漁岳・フレ岳の雪山ハイク|空沼岳から蓬莱山(中山峠)へ(4月中旬)

 

札幌市南区と恵庭市・千歳市・伊達市・喜茂別町との境界線を歩く旅。以前からやってみたかったんですよね~。

 

空沼岳登山口から中山峠までおよそ45kmくらいありまして、これがなかなか大変。

 

深夜0時から空沼岳、漁岳、小漁山、フレ岳を経て中山峠と至るコースを歩いてみました。

 

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常盤から空沼岳登山口へ

常盤6条2丁目

土曜日は17時15分に退勤後、自転車を使って5分で帰宅。すぐにベッドに入り3時間の仮眠を取り、朝食?に沖縄そばを食べて21時半出発。まずは真駒内駅から真102系統の最終バスに乗って常盤6条2丁目のバス停で下車します。ここから徒歩で空沼岳登山口へ。

 

行動食

砕石場の一番奥、橋を渡った所でウェアを着替えたりスノーシューを装着したり。ザックの中身をすべて取り出して入れ替え作業を行い、23時55分出発です。夜間を含めた行動時間が13時間くらいになり、距離も45kmくらい。水分は2.5リットル、総菜パン×1、菓子パン×2、おにぎり×1、スナックバー×5、板チョコ2枚、ミニ大福(5個入り)×1などなど、食べ放題状態にしてガス欠が起こらないように挑みます。

 

空沼岳から漁岳へ

空沼岳

空沼岳山頂には3時15分に到着。風が強くて直接あたる場所は痺れるくらい冷たかったですね。やや不安だったのが渡渉ポイントの2か所。昼ならいいけれど、深夜は怖いじゃないですか。どちらも橋の一部が露出するくらい雪解けが進んでいたものの、特に問題なく通過。標高720mの渡渉点に橋が架かっているのは知らず、スノーブリッジが無ければ30mくらい上流にある丸太橋を渡らないと思うと、とても怖かったもので。それと主稜線・1174の上がり口も心配でしたが、ここはスノーモービルが乗っ越ているのを知っていたのでまあ大丈夫だろうって。

 

漁岳

空沼岳の肩からの下り口がやや急斜面なので心配していたものの、こちらも特に問題なく通過でき、そこから漁岳への主稜線は視界さえ良ければ最高に楽しめますね。風が強かったためクラストしていて歩きやすく、明るくなる頃には・1157付近まで進みました。

 

星空と夜明け

冬場はこの時間帯に山に入らないので、久しぶりに夜明けのショーを楽しませてもらいました。私の記憶では11月に登った九重山以来だったでしょうか。今日は金星がとてもきれいに輝いていました。

 

漁岳

標高1050mのコルまで下ると、風除けとなってむしろ暖かく感じるくらい。5時15分に漁岳、6時15分に小漁山、7時にフレ岳というザックリとした時間計画なので、ここでじっくり補給しながら進捗を確認。ここから見上げる漁岳は遥かな道のりに感じてしまって気が滅入るけれど、実際の標高差は260m程度。以前からブログで何度も書いている通り、①数値はウソをつかない②谷やコルを挟んで見通す目標の山は想像以上に高く見える、この2つの原則を知っているだけで落ち着いていられます。

 

・1157

振り返ってみる・1157峰と夜明け。なかなかいい感じです。

 

夜明け

雲海に浮かぶ夕張岳の指1本右から日が昇ります。今日は千歳や恵庭周辺は雲の下。イチャンコッペや紋別岳の山頂付近も雲海に浮かぶ島のようです。

 

漁岳

・1240への登りで迎える夜明け。左側に軽く雪庇があり、朝陽を浴びてオレンジに染まり始めます。正面に見える白い峰が漁岳の北の肩・1327付近。

 

無意根山

左から並河岳、中岳、無意根山、そして余市岳へと続く遠方の稜線。その右手前には先週登った狭薄山、それに札幌岳。「あー、どうして一眼レフカメラを持って来なかったんだろう」って今さら後悔しても遅いよねって話。だって軽くしたかったんだもん。

 

恵庭岳

・1240峰はピークを踏まずに脇を通過できますが、最高点まで登ると恵庭岳や支笏湖の眺めが良いので、面倒くさがらずに行くことをおすすめします。朝の支笏湖は霧の中。

 

漁岳

漁岳本峰の北、・1327の北東斜面への登り。スノーモービルの走行跡はやや西側を大回りしているけれど、スノーシューなら直線的に登ったほうが早いでしょう。

 

夜明け

刻一刻移り替わる夜明けのシーンと雲海、白い平原を見ているだけで足が止まってしまいます。人もいなければ動物の気配も全くない。増毛や積丹まで行かなくても、わが町でこんなに楽しめるなんて。実は2週前に伯父が亡くなって、2日前には若くして知人も亡くなったんですよ。どちらもガン。「余命6か月と言われたら何をする?」という問いがあるけれど、実際は余命6か月の時って病状が悪くて行動に自由が利かないものですよね。だから健康な今を全力で生きなくてはならないって。体力的なツラいなんて、しょせん数日で回復するんですよ。それと、山岳で迎える夜明けほど生きていることを実感できる瞬間はないと思います。この時間をソロで過ごすと、人生について思慮が深くなります。

 

羊蹄山

遠くには尻別岳、羊蹄山、ニセコ連山の姿も。稜線の右手に見えているのは1310のピーク、その左は・1275でしょうか。本当は北漁(△1128.8)にも行きたかったけれど、今日はパス。また来週にでも。

 

漁岳

漁岳のピークは少し下って登り返したところ。正面の中央左に見える場所。でも最高点はこちらの・1327のほうなんですよね。中央右手は小漁山で札幌50峰。中央の奥に見えるのは、ホロホロ山や徳舜瞥山。徳舜瞥山のさらに右奥に見える真っ白でお椀状に見えるのは31km先のオロフレ山でしょうか。

 

漁岳

5時40分、漁岳に到着。空沼岳から2時間30分くらいかかっていますので、予定より30分オーバーかな。マジカルアワーに写真をパシャパシャ撮って停滞したので、まあそんなところでしょうか。

 

漁岳からフレ岳へ

恵庭岳

漁岳を越えて次は小漁山へ。この付近はハイマツ帯が露出していてバリズボになりやすいですね。でも眺めは最高。恵庭岳と風不死岳、それに樽前山の山並み。オコタンペ湖はまだ真っ白なので凍っているのかな。支笏湖はこの時間でもまだ霧に包まれています。

 

漁岳

小漁山とのコルから振り返る漁岳。いつもの真っ白なイザリとはちょっと変わった風貌ですね。

 

小漁山

小漁山へのなだらかな稜線。向かって左側が急斜面になっているのは空沼岳から続く稜線の特徴。でも反対の豊平川源流域は優しい姿なんですね。

 

小漁山

札幌50峰の中では難関の一つ、小漁山。理由はやっぱり積雪期にしか来られないから?私も以前はそんなの無理だと思っていましたけどね、コツコツ経験を積んでいくことで難しいとは思わなくなりました。多くの山々は、技術を学ぶことや体力よりも経験によって培われた学びのほうが重要なのだと思います。

 

小漁山から見たフレ岳

小漁山から次に目指すのはフレ岳北峰。両翼に尾根を広げる丹鳴岳に比べ、フレ岳は地味な存在。だけど標高は僅かに高いんですよね。しかもそうは見えないから不思議。

 

ドーナツ

深夜から早朝にかけて強かった風も、いつの間にか穏やかに。景色を見ながらまったりとおやつタイムなんかしたりして。

 

フレ岳北峰

次いでフレ岳北峰へ。ここは札幌150峰なんですって。たぶん札幌市最南端の札幌150峰じゃないかな?本峰が千歳市に位置しているのに対し、こちらは札幌市との境界線の山。地図を見ると、崖下にはペイズリー柄のような形の沼があるみたいですね。

 

フレ岳

計画より少し遅いけれど、せっかく来たのだからフレ岳本峰にも。北峰から西へ延びる稜線にはここから沢筋を下りて合流することもできますからね。

 

フレ岳から中山峠へ

△1037.3

で、フレ岳から中山峠の区間は本当につまらないの。ほぼ平坦な平原がどこまでも続くって感じ。途中、伊達市側に位置する△873.9にも寄ってみたけれど、ここには標識等は特になし。その後、左手に真っ白な山が見えてきたと思ったら、これも伊達市に位置する△1037.3。この山は美しいですね。だけど時間がなくて寄り道できず。それと札幌150峰の岩山(△924.3)も寄れずじまい。おそらく札幌150峰のなかでここが最も遠いんじゃないかしら。

 

幌滝山

長い長い道のりもいよいよクライマックス。札幌100峰の幌滝山(△996.7)に到着したのが午前11時。フレ岳を出発したのが7時40分頃だったんですよ。ほとんどマシンのように歩き続けても3時間20分もかかっています。いかにフレ岳から中山峠までが長い道のりかってことか。

 

蓬莱山

正午に蓬莱山に到着すれば予約したバスの出発時刻に間に合うとみていました。11時45分に到着した瞬間ホッとした感じ。ここも未踏の札幌50峰の一つでした。今日1日で札幌50峰を4峰(空沼岳、漁岳、小漁山と蓬莱山で後ろの2つは初)、札幌100峰を2峰(幌滝山、望羊台)、札幌150峰を1峰(フレ岳北峰)を通過したことになります。

 

望羊台

時間がちょっと余ったので、望羊台(△944.0)にも寄り道。名前とは裏腹にここから羊蹄山は見えなかったかな。小さなピークだけど、厳冬期ならここと蓬莱山をラッセルしながら登るだけでも十分に満足できそうです。

 

乾燥中

12時15分に下山完了。バスの時間まで1時間以上あるので、道の駅の裏の歩道でまずは装備の乾燥から。暖かいので15分くらいで乾きました。

 

ルスツラブビール

せっかく中山峠に来たから名物のあげいもを食べようと思ったら、日曜なので券売機が混雑気味。2階のレストランで豚丼でも良かったのだけど、生ビールは置いてないみたい。じゃあ、売店でプリングルスと缶ビールでいいやって。このルスツラブビール、なかなか美味しゅうございます。13時34分の道南バス(要事前予約)に乗って札幌駅前到着が14時40分。15時15分には帰宅して、お風呂へ直行。ご飯を食べながらヤマレコとFB、インスタをアップしたら19時には爆睡、、、