こんにちは!やまたび北海道のコモ子です。
今日は北海道の山に関するガイド本についてご紹介します。
北海道の山歩きを楽しむ人にとって、地元発刊のガイド本があることはわりとよく知られていることと思います。
ところが、道外ではあまり知られていないようで、北海道が誇るせっかくの良書が、地元だけでしか読まれていないというのは、とても残念です。
そこで、この記事では、北海道の夏山、雪山、沢登り、登山口に関するガイド本をご紹介していきます。書店で見つけたら、ぜひ手に取って購入していただきたいと思います。
北海道の夏山に関するガイド本

北海道在住の登山者なら、ほぼ100%知っているくらいどこの書店でも扱っているのが、こちらの「北海道夏山ガイド」(1巻~6巻)【北海道新聞社】です。
この本は主要な山域別に分かれていて、夏道が開かれている山とその登山コースついて、実際に現地調査をして書かれています。おそらくすべての山が網羅されているものと思われます。
インターネットが普及してこのホームページを始め、多くのブログ、コミュニティサイトで登山情報が得られる時代ですが、出版されている紙の媒体では、情報の質や信頼性が数段高いことがわかります。
体力や険しさ、迷いやすさなどについて数値で客観的に判断して、総合的な難易度について初級~上級に分類されているところも、北海道に知見が少ない方にとっては大いに参考になるでしょう。
B6サイズで携帯性に優れ、数年サイクルで更新も行われているので風化することもありません。北海道外の書店では取り扱いがないこともありますが、アマゾンなどでも簡単に入手できます。最新版の購入をお勧めします。
何となく手作り感があって、読み物としても面白いんです。このガイドブックをベースに、山レコなどの個人ユーザの山行記録と重ねれば、かなりの情報が集められます。
なお、これからご紹介するすべての商品は、Amazonへのリンクが貼ってあります。この記事はめったに更新しないため、リンク切れになっていたり、Amazonでの取り扱いが終了している可能性もあります。そのため、Google検索やブックマークからAmazonのサイトへ直接飛んでいただき、そこから商品を検索していただいたほうが確実です。
さらにもう一つ。こちらの「ほっかいどう山楽紀行」の筆者の坂口さんは、北海道の山に関して、趣味でウェブサイトを運営される先駆者的な方で、非常に多くの山に登られ、一般登山者の視点で実に多くの情報を発信、共有して下さっています。地元北海道新聞にコラムを連載され、その集大成がこちらの「ほっかいどう山楽紀行」です。前出の夏山ガイドや後出の雪山ガイドへも寄稿されております。坂口さんウェブサイトから購入を申し込むと、直筆サインをしていただけます(2017年10月現在)。私もこの方のファンの一人で、特にヤマレコが無い時代には、数々の貴重な情報を提供していただいて、多くの山々に登ることができました。
北海道の雪山に関するガイド本
さて次にご紹介するのは、雪山に関するガイド本です。夏とは違い、決まった登山道がないのが雪山。ある程度の経験と知識がなければ危険なのも事実です。そこで役に立つのが、ルートの概要を掲載したガイド本です。
今回紹介するのは「北海道夏山ガイド」全6巻と並んで、ベストセラーになっている「北海道雪山ガイド」です。地元の方なら本屋さんで見たことがあるでしょうし、この本を興味あって手に取った人ならば、その内容に驚いて即購入していることと思います。
この本の良いところは、アイゼンやピッケルを使用した本格的な冬山登山ではなく、山スキーやスノーシューで楽しめる範囲に限定しているところ。雪山のピークに立つことよりも、スキーやスノーシューで雪山を楽しむことに重きが置かれていることがいいと思います。
最新版(2017年10月現在)には、知床岳へのルートも紹介されています。他にも海別岳や浜益岳、チトカニウシ山、漁岳、ポンネアンチシ山、白老岳、幌天狗、知円別岳といった、基本的に冬にしか登ることができない名山や、西昆布岳、三段山、迷沢山、小喜茂別山、藻琴山、横津岳、春香山など、楽しく遊べる雪山が目白押しです。
こちらは入門者向けの姉妹編。すでに雪山を楽しんでいる方にとっては物足りなさを感じるかもしれませんが、これから雪山を始めたいという方には良書だと思います。夏山に慣れ親しんでいても、雪山は経験を積み重ねていかなければ感覚が掴めません。どんな小さな山でもいいので、目まぐるしく変わる雪質や、晴れの日と風雪が強い日の体感気温、視界不良、ラッセル、自分自身のトレースを見失い詳細な地図判読を迫られる場面など、とにかく数をこなしていくことが大切です。そのための手引書として活用したいところです。
北海道の沢登りに関するガイド本
夏山ガイド、雪山ガイドに続いて、待望の沢登りのガイド本も発売されました。北海道の山々に興味があれば、沢登りをしたことがない人にとっても、ワクワクするような内容になっています。
全288ページの中には、日高山脈と道央・道南地域の案内が、それぞれ三分の一強を占めており、道外の一般登山者にとっては直感的に理解できない内容かもしれませんが、夏山ガイド・雪山ガイドより、遥かにマニアック(失礼)で、相当な取材の労力がかかっていると思われます。そのわりには僅か2,200円(税抜)という破格で手に入れることができるのは、大変ありがたいです。もし、数年後にこの書籍が絶版になったとしたら、次世代のいったい誰が更新するのか、というくらい専門性が高い良書です。
北海道の山全般を網羅したガイド本
こちらの「北海道の山と谷」はノージャンルで、北海道の山すべてに焦点を当てています。10年くらい前に絶版となった上下巻のうち、まずは札幌近郊と道央・道南版からリニューアルして復刻しました。北海道の山々に対する情熱と愛が感じられる、おススメの1冊です。
待望の第2巻目が2018年7月初旬に発売されました!こちらは日高山脈と道東編です。2巻目が日高山脈というところに、ファンの期待へ応える嬉しさと、編集メンバーの熱い想いが感じられます。個人的に第2巻は強く推します!「絶対買い」です。
北海道の主要な登山口を網羅したガイド本
こちらは登山口に特化したガイド本。多くの情報が追記され、4年ぶりにリニューアルされました。登山を始めたばかりの方や、道外から自家用車やレンタカーを借りて、たくさんの山に登る方にとってはとても重宝します。道内のベテラン登山者さんでも、天候の変化によって行き先を変える場合には、すぐにナビに登録して素早く行き先変更ができるので、車内に据え置きしておくと良いかも。景勝地に関しても網羅されているので、急な雨で登山を中止し、ドライブへ変更するときなどにも、たいへん役に立つ一冊。
いかがでしたか。深田久弥氏の日本百名山をテーマとしたガイド本であっても、数年で廃版になってしまうような業界の流れを察すると、北海道限定で季節も限られているような本は、手に入るときに入手しておきたいところですね。