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木曽駒ヶ岳の夏山登山|コガラ登山口から紅葉の福島Bコース(10月上旬)

木曽駒ヶ岳山頂

 

中央アルプスの木曽駒ヶ岳は、しらび平から駒ヶ岳ロープウェイを利用して千畳敷へ至り、そこからサクッと登ってしまうのが最も利用者が多いルート。

 

このルートを辿れば楽に登れるアルプス入門の山ではありますが、その他にもたくさんのルートがあるんですね。そこで今回は木曽駒高原のコガラ登山口から福島Bコースを使って往復することにしました。

 

登山口からの標高差はおよそ1,500m。宝剣岳まで足を運べば距離20km近くになるのでなかなかのボリュームです。

 

今回は紅葉真っ盛りでの2021年10月2日に登ってみましたので、その様子を振り返ってみます。

 

ダイジェスト版はヤマレコをご覧ください。

 

深夜のコガラ登山口から福島Bコースを行く

コガラ登山口

 

実は空木岳までの日帰り往復縦走を計画していたため、深夜0時に出発する予定でした。前夜は大桑村にある国道19号線沿いの道の駅大桑で車中泊。

 

10月なのでできるだけ標高が低い暖かい場所で車中泊をし、あさイチで1時間くらい車で移動して目を覚ましてから登山を開始する、そんなパターンが多い最近の私です。

 

ゲストハウスヒルトップさんまで舗装路となっており、そこから数百メートルのダートを進むと登山口があります。着いた時は深夜で1台のクルマも停まっておらず、どこに駐車してよいものか分からなかったので、ヒルトップさんの駐車場に停めさせていただきました。知らずにごめんなさい。

 

1時間遅れで午前1時出発。

 

福島Bコース

 

登山口から幸ノ川沿いにしばらく林道跡を歩きます。

 

幸ノ川の渡渉点で飛び石伝いに対岸へ渡ると急な登山道となり、7合目の避難小屋まで標高差800mくらいを一気に稼ぎます。登りも下りもここが一番の難所かな。

 

モンベルクロスランナーパック15

 

ちなみに今日の装備はモンベルのクロスランナーパック15 women's 。毎日通勤ランニングで使用しているので安心感があります。

 

ただ、登山で使うのは白旗山以外では初めてかも。満載にしたときの肩や背中への感触や、サイドポケットに900mlサイズのポカリスエットを入れた場合の窮屈感、クロスランナーポーチMとの併用したときの感覚なんかは新しい発見だったかも。

 

山で普段背負っているモンベルのアルチプラノパック20もそうですが、白系のカラーはフィールドではすぐに汚れてしまうので、私のようにガサツに扱う人向きではないかな。

 

ファーウェイバンド4プロ

 

運動中の心拍数は、自分のペースや当日の体調を知るうえでの目安になります。

 

ガーミンやポラールなどのGPSウォッチは私にとってはちょっと高価なので、ファーウェイのバンド4プロを愛用中。心拍数測定の精度の良否は分からないものの、毎日使用しているので、まあ相対的な評価はできます。

 

私の場合、登山初日では95~105を目安に、2日連続になってくると105~115を目安にしていると、翌日に大きな疲労を残さないですね。

 

で、着地点はコースタイムの0.7前後で下山完了する感じ。

 

福島Bコース7合目

 

福島Bコースの7合目にある避難小屋へ到着したのが午前3時30分。1時にスタートしたので2時間半くらいかかりました。

 

ここから先はこれまでの尾根歩きとは趣が変わり、麦草岳から木曽前岳の山腹をトラバースしていく感じ。

 

急な斜面を強引に横切っていくような箇所や、大きな岩場を乗り越えて行く箇所など多様な変化があります。岩場は滑りやすいので要注意。

 

オリオン座

 

午前4時50分、9合目の玉ノ窪小屋まであと僅かという場面で、いよいよ航海薄明の時間帯に差し掛かります。

 

20年くらい前に陸上自衛官だった当時、BMNT(Beginning Morining Nautical Twilight)と言って、演習中は最も緊張感がある嫌いな時間帯だったけれど、山歩きでは最もテンションが上がるマジカルアワーなんですよね。

 

正面にはオリオン座が見えます。向かって左上がベテルギウス、右下がリゲル。オリオン座の左側下方に見えるのがおおいぬ座のシリウス。シリウスは太陽に次いで最も明るく見える星で、ベテルギウスとこいぬ座のプロキオンの3つで冬の大三角なんて理科の時間に習いましたよね。

 

9合目の玉ノ窪小屋で夜明け、木曽駒ヶ岳と宝剣岳へ

玉ノ窪小屋

 

玉ノ窪小屋まで到達すると、中央アルプスの南側にある空木岳が見えてきます。

 

もっともテンションが上がる場面ですがここまでまだ誰一人とも会っておらず、この感動シーンを独占。

 

私は昔から寂しいという感情をほとんど抱かないタイプなので、一人でも十分に楽しめちゃうの。

 

御嶽山

 

木曽前岳と麦草岳の奥には明日登る予定の御嶽山が。

 

こちら側が東になるので、朝陽を浴びて輝いて見えます。

 

木曽駒ヶ岳頂上

 

玉ノ窪小屋から頂上までの標高差はおよそ200m。ルンルン気分で一気に駆け上がると、ちょうど日の出の時間帯。

 

頂上は、どこからこんなに現れたのかというくらい多くの登山者で賑わっていて、私が歩いてきたコースがマイナールートだということをあらためて実感。

 

それにしても朝6時でロープウェイの運行開始前のはず。前日は台風16号が接近中だったのに登って来たのでしょうか?

 

木曽駒ヶ岳

 

山頂からの眺め。本当は空木岳、あわよくば南駒ヶ岳までを往復しようなんて企てていたけれど、見た目の遠さにやめることに。意思、弱すぎ!まあ何よりこれだけで十分満足なんですよ。

 

手前に見える宝剣岳に登って午前中に下山、美味しいランチに温泉、インスタとヤマレコ、ブログを書いて夕方にはビールを飲んで寝ようって思っちゃって。

 

頂上山荘

 

正面から朝陽を浴びながら、次いで宝剣岳への道のり。福島Bコースの急登を登ってきた人なら分るでしょうが、この辺りは天空の回廊みたいなもの。

 

小屋泊りの方が多いらしく、軽装で歩いている方もたくさんいました。それぞれの楽しみ方で良い、山登りなんてしょせんレジャー。無理に苦労する必要なんかないと思うんですよ。

 

宝剣岳

 

そして鋭い岩場を慎重に通過して宝剣岳の頂へ。

 

せっかく紅葉時期に来たのでこちら側から千畳敷にいったん下りて、宝剣山荘に戻ろうとも考えてみたものの、前のパーティで渋滞気味だったのもあって引き返すことに。

 

宝剣岳から再び木曽駒ヶ岳、そして木曽前岳へ。

宝剣岳

 

宝剣岳を振り返って。客観的に見るとちょっと怖い。向かって右側を登っていくのですが、滑落したら真っ逆さま。

 

鎖がしっかりと固定されているので、三点支持をしながら慎重に。こういう場所は体力の優劣より、巧緻性とか瞬発力みたいな若い人のほうが圧倒的に優位な身体能力のほうが求められると思います。

 

だから無理してまで登らなくてもいいよねって思うタイプの私。

 

富士山

 

中岳を経て再び駒ヶ岳の山頂へ。100km先にはうっすらと富士山が見えています。

 

その右には塩見岳、左は西農鳥、間ノ岳、北岳でしょうか。私は北岳以外は未踏なので、どれもいつか登ってみたいと楽しみにしている山々。

 

木曽前岳

 

再び山頂からコガラ登山口方向へ。再びしばらく誰ともスライドしない旅。木曽駒ヶ岳のシルエットと、小屋の奥には木曽前岳、右手には麦草岳と奥に御嶽山。

 

台風一過で晴天、暖かいとは言え、やっぱりすでに10月。この日の深夜早朝は風が強くてかなり冷え込みました。

 

木曽前岳

 

せっかくこちら側に来たので木曽前岳にも登っておきます。まあ、特に何もないんですが、木曽駒ヶ岳の姿を見るには格好の場所。

 

本当はこのまま稜線伝いに麦草岳に登り、7合目へ下りるのが理想なんですよ。だけど、コガラ登山口には「崩壊箇所あり。通行禁止」って書いてありますね。

 

木曽駒ヶ岳

 

木曽前岳から玉ノ窪小屋への下降中から見た木曽駒ヶ岳。

 

北海道の山で例えるならば、音更山から見る石狩岳とか、ベベツ岳から見るオプタテシケ山とか、まあそんな感覚でしょうか。

 

黄葉を楽しみながら下山し、せせらぎの四季でまったり

木曽駒ヶ岳福島Bコースの紅葉

 

朝は暗くて見えなかった紅葉。9合目の玉ノ窪小屋から7合目の避難小屋までの区間は黄色系の黄葉が鮮やかで、千畳敷の紅葉にも劣らないくらいの見頃。

 

それが目当てなのでしょうか、下山時は実に多くのハイカーとすれ違い、登山口には27台もの車が停まっていました。

 

せせらぎの四季

 

下山後のお風呂はせせらぎの四季さんで。

 

日帰り入浴専用で水風呂やサウナはないけれど、なかなかいいお風呂。館内には休憩室もあるので、下山後にゆっくりする時間があるならおすすめ。入浴料は700円。

 

カラダをたっぷり使って、素晴らしい景色を眺め、美味しい食事とお風呂を楽しめる。これだから山歩きはやめられませんね。