2025年9月14日から21日まで、中国本土を旅行してきた。
昨年、ビザ免除措置が再開となったことで、やっと中国本土の旅がしやすくなった。
加えて当地の不動産不況や内巻といった国内事情もあって、旅行をしやすい条件が揃っているように思う。
さて、今年5回目の中国旅行は、上海を起点に高速鉄道で地方都市を巡ってみた。
鉄道やバスの旅は、飛行機で現地入りして一つの街で遊ぶ旅に比べると、少々ハードルが高い。
そこでこの記事では、具体的な手順を含めて紹介することで、多くの方々に中国の地方都市へ足を延ばしてもらうきっかけとして役立てたらいいと思う。
旅程
まず、具体的なイメージを共有するため、私の今回の旅程から紹介したい。
テーマは「上海を起点に近隣の省都を巡る旅」とした。
日にち | 旅程 | 宿泊費 | 高速鉄道料金 |
1日目 | 札幌→上海→蘇州 | 4,735円 | 1,155円 |
2日目 | 蘇州→合肥 | 4,296円 | 3,626円 |
3日目 | 合肥→武漢 | 3,647円 | 3,164円 |
4日目 | 武漢→長沙 | 3,564円 | 3,972円 |
5日目 | 長沙→南昌 | 4,980円 | 4,443円 |
6日目 | 南昌→杭州 | 4,771円 | 5,568円 |
7日目 | 杭州→上海 | 4,281円 | 1,923円 |
8日目 | 上海→札幌 | ||
合計 | 30,274円 | 23,851円 |
蘇州は省都ではないが、江蘇省の省都「南京」には5カ月前に行ったので、今回は上海から近い蘇州にした。人口は1,295万人だそうだ。
合肥市は安徽省、武漢市は湖北省、長沙市は湖南省の省都で、人口はそれぞれ1,000万人、1,380万人、1,061万人の言わばメガシティである。
南昌市は江西省の省都でそれらより人口規模は劣るものの、それでも660万人。杭州市は浙江省の省都で人口1,220万人、上海市は2,480万人の世界有数都市だ。
私のような札幌の田舎暮らしの人間にとって、約300km間隔に巨大都市がいくつもあることには本当に驚かされる。中国という国のスケールを感じるには、こうして陸路の旅をすることで実感がわくように思う。
かかった費用
すでに触れた通り、
- 宿泊費:30,274円
- 高速鉄道の運賃:23,851円
これに加えて
- 航空券(札幌ー上海往復):27,050円
- 滞在費:22,373円
合計で103,548円だった。
具体的な計画方法
高速鉄道の旅がカンタンだということがイメージできるように、具体的な手順を紹介していきたい。
乗車券の予約方法
最も簡単な方法は、Trip.comのアプリから予約することだ。
詳しくはTrip.com内に中国高速鉄道の完全ガイド!中国新幹線の予約方法や料金、乗り方を解説という記事があるので、こちらを参照していただきたい。ただしこちらの記事にはPC画面の操作について書かれているので、以下にアプリから予約する場合について補足しておきたい。
アプリでは出発地と目的地、日付を選択すると、該当する列車の一覧が表示される。
列車を選択し、座席クラスを選んだら、支払いに進むだけ。
超シンプルなので、とってもカンタンだ。

まずは、右上の列車をクリック。

次の画面で、「出発地」「目的地」「日付」を選択肢、最後に「検索」をクリック。

最後に列車を選択する。二等や一等といったクラスが選択できる。ちなみに私は二等しか乗ったことがない。
考慮すべきこと① 所要時間
まず、列車番号の先頭にGまたはDの文字が付くが、ざっくりGが速くてDが遅い(途中停車駅が多い)と考えていいと思う(正確には動力の違いであるようだ)。
また、列車番号の桁数が少ない列車は、途中停車駅が特に少ないらしい。
それよりも、表示されている所要時間の情報を参考にしたほうがいいと思う。
考慮すべきこと② 駅
出発駅と到着駅に関しても考慮したい。
大都市には高速鉄道の駅がいくつもある。
例えば上海には、中心地に旧来の上海駅があるが、高速鉄道に乗るなら上海虹橋駅が広く利用される。駅によって乗り入れている路線も異なるそうだ。
高速鉄道の駅は旧市街から離れていることが多いが、ほとんどが新駅なのでアクセスが考慮され、多くは地下鉄直結で利便性が良い。
よほど目的が絞られていて時間がタイトでもなければ、中心地の駅を選ばなくても良いだろう。
考慮すべきこと③ 予約の時期と変更
乗車券は2週間前から購入できる。
旅行の計画はそれよりもずっと前に決めているだろうから、希望する列車についての情報(所要時間や発着駅、価格)は、事前に情報収集しておけば良いと思う。
ちなみにTrip.comで購入すると、加えて1割程度の手数料がかかることも考慮しておきたい。
それでも変更手続きや、日本語でのフォローなどを考えると、安い費用だと思う。
変更についてもかなり柔軟に対応してくれる。
私も今回、上海到着が予定より1時間半遅れたので、蘇州行きの列車を変更した。また、長沙→南昌の列車も前日になって遅らせることにした。
それぞれ運賃の差額の他に300円程度の手数料を徴収されたが、手続きはアプリから簡単に行えるので便利だ。ただし、変更手続きが行える時間帯が決められていて、どうやら午前9時からの対応のようだった。参考程度に知っておいてもらいたい。
考慮すべきこと④ 何時の列車に乗るか
これは私の体験を踏まえたうえでの、最適解について書いてみたい。
今回、毎日の鉄道移動にかかる時間は、概ね2時間前後だった。
ホテルで朝食を食べてから10時~11時にチェックアウトし、地下鉄で駅へ移動、12時~13時の列車に乗るパターンが多かった。
次の街へ着いたら地下鉄に乗ってホテルにチェックイン。荷物を置いてスマホの充電をし、夕方から街を散策する。
今回の旅では連日のように気温が35℃を超え、午前や日中の観光は不向きであった。
さらに多くの繁華街は夜にライトアップされて賑わうので、この時間帯での行動が多くなる。
したがって連日23~24時にホテルに戻り、深夜2時くらいに寝るパターンが続き、結果として正午から午後イチの列車に乗るのが最適だったように思う。
中国のホテルはチェックアウト時間が12時、チェックイン時間が14時というケースが多いのも、この行動パターンとの親和性が高い。
朝早く移動すると、ラッシュアワーとも重なる。それと日本との時差が1時間しかないので、内陸へ行けば行くほど、朝、空が明るくなるのが遅くなる。
そういった意味もあって、よほど長距離の移動をする日でもなければ、お昼頃の列車を選ぶのが良いと思う。
高速鉄道の乗り方
次に現地での乗り方について手順を解説したい。
もしかすると一部の駅では例外があるかもしれないが、基本は次の通りだ。
- 駅の入口で係員にパスポートを提示する。
- 手荷物検査とボディチェックを受ける。
- 検札が始まったら、係員がいるレーンでパスポートをスキャンする。
- ホームに列車が到着したら、乗車して指定された席に座る。
要するに、高速鉄道の駅は空港同様に一般エリアと制限エリアに分かれている。
それぞれ詳しく説明していきたい。

まずは駅への入場から。
ここでは地下鉄駅からの動線についてを記す。
たいていの場合、地下鉄駅から動線に沿って進めばよい。私は日本人だが、日本より中国の駅や空港の方が動線が分かりやすいと感じるくらい、構造も表示もシンプルで分かりやすい。ただお国柄、異常なほど広い。
コンビニや飲食店も駅の中(空港で言えば制限エリア)にあるから、そのまま入口へ向かって大丈夫だ。
入口では前述の通り身分証の確認がある。地下鉄の改札のような機械が設置されていて、現地の人たちはそこを通るが、外国人は端っこの有人ブースへ行ってパスポートを提示する。PCでパスポート番号の入力をする必要があるようだ。
続いて手荷物検査とボディチェック。
ボディチェックは地下鉄より少しだけ厳重だが、空港ほどではない。停止して係員に一人ずつ前と後ろを確認される。帽子は取るように指示される。
これが終わると構内に入場となる。

大都市の高速鉄道駅はとっても広い。
上層が出発階、下層が到着階となっていることが多く、動線が混交することは無い。
ベンチが無数にあり、利用者も無数にいる。
中国人はどんなに混んでいても近い場所に陣取る傾向があるようだ。なので駅の端っこの方のベンチが空いていることがよくある。

電光掲示板を見れば現在の状態が一目瞭然。
Trip.comで予約した場合、自分の乗る列車の終着駅が分からないので、列車番号と出発時刻で確認したい。
最後の状態が緑色の「正在検票」に変わったら改札が始まる。たいてい10分前から15分前から始まるので、30分前に駅に着いていれば飲み物を買ってトイレに寄っても十分間に合う。

検札開始前から多くの利用者が並び始める。
検札が始まったら有人レーンから中に入る。パスポートをスキャンする場所があるので、自分でかざしてもいいし、係員に渡せば対応してくれる。
このレーンはプライオリティレーンになっているので、あまり混雑しない。

緑色の乗車位置から乗るという意味。ちょうどこの場所付近に8号車が停まり、1号車から7号車はホームの前方という意味。日本人は漢字が読めるから、簡体字でも概ね想像できるだろう。

駅によって色が異なるが、例えば武漢駅ではこのように表示されている。床に書かれているので見つけにくいかもしれない。

こちらは合肥南駅。やはり駅によって表示方法や色が異なるようだ。
ホテルの予約方法
私はホテルの予約もTrip.com一択で行っている。
今回の旅程では各都市で1泊ずつ、計7泊してみたが、総額は前述の通り3万円である。
偶然かどうかは分からないが、どのホテルも満足度が高いレベルで快適だった。
さらに、
- 直前までキャンセル料金が無料
- チェックイン開始が14時
- チェックアウトが正午
という条件が多いことも利用者にとってはとてもありがたい。

長沙で宿泊したホテルは、日本のビジネスホテルより部屋が広くて27階にあり、地下鉄駅直結でコンビニもあった。これでお値段3,564円。

合肥で宿泊したホテル。地上21階。朝食付きで4,295円。朝食はどのホテルでもメニューはたいてい一緒。味の薄いチャーハン、トウモロコシやさつまいもの蒸したもの、ゆで卵、点心、カットフルーツ、豆乳、それと注文形式で麺類が食べられるパターンが多い。

水回りも決して悪くない。アメニティも必ず設置されている。よく、髪の毛が落ちていたとか、どこどこの裏に埃がたまっていたなどと口コミで指摘して低評価をする人がいるが、これではまるでイジメである。私たちが汚さないように使う、汚したらキレイにする、気になったら自分で掃除すればいいのだ。

長沙で宿泊したホテルは、マンションの一室のような部屋の作りで室内に洗濯機も設置されていた。こういう部屋はめったにないものの、どのホテルにもたいていランドリーがある。したがって中国旅行では衣服をたくさん持って行く必要がない。

蘇州のホテルでは、部屋のテレビ画面からランドリーの空き状況が確認できた。
地下鉄の乗り方
次に地下鉄の乗り方について少し触れる。
Alipayとクレジットカードを紐づけることで、地下鉄もQRコードで簡単に乗車できるようになった。
Alipay上にバーチャルの交通ICをアクティベートすると、あとはクリック一つでQRコードが表示されるようになる。
ただし、各都市ごとにこの設定を行う必要があるので、高速鉄道を下りてから地下鉄に乗車する前にこの作業をする。私は今回7都市を訪れたので、毎回この作業をした。
改札前に手荷物検査があるのも中国の特徴だ。
手荷物はX線検査機のコンベアに流し、係員からボディチェックを受ける。

自分で手荷物を受け取ったら、QRコードをかざして改札を通る。
ここで画面にQRコードが表示されるのを待っている人がたまることがあっても、誰もあまり気にしていない。このあたりが中国人と日本人の気質の違いを感じる場面かもしれない。

上海の地下鉄では、クレジットカードのタップ決済ができるようになっていた。

南昌の地下鉄では従来通りの改札だ。

上海のようにかなり以前から地下鉄が走っている都市以外では、天井までパーテーション形式のホームドアが設置されている。
何号線なのか色分けされ、かつ文字も見やすい。どの都市もほぼ共通のフォーマットだと思う。

武漢の地下鉄1号線は高架形式だった。
どこの街の地下鉄でも、乗客の大半はスマホに夢中だ。
大声で電話で話す人、大音量で動画を見ている人、席が空いたらダッシュで奪い合う、降りる人がいても関係なく乗ってくるなど、日本の公共マナーとは全く異なる光景に初めは驚くだろう。
これをマナーが悪いと言えばそれまでだが、物事はもっと多面的に見たい。
よく観察すると、高齢者に対して親切な行動をする場面もよく見かける。親切な振る舞いも躊躇なくとっさにできる行動力は、日本人がもっと見習わないとならないと思う。
各都市の攻略方法
中国本土に関しては、観光情報が圧倒的に不足しているように思う。Googleマップ上にも情報が少ない。
そこで私は生成AIから情報を集めながら旅をした。だからアタリもあれば、ハズレも少しだけあった。
そんな経緯もあって、今回訪れた都市について私が行った場所を少し紹介したい。
①蘇州
蘇州は世界文化遺産に登録されている庭園があり、中国四大名園のうち2つがこの蘇州にある。
その他に七里山塘や平江歴史文化街区、観前街地区などがあり、地下鉄で数駅の範囲内にある。
上海から高速鉄道利用なら30分程度で来られるし、見どころも多い。特に大人の旅人におススメしたい街だ。
宿泊施設も上海よりリーズナブルなので、蘇州に宿泊した方が鉄道往復の約2千円分を含めても十分元が取れると感じた。
上海に何度も行って定番スポットに見飽きた人には、まずは蘇州、それから無錫や常州、杭州、南京などへ足を延ばしてみるのが良いのではないか。

七里山塘。蘇州で見たい街並みはきっとこれだと思う。今回は蘇州到着時刻が22時を過ぎていて雨も降っていたので、翌日午前の観光になってしまった。これはこれで空いていて良い。

蘇州にある中国四大名園は、拙政園と留園の2つ。その他には獅子林など有名なスポットがたくさんある。今回はもっとも有名な拙政園を訪れてみた。入場は有料で、決められた時間内に入場する必要がある。チケットはTrip.comのアプリ上からでも購入できる。私は現地の地下鉄駅に着いてから購入。日本円で1,656円だった。

平江歴史文化街区。拙政園の東門から退場すると、平江路まで動線が続いている。徒歩で平江路を南下していく。ここも七里山塘のように平江河に沿って商店街が続いているので、夕方から夜にかけて歩いてみたい場所だ。そのまま大通りまで歩かず、途中で右手(西)へ折れ、観前街地区へ行く。
②合肥
安徽省の省都、合肥は蘇州ほどではないにせよ大都会だ。蘇州から最短で2時間弱で行くことができる。
合肥には16時過ぎに着いたので淮河路歩行街、包公園、天鵝湖にしか行けなかった。その他には李鴻章故居なども有名だが、観光という視点ではあまりパッとしない街かもしれない。
ただ、水辺や緑地と都市との調和が取れているように感じられたので、暮らすような視点で数日間滞在してみるのもいいのかもしれない。これは杭州滞在中でも同じように感じた。

淮河路歩行街。合肥はあまり人出が多いように見えなかった。今回の旅では各都市で夕方から夜にかけて歩行街を歩いてみた。光害と言うくらいLEDがキラキラしていて最初は心驚かせるが、だいたいどこも似たり寄ったりだということに気付く。
③武漢
武漢は長江と漢江が交わる中部最大の都市だ。日本人にはあまり親しみがないかもしれない。
しかも新型コロナウィルスが発生した場所、というネガティブなイメージも強いかもしれない。

武漢で最も有名なのは黄鶴楼という五重塔で清の時代に建てられたそうだ。中国四大名塔、江南三名塔の一つ。現在の塔は再建されたもので内部にはエレベーターもある。小高い丘の上に建っていて、長江に架かる武漢長江大橋の見晴らしが良い。

楚河漢街。一段下がったところに歩行街があり、比較的アッパーなブランドの店舗が両脇に出店している洗練された通りだ。

光谷歩行街。武漢は長江と漢江の合流地点を境に、漢口、漢陽、武昌と大きく3つに分けられるそうだ。光谷歩行街は長江の南側の武昌よりさらに離れている。この歩行街が最もローカルな雰囲気で、地元の人たちで賑わっている印象だ。

江漢路歩行街。こちらは漢口にある最大の歩行街。成都の春熙路や上海の南京東路辺りと同じような雰囲気。

江漢路歩行街を東の突き当りまで進むと江漢関博物館に突き当り、沿江大通がある。名前の通り、目の前に長江が流れているものの、建物や桟橋があるので建物の上に登るか、北進して武漢江灘へ出ないと長江を観ることができない。

武漢江灘。川沿いが公園になっていて、対岸にある武昌地区のビル群を見渡せる。この日は平日だったためか、21時にはすべてのライトアップは終了した。漢江路歩行街から徒歩圏内ギリギリ。
④長沙
長沙はこの旅で最も楽しいと感じた都市だ。
見どころがコンパクトにまとめられていて、活気もある。この旅で、また行ってみたいと思ったのは武漢と長沙の二都市だ。

黄興南路歩行商業街から坡子街の歩行街。おそらく上の画像が最も有名ではないだろうか?

五一広場。前述の歩行街から繋がっている。とにかく人出が多い。

太平老街。強いて言うなら、坡子街辺りよりもう少しローカルで庶民的なお店が多いかな。

橘子州大橋。湘江一橋とも言うようだ。太平老街を北進して五一大通に突き当り、左に曲がって橋を渡って橘子州へ着く。地下鉄でも来られるが、ビル群のイルミネーションを背後に見ながら太平老街から歩いてくるのが楽しい。

橘子洲に入るにはWeChatで登録が必要。外国人は少ないので、係員に聞けば親切に教えてくれる。河原が公園になっていて、対岸のビル群を観ることが可能。

杜甫江閣。橘子洲から地下鉄2号線に乗って五一広場で1号線に乗り換え、南大門駅から徒歩で700mくらいの距離。
⑤南昌
南昌は人民解放軍誕生の地と言われている。
そして私が訪れた9月18日は、94年前に満州事変が起こり、抗日戦争が始まった日として象徴的な1日だ。
南昌は歴史的建造物も多く見どころが多いとされる。

八一広場。前述の中国人民解放軍が蜂起した地とされるようで、多くの人民が国旗を手に持って写真を撮っていた。ありのままを見て、そして両者の視点で歴史を学ぼう。

縄金塔。地下鉄3号線にその名の駅があり、八一広場から3駅の距離だ。

滕王閣。中国の国家AAAAA級に指定されている史跡。ここも中国四大名塔かつ江南三大名塔だ。地下鉄1号線の滕王閣駅から園内を15分くらい歩いて入口に着く。お金を払って園内に入場しなくても、北側部分が解放されいるので建物全体を観ることはできる。中に入って上まで登るのは有料。Trip.comで1,031円だった。ここも入場時間帯が区切られている。19時からの入園がおススメ。

万寿宮歴史文化街区。この辺りの歩行街も賑わっている。一方でそこから北へと伸びる勝利路歩行街は寂れていた。最後は北端の叠山路まで歩いてみたが、かなり寂しい状態になっていた。
⑥杭州
杭州は大都会という側面と、中国八大古都という二つの側面を持つ。
私が訪れた印象は洗練された大都会で、直前までいた南昌や長沙とは人々の気質も異なると感じた。

清河坊歴史文化特色街区。人出はそれほど多くなく、落ち着いた雰囲気の歴史地区。

西湖周辺が見どころと聞いていたが、確かに地下鉄駅周辺の混雑とは違って静かな湖畔と言う印象を受けた。
⑦上海
上海についてはもはや説明不要だろう。

豫園は他と比べてみても全体の規模が大きいことが分かる。今回行った長沙の杜甫江閣や南昌の滕王閣にも決して劣らない。ここよりすごいものを見たければ、西安を訪れるのがいいだろう。

外灘。対岸のビル群だけでなく、こちらの古い建築物も素晴らしい。
おわりに
引退後に日本国内を旅行される方も多いと思うが、地方のローカル線は廃線が多く、昔のように青春18きっぷやワイド周遊券を使った旅行が難しい。
一方、道の駅で車中泊をしながら毎日のように車で移動するのは、体力的にしんどくなってくるだろう。
その点、中国本土の高速鉄道は今や総延長5万キロを超えていて、大陸のたいていの都市へ行くことができるし、移動速度も350km/hに達する区間もあって乗り心地も良くて楽だ。
そして何より運賃が安いのでお財布に優しい。
おそらく30~50万円も出せば、新疆ウイグルやチベット、海南省を除いてほとんどの都市を夫婦二人で訪れることができるだろう。
高速鉄道の旅は選択肢が多く、想像力をフルに活かして楽しく計画ができるのでおススメしたい。