残雪期の無意根山へ中山峠から日帰りしてみよう

 

無意根山や余市岳の真っ白に輝く姿は、札幌市の近郊の中でひと際魅力的な存在だと思います。

 

積雪期の無意根山は、千尺高地方向から登られるのが一般的ですが、それでもロングコースになります。

 

ましてや喜茂別岳から並河岳と中岳を繋いで登るとなると、かなり長時間を要することは明らかです。

 

このルートは往復すると25㎞を超える行程になります。

 

登り返しが何度かあるので、余力を残しておかないと、辛い帰り道になるでしょうが、急登がなく大きな標高差がないのがいいところです。

 

最初から最後まで景色がきれいで、進行方向の浪河岳、中岳、無意根山はもちろん、羊蹄山、尻別岳、ニセコ連山を見渡しながら歩けるので、長大なルートでも飽きることはないでしょう。

 

今日は、2017年5月9日に歩いてみた記録を綴りますので、お付き合いくださいませ。

 

空が明るくなり始めたら中山峠を出発

 

2017年5月9日の日の出時刻は4時17分くらい。

 

薄明は3時くらいから始まっていますが、中山峠付近は西側に開けている地形なので、実際には3時30分くらいだとまだ暗くて夜といった感じです。

 

この日のコモ子は、深夜1時に起きて2時出発。

 

寒い中いつも通り、125㏄のスクーターで中山峠を目指しました。

 

中山峠は標高が800m以上ありますので、体の芯まで冷え切ってしまいました。

 

道の駅の自販機でコーヒーを飲んで、反対車線側の駐車スペースへ移動。

 

こちらには深夜も使えるきれいなトイレがあり、屋内はほんのりと温められています。

 

椅子に座って準備をし、3時50分に出発します。

 

林道は初めから雪が繋がっており、ほぼ平坦地形なのでNTTの中継施設まで約50分で到着できました。

 

夏道の標準的なコースタイムと同じくらいです。

 

朝は雪が締まっていてツボ足でも歩きやすいからかもしれません。

 

帰りは雪が腐って沈み気味で、体が疲弊していることも手伝って、ツラい林道歩きとなりましたが…

 

広い尾根を進んで、見通しが効かない喜茂別岳山頂へ

 

最初こそ木々が多い尾根ですが、だんだんと気がまばらになってきたり、広く開豁する箇所があったりします。ガスがかかってきたことを考えると、山頂までまもなくなのだろうと思われますが、油断はできません。今回は、地図も忘れてきましたし、GPSの地図もダウンロードしてこなかったので、コンパスしかありません。よって方角しかわからないのです。概念図が頭の中になんとなく入っている程度なので、尾根を外れることなく、ピンクテープを所々に取り付けながら歩きます。

 

笹やハイマツが多くなってきた頃、山頂へ到着。時刻は6時を少し過ぎたくらいで、夏のコースタイムとほぼ同じくらいで登ってきた計算になります。

 

山頂部はたまに日が差すのですが、周囲がガスに覆われていて進行方向がわからないので、朝食をとりながら7時まで待ってみることにします。気温が上がれば雲も高くなるだろうとという見積もりです。

 

6時台は風が強くて結構寒く、冬用のジャケットを着てしのぎました。

 

待っていられなくなり、とりあえず歩いてみる

 

山頂でじっとしているよりも、迷走しない範囲で手探りで歩いてみるほうがいいだろうと思い、尾根伝いに歩いてみることにします。

 

尾根上にはハイマツが覆っているので、それを避けて尾根の南側を西に向かって歩いていたら、どんどん傾斜が急になって落ちていくので、いったん戻って反対側(北側)に出ました。

 

すると、ガスが晴れて北側に並河岳が姿を現し、自分が進むべき進路を確認することが出来ました。ちょうど南西側に羊蹄山や尻別岳、ニセコ連山も見えるようになってきたので、京極町との境界線付近まで遠回りして眺め、北側の並河岳方向へ下りていきます。予想通り7時にはすっきりガスが晴れたので、予定通り中岳へ行くことが出来そうです。

 

昨晩少しだけ降雪があったようで、真っ白に輝く雪原がとても美しく感じます。ほぼ直線的に並河岳を目指します。

 

並河岳には山名が付くだけの理由があると思う

 

並河岳は地図上の・1258に付けられた別称です。並河岳の手前のコル・1102からは、大きくなだらかな斜面を登っていきます。進行方向に対して左を見ると、尻別岳、羊蹄山、ニセコ連山が見渡せます。並河岳の山頂が近くなると、正面に迫力ある中岳とその奥に無意根山を見ることができます。

 

無意根山はいつも見慣れたの台形ではなく稜線から見るので、美しい三角形で新鮮味があります。

 

雪の状態によりますが、ラッセルの無い時期でスノーシューやツボ足であれば、喜茂別岳~並河岳の区間は、往路も復路も1時間をみておけば十分だと思います。

 

憧れだった中岳へやっと訪れることができた

 

並河岳から中岳へは地形図では約100m下りることになり、帰りの登り返しが気がかりですね。

 

中岳へは・1225から地形図の稜線上よりやや右側を巻くように登っていきます。ハイマツを避けるとたまたまそうなったというのが理由です。この区間も50分くらいかかって山頂直下へ到着します。見た通りで正面の大きな岩の上が山頂で、その背後には大きなハイマツ帯が広がっています。岩場を無理に登ろうとせず、自然にハイマツ帯に上がり、ハイマツを踏みながら戻ってくるような感じで山頂に立った方が安全だと思います。

 

山頂からは、次に向かう無意根山を間近に見ることができます。遠くに余市岳。いつかは繋げてみたい稜線です。

 

中岳も並河岳同様に山頂標識はありません。一部が開豁していて石が少しだけ積まれているだけのシンプルな山頂です。コモ子の私見では、山頂標識があってもなくても別にどちらでもいいと思います。でも、かなりの確率で写真を撮っていますね。何事にも目標達成の証というのは大切ですし、道案内としての標識は必要だと思いますので、山頂標識があると便利なのは確かですよね。

 

先日香港で訪れたドラゴンズバック、台北の七星山、ソウルのプッカサンも山頂は賑わっていました。シンガポールのブキティマですら、大勢が写真を撮るために並んでいたくらいですからね。

 

無意根山へはなだらかに下りてから登っていく

 

無意根山へはやはり100mくらい高度を下げてから登るのですが、地形図を見るとかなりなだらかな斜面が描かれているように、ほとんど傾斜を感じさせないくらいに雪原を歩いて行きます。

 

コルにあたる標高1250mから無意根山への登りは、標高差約210mがあってそこそこ急ですが、キックステップで登って行けば問題ないくらいの斜度です。尾根上を行けば傾斜はなだらかなのですが、ハイマツ帯が邪魔をするので、やや東側をトラバース気味に登ります。

 

肩に到着するとケルンがあり、北海道大学山岳スキー部の慰霊碑となっています。景色が開けるこちら側に位置しているところに、遺族や後輩諸氏の計らいを感じます。手を合わせて一礼し、旧山頂へ到着。中山峠から約6時間かかった山旅でした。

 

新しい山頂は、三角点がある旧山頂から約200mくらい離れた北側にあり、東側に雪庇があります。

 

誰もいない静かな旧山頂でしばらく過ごし、新山頂へは寄らずに下山開始。14時くらいには帰宅してお風呂に入りたい気分だったので、一目散に喜茂別岳を目指します。

 

帰りは中岳へは寄らずに最短距離で並河岳へ。並河岳へは新しいスキーのトレースが付いており、後続者が並河岳まで来て帰って行った様子です。

 

連日の黄砂の影響で黄色い雪へ

 

山頂を10時前に出発したころから、風が止んで雲もずいぶんと高くなりました。

 

青空が広がり、絶好の山日和です。朝は真っ白だった雪が解け、前日までに積み重なった黄砂が姿を現し、山肌がすっかり黄色くなってしまいました。ちょっと残念です。

 

喜茂別岳まで1時間20分くらいで戻る途中、定山渓天狗山、神威岳、烏帽子岳、札幌岳、狭薄山などといった市内の山並を見渡すことができました。

 

喜茂別岳からの下りでは、往路では確認できなかった無意根山方向の全景も確認することができ、最後に全容が掴めた感じです。

 

行程中に付けてきたピンクテープを回収しましたが、他に付けられたマークはほとんど残置されていなかったように思います。

 

帰りの林道はとても長く感じられ、13時20分に中山峠へ到着。

 

久しぶりに出し切った感が得られる、充実した山旅だったように思います。

 

今回のルートマップ


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