秋の大千軒岳登山|9月の知内川コースを沢に沿って遡行し、尾根を登って爽やかな頂上台地へ

大千軒岳

 

 

今日の話題は、高山植物に恵まれる道南の名峰「大千軒岳」。かなり以前から訪れてみたいと思っていたこの山に、2016年秋になってついに登るチャンスがやってきました。高山植物の季節はすでに終わりに差し掛かっていますが、知内川を辿って尾根を詰め、山頂部へと至る素晴らしいコースでした。

 

今回はその様子をお伝えしていきます。

 

知内川がとても美しい

大千軒岳

 

札幌在住の私にとって道南へ行く機会は意外と少なく、秋の山歩きのために3連休を取ってやってきました。前日に登った乙部岳に続いて今日は大千軒岳へ。函館には約30年前の小学生だった頃に1年ほど住んでいたものの、それ以降は数年に1度のペースでしか訪れていないため、来るたびに街の変化に驚かされます。特に自動車専用道路網が発達した感があります。北海道新幹線の開業なども一因でしょうか。

 

さて、まずは函館市内から大千軒岳へのアクセスですが、国道228号線松前方向に走り、知内の市街地を過ぎたあとの千軒の集落が起点になります。ここから更にやや進んだところから右折すると、登山口へと至る道が始まります。

  

舗装路が切れたあたりから大千軒岳知内コースへの林道となりますが、2016年8月に立て続けに上陸した台風の影響などにより、やや道が荒れている感じがしました。

 

 

大千軒岳登山口

 

登山口には数台分の駐車スペースがありますが、すでに6~7台ほど駐車してあります。私が訪れた日は、函館の山岳会の方々約15名ほどが出発準備をしていました。でもその後は下山までに1名だけとしか会わない静かな山旅でした。

 

 

大千軒岳

 

知内川に沿ってコースタイム100分の道のりを歩いていきます。かなりの高捲きを繰り返しながら広い川原へ下りていきます。渡渉箇所が何か所かありますが、特に難所もなく金山番所へ至ることができます。

 

沢歩きをしたことがない人にとっては、金山番所へ着くころにはかなり満足な行程になるかと思いますが、ご安心ください。渡渉点にはピンクのマーキングテープが必ずぶら下がっているため、迷うことはありません。 

 

 

急な尾根を登りきると、海と山々が見渡せる

 

金山番所跡で一休みをして再び川に沿って歩き出し、いくつか沢を横切ると尾根に取り付きます。いよいよここから急登になってまずは休み台へ。途中登山道が崩落した形跡がありロープ付きの台替ルートが付けられていますが、ここは下山時慎重に降りたいところです。

 

休み台付近から振り返ると遠くに函館山亀田半島が見渡せ、ガンバレ岩付近からは両側に尾根、特に左前方に前千軒岳を見上げるかたちになります。笹の斜面になる頃になるといよいよ千軒平まであとわずかです。

 

9月でもお花畑がある千軒平が心地良い

 

お花畑で有名な千軒平も9月ということもあって花の種類は少ないほうですが、株数はそれなりに多い感じです。遠くに渡島大島、立派な前千軒岳の背後には津軽海峡をまたいで津軽半島が見えます。

 

山頂標識はおそらく今夏新設されたものと推測される真新しいものでした。また大千軒岳への登り斜面は笹が刈られてあり、こちらも代わりの道が付けられたものと思わます。

 

それにしても僅か1,000m程度の山ですが、いろいろな要素が凝縮されていて本当に素晴らしい山だと思います。

 

帰りも渓相美が飽きさせない

 

下山も沢沿いの道を歩くので飽きさせません。渡渉が多かったので、靴の中はびしょ濡れですがあまり気になりません。

 

登り始めが7時30分ということもあって、やや遅めの16時下山となりましたが、翌日も休日で今日も長距離の運転がないということで、気持ちが楽です。コモ子のこの数年の登山は、体力まかせの弾丸行程が多かったので、こうした気持ちにゆとりがある山旅の良さを心から感じます。

 

函館市内で馴染みの谷地頭温泉でくつろぎ、昨日と同じ函館健康センター湯都里さんで一夜を明かします。翌日は恵山渡島駒ヶ岳昆布岳の写真を撮りながらゆっくり帰宅、それでも13時前には札幌市内に着いていました。次は駒ヶ岳恵山袴腰岳などにも訪れたいと思います。