こんにちは!やまたび北海道のコモ子です。
今日は残雪期の徳舜瞥山についての話題。この山に登ったのはもう5年前の話ですが、ブログにアップしていなかったので当時の記憶を思い出しながら記事にします。近々、もう一度登ってみたくなりました。
徳舜瞥山は北海道夏山ガイドにも紹介されている道央地区の名山で、夏は特に多くのハイカーで賑わいます。山頂からの見晴らしも良く、夏道であれば登り2時間、下り1時間くらいで登れるので、私も本格的に山歩きを始める以前にこの山に登ったことがあります。
この山は札幌からのアクセスも良く、比較的雪が少なく天候が安定しやすい太平洋側に位置しているので、冬にも登りやすいと思います。北海道雪山ガイドには2コースが詳しく紹介されていますが、私が今回登ったコースは夏の登山口から旧登山道に合流するコースです。
4月であれば道路の雪解けも進み、夏の登山口までのアクセスもラッセルなしでツボ足でも大丈夫でしょう。
この春の雪山ハイク、徳舜瞥山に登ってみませんか?
徳舜瞥山へのアクセス
千歳方面から徳舜瞥山へのアクセスは、国道453号線(一部276号線と重複区間あり)を支笏湖方面から美笛峠を越え、北湯沢温泉郷の手前から登り始めます。
すぐ隣にはホロホロ山があり、こちらのほうがちょっとだけ標高がありますが、ほぼ同じくらい。
徳舜瞥山とホロホロ山の間は短いながらも縦走路で繋がっており、ホロホロ山へは白老町側から登山道があることから、夏はこちらからのアクセスも可能です。
端正な山頂を見上げながら林道「ホロホロ山線」を詰めていく
さて、さっそく登山開始といきましょう。
夏の登山口まではしばらく林道を歩きます。この道は除雪されていないので、春でも自然融解するまで雪は残ります。国道から車で進入し、雪解けが進んで地面が露出しているギリギリのところに駐車します。
駐車地点からまずはツボ足で歩き始めますが、4月中旬の早朝は雪が固く締まっていてことが多いので歩きやすいです。ただ日中になると暖かくなって雪解けが進み、ザラメ雪で足を取られるでしょう。
晴れていれば始めから山頂まで見渡せますし、振り返ると羊蹄山の上部半分くらいとアンヌプリの山頂付近も確認できますよ。
夏の登山道同様、このルートは最終的に旧登山道の尾根に合流します。夏道をそのまま進んでもいいのですが、尾根を目指して適当に登っていくと良いでしょう。
方角さえ間違わなければ大丈夫。雪山の林内は微妙な凹凸や雪の残り具合などを考慮して、距離がなるべく短くなるようにルートを取ります。
尾根に上がってから一望できる羊蹄山とニセコ連山の眺め
林内を縫ってしばらく歩くと木々がまばらになって、かなり開放的で広い尾根に到達します。
この付近はスキーのトレースがたくさん見られ、多くの人たちが楽しそうに滑っている情景が目に浮かぶでしょう。
林の中から尾根に上がるときには、下降地点を見失わないようにマークしておきたいもの。残雪期の下山時は、登りのトレースが消えてなくなっていることもしばしば。大事なポイントでは後ろを振り返って周辺の景色を覚えておいたり、スマホのカメラで画像を記録しておいたりして、迷ったときに記憶を辿れるようにしておきたいですよね。
最近はスマホでもGPSアプリが普及して、ナビゲーション技術は日々進化しています。車の運転においても「ナビを使うより自分の感覚に頼って運転しろ」という人がほとんどいないように、登山の世界でも、テクノロジーの進化が、もっと安全で確実な登山ができるように導いてくれそうですよね。今はまだその途上段階にありますので、登ってきた行程で身体が覚えた感覚や目で見た実際の映像など、自分の脳に記録した情報と合わせながら安全な登山を心がけたいものです。
さて尾根に沿って高度を稼ぎ、後ろを振り返ると羊蹄山や真っ白なニセコ連山を見渡せます。羊蹄山があまりにも目立ちすぎているので、尻別岳がその一部のように同化しちゃってますが、、、
尾根を詰めて行くと木々もだんだんとまばらになり、徐々にハイマツが現れてきます。4月中旬はすでに雪が少ないので、ところどころで踏み抜くこともしばしば。この時の私は、スノーシューを使わずに最後までツボ足で登ってきたので、余計に埋まってしまうわけですよね。
最後は傾斜がかなりあり、時間帯によっては氷化していることもあるでしょう。その場合、残雪期であってもアイゼンを装着したほうが安全ですし、キックステップをしなくていいので早く通過できます。
徳舜瞥山の頂から支笏湖、洞爺湖、羊蹄山、ニセコ連山の眺め
山頂まで登りきると見渡す限るの景色に思わず声が出てしまいます。天候などの状況を無視してまで無理に山頂に立つことには賛成できませんが、山頂まで登らないと見られない景色がある、そういった山がたまにあり、この徳舜瞥山も同様。太平洋側の景色を眺めるには、山頂まで登りきらないとならないんですよね。ですから景色を楽しむためにこの山に登るときは、視程が良好で天候が穏やかな日を選んで登りたいものです。
徳舜瞥山の頂からは支笏湖、洞爺湖、太平洋と噴火湾のすべてを見渡せます。地理的にこういった場所はほとんどないので、特に地元道央圏に住んでいる人は一度は登っておきたい山ですよね。
こちらはお隣のホロホロ山。等高線を見ると鞍部までの標高差が80mくらいあり、直線距離で約900mほどあります。コンディションが良ければ足を延ばしておきたいところです。
画像の山頂の左側に見える緩やかな稜線は北に向かって伸びており、ホロホロ峠に向かって広い斜面となって下っていきます。さらにホロホロ峠から登り返すと白老岳に至ります。
朝ゆっくりスタートでも手ごろに楽しめる徳舜瞥山の魅力
羊蹄山から目を右に転じると、恵庭岳を中心に支笏湖や周辺の山々も一望できます。山頂から見渡せる主要な山々は北側に位置しているため、お昼を過ぎても太陽を背にしている理由からスッキリと眺められるでしょう。
残雪期のツボ足でも登り3時間、下り2時間くらいをみておけば十分。そのため朝8時くらいに千歳や札幌を出発して登り始めても、暖かくてきっと景色も楽しるはず。往復の運転も明るい時間帯なので精神的に負担も少ないですよね。
みなさんもこの春、徳舜瞥山の雪山ハイクはどうですか?