にメールでお知らせが届いた。いつもと違う環境からのカード利用なので、このメールに記載されている認証コードの入力を求められている。本人確認できずに決済できないようだった。ざまぁ。

そんなこんなでKLセントラルに到着。
各駅停車に乗って、KLIAトランジット側の改札口から出たのに、後日クレジットカード会社からの請求はRM55だった。ちゃっかりKLIAエクスプレス料金である。
ホント、マレーシアには疲れる。

予約したホテルはブキッビンタンのど真ん中。クオリティより立地を重視した。
ただでさえ暑すぎて疲労困憊なのに、マレーシアリズムに乗れなくてさらに疲れる。東南アジアで最ものんびりしている国ではないか。
空港でモタモタしたり、小銭が無くてモノレールに乗れなかったりして、ホテル到着は20時になってしまう。立地は良いが窓の無いホテル。荷物を置いたら秒で外出した。

パビリオンを経てKLCC公園へ。ペトロナスツインタワーと噴水ショーを観たら、再びブキッビンタンへ戻る。これはいつものパターン。

ブキッビンタンにも密雪冰城。

アロー通りのこのお店で一杯やりながらの夕食。茄子の炒め物と鶏肉のジンジャー炒め、タイガービール。ホテルへ戻ったのは24時頃になった。
6月14日 クアラルンプール→プノンペン

ブキッビンタンのホテルを午前6時半にチェックアウトし、7時前にはKLセントラルに到着した。帰りはいつもの空港バスに乗ってKLIA2へ向かう。
チケットオフィスで乗車券を購入。すでにバスは待機しているし、運転手もバスの前に立っている。なのに乗客は外で並んで待っていて、出発時刻の7時30分直前にならないとバスの中に入れない。こういう感覚が謎。
最近はせかせかした中国の旅が続いていたからだろうか、どうもマレーシアのリズムには調子が狂う。

空港で待ち時間があったので、オールドタウンホワイトコーヒーでトーストとコーヒーで軽めの朝食にする。マレーシアではスタバからオールドタウンに浮気する私。

KLIA2はエアアジア空港と言ってもいいくらいエアアジアの機材が並ぶ。私にとって世界で最も楽しい空港の一つだし、何度も行っているので思入れがある。
そうそう、フードコートの位置が到着階にあったんだけど、以前は出発階にあったような記憶が。。。移転した?

プノンペン到着は11時過ぎ。プノンペンのトゥクトゥクは小柄なボディでカワイイ。めちゃめちゃ欲しいんだけど、日本に輸入できるのだろうか。
初めてのプノンペンなのでまずは様子を伺うところから。

ホテルのチェックイン時間まで余裕があるので、空港で食事を済ませることにした。
明日はマラソン当日なので、お腹の調子を考えて食べ慣れたものを選ぶ。これが一丁前に高い。

空港から市内バスに乗って王宮付近に予約したホテルへ移動する。バスは時速20kmくらいのノロノロ運転で、1時間くらいかかる。
チェックイン後はすぐに外出し、マラソンの受付を兼ねて周辺観光をしてみる。

マラソンの受付会場まで徒歩で約10分。明日は早朝の暗い時間帯でも迷わず来ることができそうだ。
受付自体は秒で終わり、EXPO会場もこじんまりとしているので、時間つぶしにならない。Googleマップを見ながら南の方へ歩いてみる。

プノンペンの街並み。雰囲気はベトナムに近い感じだけど、看板に書かれているのはタイの文字に近い。
ベトナムに比べてバイクの数が少なく、トゥクトゥクや自動車が多い。
あちらこちらでトヨタのプリウスを見かけるので調べてみたら、アメリカから事故車や中古車を大量に輸入しているのだとか。

中心部にイオンがあったので、ここで今晩の食事と明日の朝食、水を購入することにした。日本のイオンそのまんまで快適。食べたいものも生活必需品も手ごろな値段で何でも揃う。

イオンから出たらドシャ降りの雨が降っている。Grabでトゥクトゥクを呼んでホテルへ帰ることにした。この後はナイトマーケットへ行きたかったんだけど、シャワーを浴びて早めに休むことにした。
夕食のメニューはビール2本、ブルーチーズ、カットパパイヤ、Breadtalkで購入したチキンフロス。
海外の暑い地域でカットフルーツを食べるのはややリスキーなんだけど、イオンの冷蔵ショーケースで販売しているから衛生管理はしっかりしているだろう。
6月15日 プノンペン→シェムリアップ

プノンペン国際ハーフマラソンの当日。
4時過ぎにスタート会場へ行くと、集まっている参加者はまだ少ない。そんな中、円形になって集まっているグループから日本語の会話が聞こえてくる。少し経ったころ、猫ひろしさんが登場。みんな待ってたんですね。グループの方々に丁寧に挨拶されていた。とても謙虚な方なようだ。

ハーフマラソンのコースは前半こそ中心部を走るものの、後半はバサック川の対岸にあるリバーサイドを往復する。
大都市の中を走っているという雰囲気がないので、やや盛り上がりに欠ける。こういう部分はホーチミンマラソンの後半部分に似ているかもしれない。
もう一度参加してみたいか?と問われたら、あまり肯定的な答えをしないだろう。いずれにせよこの大会で私の海外マラソン参加歴は33レースとなった。

ホテル周辺はタイで言うところのファランが集うような飲み屋が多い。

ホテルでシャワーを浴びて身支度を済ませたら10時半にチェックアウト。ロビーでバス会社のお迎えを待つが、これが一向に来る気配がない。Grab呼んで直接行こうかとやきもきしていたら、正午直前になってやっと現れた。こんなものだ。
シェムリアップ行きのバスは定刻の12時30分に出発した。乗客は欧米人観光客が大半。東アジアの観光客はおそらく私のみだろう。

シェムリアップまで約6時間の移動。途中でトイレ休憩が2回ある。
1回目は乗員の昼食を兼ねており、レストランで30分くらい休む。それならばと缶ビールを買って真っ昼間から飲む。そんなことをしているのは私だけだ。午前中、ハーフマラソン走ったからいいのである。
ちなみにたかがハーフマラソンなんだけど、東南アジア開催のマラソンは日本のそれとはずいぶん違う。27℃くらいでも、日本であんな湿度の中で走る人はきっといない。
暑さを測るには、湿度という別の指標があることを痛感できる。日本でランニングを趣味にしている方にも、尋常ではないくらい汗が吹き出る体験をぜひとも一度はしてみて欲しい。

19時前にシェムリアップに到着。
バスを降りたらホテルまで1.8km歩く予定だった。しかしやっぱりトゥクトゥクドライバーに捕まった。ホテルまで1ドルだと言うので素直に乗せてもらうことにした。
悪そうな人じゃないので、そのまま交渉して明日のアンコールワット観光の予約をする。

トゥクトゥクドライバーのシータさん。

ホテルの前で待っていてもらって、チェックインしたらすぐにパブストリートへ移動。

ビール数杯(何杯か忘れた)と野菜炒め、ライス、フライドオニオンの夕食。このくらいの量でも食べられなくなっている自分はもう高齢者の仲間入りかもしれない。
トゥクトゥクドライバーのシータさんは「帰りも送るから何時まで飲むか教えてくれ」と言うが、飲み始めたらそんなのわかりゃしない。お引き取りいただくことにした。閑散期シーズンだからお客を捕まえるのが大変なのかもしれない。

21時にホテルへ戻る。声を掛けてきたトゥクトゥクドライバーに、ホテルまでいくら?と訊くと、3ドルだと言う。行きは1ドルだったと切り返すと、じゃあ2ドルにまけておくよと言うので、面倒くさいからそれ以上は値段交渉せずに乗った。
現地のガソリン1リットルの値段はだいたい1ドルくらいなので、直感的に妥当な線だと思った。新興国の旅ではぼったくりを警戒してついつい値切る姿勢になってしまうが、彼らの生活水準や職業の過酷さを考えると、少しくらい割り増しで支払うのがちょうど良いと思う。むしろ1ドル145円を値切ったことによって、自分に嫌悪感を抱く方が問題だ。

シェムリアップのホテル。この旅で唯一2泊した部屋。2泊で5,368円だった。
6月16日 アンコール遺跡スモールサーキット

今日はアンコール遺跡のスモールサーキットを巡る日。スモールサーキットは日本語に訳せば小回りコース。最も有名な遺跡を巡る定番コースだ。アンコールワットで日の出を見るなら早朝出発になるんだけど、今回は日の出ツアーを割愛したので、ホテルを9時に出発した。
外へ出るとドライバーは昨日のシータさんではなく、別な方だった。たぶんシータさん、バイクの調子が悪かったのだろう。
代わりのこの方もとても温厚で優しい。なぜか背中にENEOSのロゴが入ったTシャツを着ていて、最後まで気になって仕方なかった。
7年前に来たときと違ってドライバーとLINEで繋がり、現地でのピックアップポイントのやり取りをしながら進む。入場料もウェブサイトからオンラインで支払い、現地ではQRコードを提示する。こういうところにも時代の変化を感じる。
そうか。LINEで繋がっているから今からでも遅くない。なぜ、あなたはENEOSのTシャツを着ているのかと質問してみるか。

午前10時頃のアンコールワット。雨季なのに天気が良くて暑い。かなり日焼けしてしまった。

アンコールワット。アジア圏で必見の歴史的建造物を5つ挙げるとしたら、きっとここは外せないだろう。

ドライバーを待たせておきながら、ブランチのLOC LACとビールをいただく。

バイヨン、タケオを巡ってタプロームへ来る。バンテアイクデイへ行かなくていいからプリヤカーンに寄ってくれないか?と交渉してみたが、それは叶わなかった。

ところが最後に来たバンテアイクデイがとても良かった。
前回来た時、ここの係員が「案内してあげるからついて来い」と言うので素直に案内してもらったら、最後に5ドルを要求され、しかも説明が強引であまり記憶に残らなかった。
やはり自分のペースで見学するのが一番いい。
ちなみにアンコールワットには日本語ガイドさんもいる。10ドル程度で案内してくれるので、複数人で観光する場合はお願いしてもいいかもしれない。
私はこういう時、「ここへ来るのは今回で4回目なんだよね」と切り返すようにしていて、そうするとたいていの場合、すぐに引きさがるものだ。
同じように飲み屋街ではマッサージとか買春系の誘いも多い。「50歳を過ぎてるからもうダメなんだよ」って、上方に向けた人差し指を下に向かってゆっくり下げるジェスチャーすると、相手は爆笑しながら引き下がるものだ。
私が伝えたいことは、相手も人間だということだ。しつこいからと言って無視するのではなく、いかに温和でユーモアのある断り方をするのかが大切だということ。

バンテアイクデイの向かいにあるスラスラン。ドライバーに待っていてもらい、ここも少しだけ見学した。

ひととおり見学が終わった後、今日もパブストリートで下ろしてもらう。
実は出発前に「日本人ならラピュタを知っているだろう?時間が余ったらそこ(ベンメリア)へ行かないか?(もちろん遠いから別料金だけど)」と提案を受けていたんだけど、思ったより時間がかかったのでスモールサーキットだけで終了した。
彼もアディショナルな稼ぎを期待していただろうから、チップを5ドル渡して終えることにした。そもそもスモールサーキットで20ドルは相場より高めなんだし。カンボジアで8時間勤務で25ドルなら十分だと思うのだが。

17時前から飲み始め、3時間くらいいたように思う。ビール7杯目までは数えていたが、それ以降は不明。

ホテルへ戻る前にスターバックスへ。
カンボジアのスタバではギフト用の物理カードの取り扱いがなく、トップアップして使うタイプのみを扱っていた。ベトナムと一緒。
酒が入っているせいもあって、いつもは弱気な私も強気のビアイングリッシュで店員さんに質問をぶつける。
結局、デザインも特徴的ではないので、エスプレッソ用の小さなマグをお土産に購入した。

パブストリートの入口に待機しているトゥクトゥクに乗ってホテルへ帰る。
Googleマップを見せて「このホテルへ行ってくれ」と言うと、「分かったOK」となるが、実際に走り始めると、全く理解していないことが多い。
結局ドライバーに「次を右」「そこを左」「よしここで停めて」と指示しながら乗っているパターンがほとんど。

ホテルへ戻り、屋上にあるバーでもう少し飲む。完全にビョーキだな、私。
6月17日 シェムリアップ→バンコク ひたすらバスの中

この旅の核心となる火曜日。今日はシェムリアップから国際バスでバンコクへ向かう。
ホテルを6時50分にチェックアウトして外へ出ると、おとといのトゥクトゥクドライバーのシータさんが待っていた。
バスターミナルまで送ってもらい、2ドル支払って分かれる。朝早く来て待っててくれたんだから、1ドルくらい割り増しで支払ってあげたい。

バスは7時30分にシェムリアップを出発し、ポイペトから出国してタイのアランヤプラテートから入国する一般的なパターン。バンコク到着は夕方となる。ほぼ終日移動。
最近、国境を巡る問題で緊張感が高まっているカンボジアとタイ。結局のところ、今回はポイペトから難なく出国できた。でもこれはタイミングが良かっただけの話。1週間後には再び全面的に国境が閉じられたらしい。

プノンペン→シェムリアップ間と違い、バンコク行きは2列+1列シートで広々快適。タイに入国すると車内でお弁当が配られる。走り始めて15分くらい経ったら、ガソリンスタンドでトイレ休憩もある。ここにはセブンイレブンが併設されているので、食後のコーヒーやデザートを購入するのもいい。
ちなみにバンコクでは、スワンナプーム空港の次の空港鉄道駅「Lat Krabang」でも下車できる。私はアソークへ行きたかったのでそこで降りた。空港鉄道に乗ってしまえば、外をほとんど歩かなくていいので楽チンだ。

アソークではいつものスダーで夕食。いつものメニューにビール。店員さんも見慣れた顔が多い。
このメニューで400バーツだからそこそこのお値段ではあるが、高層ビル群に囲まれたオアシスという感じと、その中で時が止まっている感じがして、お気に入りの場所の一つだ。
この店をはじめ、当時駐在していたO氏には数えきれないほど素敵なお店を教えていただき、感謝しかない。

続いて、ラディソンブルーホテル屋上のルーフトップバーで安着祝い。この旅の山場は越えた。

空が暗くなり、マッカサンの高層ビル群がひときわ美しい。

バンコクにも密雪冰城がある。
6月18日 バンコク→重慶 軽度の発熱と関節痛で寝込む

バンコクではドンムアンのホテルに泊まった。ここを早朝4時にチェックアウトし、ドンムアン空港で朝いちばんに飛び立つ重慶行きのタイエアアジアに乗る。いけないことなんだけど、空港で不要な下着類やランニングシューズも捨てて軽量化を図る。

初めての重慶に到着し、まずはスタバで作戦会議。パープレにプロンプトを入力する。内容は以下の通り。
「私はいま重慶の江北空港にいます。13時に中心部に行き、それから23時くらいまで地下鉄と徒歩で移動しながら観光します。おススメのランドマークとモデルコースを提案してください。ただし歴史的建造物とグルメは不要です。夜市や繁華街は含めてください。」
これで提案された場所を百度地図で調べ、行きたいと思った場所はグーグルマップにプロットしていく。あとは地下鉄路線図アプリを活用しながら効率的に動くだけ。

重慶と言えば、3Dではなく8D都市なんて言われているそう。象徴的なモノレール駅。李子壩站。

予約していたホテルが休業になったとのことで、こちらを提案された。差額の費用はTripドットコム持ち。結果オーライである。
で、朝から水便が続き、食欲不振、軽度の発熱と関節痛が酷いので、2時間くらい休むことにした。カンボジアで蚊に刺されたので、ジカ熱を疑う。これもCopilotに相談しながら、この後の旅程をどうするか決める。

休んだら少し体調が回復したので、日が暮れてから行動開始。
まずは重慶の解放碑歩行街。解放碑は抗日戦争勝利の象徴。この都市は中国国内で最も反日感情が高いと聞くが、私が接した人たちはみんな優しくて親切だった。フィルターをかけずに人々と接するようにしたい。

重慶洪崖洞。重慶では必見の観光地だ。
6月19日 重慶→成都

1日経過して体調が回復した。
最後に行ってみたかった場所がホテルから徒歩5分以内にあるので、予定より30分早めにチェックアウトする。
魁星楼と呼ばれる場所だが、ホテルがある解放碑付近から行くと地上2階くらいに大きな広場がある。

ところが広場の奥まで行くとなぜか吊り橋があり、対岸にはビルの上階につながっている。

下を覗くと恐ろしいくらい高い場所にいる。そしてこちら側は地上22階らしい。片側は地上2階、もう片方は地上22階。なぜ同じ場所なのに20階も差が生まれるのだろう?
朝から脳がバグりそうである。

気を取り直して重慶北站へ。10時半過ぎ出発の高速鉄道に乗り、成都東站には13時頃に到着した。

14時、駅至近のホテルにチェックインして荷物をデポする。同系列のホテルが4つあり、一番バジェットなホテルを予約しておいた。1泊2,090円という破格である。なのにクオリティは十分だし、立地もよい。
なにせこのホテルだけでも1,159室も客室があるそうだから、中国のスケール感がよく分かる。
いま、世界でも最もコスパが高い旅ができるのは間違いなく中国だと断言できる。これからの私の旅は、しばらく中国一択で良いと思っている。
2016年から足掛け10年に渡って続けてきた海外ひとり旅も、すでに50回を超えた。
訪問国は韓国、中国、香港、マカオ、台湾、フィリピン、ベトナム、タイ、ラオス、カンボジア、マレーシア、インドネシア、シンガポール、インド、UAE、ギリシャ、イタリア、オランダ、スイス、ドイツ、フランス、オーストラリア、アメリカ。
では、もっと世界中を、もっとたくさんの国へ行ってみたいかと問われたら、答えはノーだ。むしろ、行きたい国は指で数えるほどしか残っておらず、気持ちは国内回帰が進んでいる。治安が悪い国や観光資源が乏しい国へわざわざ行きたいとは思わない。
そんな中で、これからも通いたい国は中国、台湾、ベトナムくらいだろうか。そういう文脈で私の旅はしばらく中国に偏っていくと思う。

春熙路。成都の中心にある繁華街だ。どこへ行ってもパンダ推し。

寛窄巷子。ここも成都に来たら行きたい場所の一つ。
とエラそうに言ってる私も、重慶からの移動中にAIに訊いてこの場所を教えてもらった。

錦里。地下鉄の駅から少し歩く。
この時期は19時を過ぎてもまだ明るい。
錦里の内部は中国でよく見かけるいつものやつだ。

成都金融城付近。地下鉄の駅から外へ出たら、全面デジタルサイネージ化されたツインタワーがお出迎え。
6月20日 成都→マカオ パンダに歓喜、マカオにうーん。

午前中にダラダラしたい誘惑を振り切り、ジャイアントパンダを見に行くことにした。ここ成都大熊猫繁育研究基地では日本人の姿も多く見かけた。
つい最近日本から返還されたパンダたちは、ここの帰属のようだ。

パンダ。中国では熊猫という。大熊猫はジャイアントパンダ。

小熊猫はレッサーパンダ。結構たくさんいる。

2時間くらい見学したら、地下鉄で成都天府空港へ移動する。そして夕方のフライトでマカオへ。現地に着いたら食事にありつけないかもしれないから、空港で早めの夕食を済ませることにした。
重慶小面も四川料理もまったく口にすることなく、マクドナルドである。
重慶で体調不良に陥ってから食欲不振が続き、重慶でも成都でもまともに食事をしていない。3日前に滞在したバンコクの夜以来、最初のまともな食事がこれである。
そしてこの後、機内食。CAさんの口から発せられる「米飯」と「面」というワードだけ聞き取れたので米飯と答えたらちゃんと通じた。外国語は臆せず積極的に使ってみよう。

マカオ到着は19時。香港ドルは持ってきたが、マカオのパタカは持っていない。両替する気もない。
WeChatでバスに乗れると聞いたのでトライしてみたが、やはりバスのリーダーにはエラー表示が出て乗れなかった。運ちゃんが首を横に振る。
あきらめてLRTで移動することにした。駅の窓口で片道チケットをクレカ払いで購入。そして終点の媽閣から30分歩いてホテルへ。すでに21時近い。
本当に夜だけのマカオ観光となる。

宿泊は旧市街の安ホテルなので、世界遺産地区へは徒歩圏内だった。ものの1時間程度で見たい場所へは全て行けたので結果オーライである。今回のマカオでは旧市街地区しか行ってないんだけど、何となく寂れた香港の雰囲気を感じる。旧市街とは別の場所に巨大なカジノ地区がある。カジノには興味がないので、たぶん2度目のマカオはないだろう。

ユニクロで香港・マカオ限定Tシャツを衝動買いする。
6月21日 マカオ→成田 新大久保で韓国メシ

マカオ最安値圏のホテルで迎える朝。窓から見える隣の住宅に生活感を感じる。
最安値とは言っても6,861円。今回の旅行で最も高額の宿泊費となったが、部屋のクオリティは最も低い。それも土地柄だから仕方ない。最初はマカオの空港で寝ようと思っていたけれど、それはしなくて良かった。制限エリアならともかく、一般エリアではまともに寝られないだろう。そのくらいこじんまりとした空港なのだ。

マカオを9時半に出発して成田空港到着は15時頃。
到着ロビーのスターバックスで久しぶりに日本語を話す。そして店員さんから帰ってきた言葉は「ミッフィーちゃんの帽子、かわいいですね」だった。
10日ぶりの日本語での会話がいきなり想定外のものだから、頭の中がフリーズしてしまった。
カプチーノグランデサイズが555円。私が今年旅してきた国々の中で、この価格はかなり安い部類に入る。だいたいベトナムと同じくらいだろうか。やはり日本はいい。

妹分と二人で新大久保のコリアンストリートで飲む。
6月22日 羽田→新千歳 やっぱり東京が一番楽しい!?

最終日。ネカフェで寝る予定を変更して急きょ浜松町のカプセルホテルを予約した。昭和から平成にかけての雰囲気がとても懐かしい。若いころによく泊ったカプセルホテルがそのまま残っている。
自衛官だった20代に国分寺、横須賀、御殿場に累計3年くらい住んでいたけれど、まともに東京を観光した記憶はあまりない。天気が良いし、夜まで時間があるので観光することにした。テーマはインバウンドが行く場所。そして、東南アジア3か国、中国本土とマカオを旅してきた続きとして、東京という都市がインバウンド目線でどう映るかを知りたかった。
多くの日本人は、インバウンドが直行便で日本へやって来て、再び直行便で本国へ帰っていくと錯覚している。しかしそれはアジア圏の人たちだけだ。
欧米から来る多くの旅行者は台湾や香港、韓国、中国、タイ、ベトナム、シンガポールなどをホッピングして帰っていくのだ。私たちだってヨーロッパへ行くとき、フランスだけ、スペインだけ、イタリアだけなんて旅をしないでしょ?それと一緒。
だからこうやって比較してみるのも大切だと思う。

まずはスカイツリー。東京ソラマチにはミッフィーのショップがある。もちろん必ず行く。

その流れで昼間っからクラフトビール。

次いで浅草寺。世界に誇れるくらいポテンシャルが高い。

おみくじは大吉に決まっているっしょ。

渋谷のスクランブル交差点。ここもインバウンドが必ず来るらしい。その前に池袋、新宿も行った。

17時、大門のコインロッカーにデポしておいた荷物を回収してモノレールで羽田空港へ。
正直言って、東京は中国のどの都市より混雑していたし、雑多だと思う。それでもアジアのどの都市より奥深くて、オリジナリティが高いように思う。
日本人の私にとっても東京の鉄道網は複雑で難解だが、どこへでも行くことができるのはアドバンテージだと思う。コンビニ、自販機、飲食店も質が高くてどの国より便利だ。
一方で最も強く感じたことは、公共場所にゴミ箱が少ないことだ。と言うか、皆無と言っていい。これは極めて不便であって、対策が必要だと思う。カフェやドリンクスタンドでテイクアウトしたら、その容器はいったいどこで捨てればいいのか?ホテルや空港へ行かないと捨てられない。だからみんな駅やデパートのトイレに止むなく放置していくのだと思う。
こんな感じで11日間でアジアの8都市を忙しなく巡ってみた今回の旅。1日1都市という旅のスタイルもなかなか悪くない、という結論で最後締め括りたい。
次は8月のバリ、9月の上海と続く。