狭薄山と空沼岳の雪山ハイク|ついでに達麻頭にも(4月上旬)

狭薄山への途中

 

最近、札幌150峰がマイブームの私。でもその前に札幌50峰を完登するのがふつうですよね。

 

札幌150峰の多くは積雪期しか登れないのに対し、札幌50峰は無雪期に登れる山が比較的多いのかな。

 

だから狭薄山とか小漁山、中岳あたりは夏山オンリーの方にとってはちょっとハードルが高く、なかなか手が届かないのではないでしょうか。

 

私も数年前まではほとんど夏山にしか登っていなかったので、狭薄山は憧れのピークだったんですよね。でも今年は雪山に通い続けたおかげで、やっとたどり着くことができました。

 

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空沼岳登山口からクラシックルートを行く

空沼岳登山口

真駒内駅から始発のバスに乗り、終点の空沼二股まで30分程度。バス停からしばらく歩いて採石場、そこからスノーシューを履いて登山口へ。これだけで8時半くらいになっちゃうのが公共交通機関利用のデメリット。次回は自転車で来ようと思います。スノーブリッジを渡って夏道を進みます。

 

万計山荘

人の気配を感じない万計山荘へ到着したのは午前10時頃。2月に訪れた小札幌の時より1時間早い到着ですが、それでも2時間強を要しました。ここまではツボ足でも大丈夫ですね。バスの車内で一緒になった方はスタートから先行したまま、結局追いつきませんでした。早いですね。世の中にはスゲーやつがいっぱいいるってこと。

 

狭薄山

万計沼からは夏道を離れ、ちょっと大回りで真簾沼の北側へ至ります。遠回りする分、傾斜が緩いのがメリットでしょうか。真簾沼から徐々に高度を上げ、主稜線付近まで近づくと狭薄山の全容が見えてきます。ピラミダルでなかなかカッコいい姿。

 

札幌岳

さらに稜線を進むと札幌岳にも近づいて行くんですよね。私は何度も登っていて、もはや無雪期ならどうでもよく感じてしまう札幌岳ですが、冬季にこちらから眺めてみると改めて惚れ直す存在じゃないですか。群別岳から見る浜益岳を彷彿させる姿。

 

狭薄山

狭薄山への最後の登りはそこそこの急斜面になりました。左側は雪庇が発達していて落差も大きいし、左側は木々があるので安心感はあるけれど、何気にこちらもそこそこの急斜面。しかも雪がザラメで爪が噛みづらいので、どういうルートを取るべきかあっちへ行ったりこっちへ行ったり。ちなみに手前の1210mのポコは、ちょっとオーバーなくらい北側の基部を捲いた方が楽です。

 

恵庭岳

山頂到着はほぼ12時。空沼二股バス停から4時間15分の道のりでした。真っ白な漁岳や恵庭岳もバッチリ見えます。決して近いとは言えないので万人向けのコースではありません。今シーズンは12月28日の阿部山から始まって、全部で24回の山行トレーニングを積んできたから、このくらいの時間で登れたのだと思います。やはり厳冬期は休んじゃいけないなっていうのが今シーズンで得られた教訓。

 

空沼岳

狭薄山から空沼岳は来た道を戻り、・1161には登り返さずに南のコルへ一旦下ります。左正面に見える・1197の基部をショートカットして1150m付近で稜線に出るのが楽。ただ、・1197のトラバースでは雪庇が崩れて落ちてくるリスクもあるし、下まで降りすぎると小さな沢地形を横切るので、臨機応変に判断しなくてはならないでしょう。

 

真簾沼

眼下には真簾沼。その奥には2週間ほど前に歩いた藤野富士や豊見山の姿も。

 

空沼岳からの眺め

空沼岳山頂から振り返る縦走路の眺め。左手奥には狭薄山、右奥には札幌岳。この縦走路を積雪期に歩くなんて数年前までの私には考えられなかったのに、今こうして実現できて嬉しい。体力や技量なんかそんなに変わらないのだから、自分自身でメンタルにブロックをかけていただけなんだと思います。「やればできる」って自己暗示をかけ続ける。エベレスト登頂なんかもきっとそうなんでしょうね。

 

漁岳

漁岳への縦走ルート。ここを行く人はほとんどいないと思うけれど、自分は次の山行でここをやりたいなって思います。人生は短い、どんどんチャレンジしないと。

 

支笏湖と恵庭岳

支笏湖と恵庭岳、さらに風不死岳と樽前山と並び、風光明媚とはまさにこのような様。この一帯が国立公園たる理由がよく分かります。近場、再発見です。

 

イチャンコッペ山

支笏湖の北側にあるイチャンコッペ山や紋別岳の山塊。来シーズンはあの一帯もガッツリ歩いてみたいと思いました。

 

空沼岳山頂

時刻は14時になろうとしていますが、春になり日が長くなってしかもこんなにいい天気。日が暮れるまで遊ばなきゃもったいない。休日に完全燃焼するからまた一週間頑張れる。

 

達麻頭手前のピーク

さて帰りは厳冬期に登れなかった達麻頭を通るルートで下りることに。雪を繋げばたいていの場所に行ける自由度が積雪期の醍醐味なんですよね。

 

達麻頭

△763.3は達麻頭と呼ばれる札幌100峰の一つ。個人的な感想としては、その西側にある無名のピークの方がピラミダルで好き。ちなみにこの場所へは多くの人が訪れているようで、ここから北へ向かう稜線にはたくさんのトレースがありました。

 

中ノ沢山

さすがに16時を過ぎると日没が近くなってくるので、厚別峰にタッチするのを諦めて下山開始。途中にある△507.0の中ノ沢山に立ち寄り、夕暮れ時の林道をとぼとぼあるいて下山。私が下りた林道終点は常盤温泉のやや北東付近。そこでスノーシューを脱いで車道を歩き、常盤二区のバス停へ。さあ、これでやっと終わりだと思いきや、次のバスまで1時間以上あるじゃない。直後のバスが通って行ったけれど、回送だって。で、常盤6条2丁目バス停まで歩きました。歩行距離は33.6kmと長いものの、充実した1日を過ごせました。帰宅は19時。いつものように仙台や那覇から帰って来る時間より早いんだから、やっぱり冬は近場で遊ぶのがいいってことでしょうね。きっと来シーズンもこんな感じかなぁ。