トムラウシ山|日本百名山を天人峡温泉から日帰りできるか?このコースをおススメする理由とは?

 

トムラウシ山は日本百名山に選ばれていて、全国的にその名が知られています。

 

地元北海道では、登山にまったく興味がない人にもその名が知れ渡っており、なぜか「とても難しい山」というようなイメージが浸透しているようです。トムラウシ山に登るというと、まるでエベレストにでも登るかのように、ビックリされることがしばしばあります。

 

その理由として、2009年にツアー参加者の多くが死亡した遭難事故をはじめ、その他にも死者を出す事故が幾度となく発生しているからかもしれません。確かにどのコースから登っても距離や時間がかかることから、悪天候時に容易にエスケープできない特性があります。最寄りの避難小屋もヒサゴ沼まで歩かねばならず、しかも北海道の山小屋は避難小屋の意味合いが強いので、総じて状態が良いとは言えません。山頂付近にいた場合、大岩が散っているロックガーデンを歩行したり、登り返しがあったりと、天候判断を誤ると特に前進時間が多くかかり、危険な状況に陥る可能性も高くなります。森林限界を超えた高原を長時間歩くときは、特に天候には気を配らなければならないのですが、そのようなロングトレイルが北海道には意外と少ないことから、天候による遭難事故が標高の高い大雪山系に集中して起きているのかもしれません。

 

さて、前置きが長くなりましたが、2017年6月30日、天人峡温泉からトムラウシ山を日帰りで往復してみました。約34㎞の長い行程で、北海道夏山ガイド②表大雪の山々(北海道新聞社)でも、日帰りのコースとしては紹介されていません。

 

このコースの一番の魅力は、ヒサゴ沼や北沼でゆっくりと過ごすことだと思いますので、私も日帰りを推奨しません。体力レベルの確認や、今回の私のように、連休が取れないけれど、確実に天気に恵まれるような場合に限るかもしれませんね。

 

高山植物の開花状況や残雪について参考にしていただければ幸いです。

 

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天人峡温泉の出発は日の出とともに

 

天人峡コースは多くの登山者から敬遠され、乱暴な人からは「下りに使うのはアリだけれど、登りに使うやつはバカだ」などと批判されることすらあります。

 

そこで、私なりのこのコースの良さを挙げるとするならば、

  1. 旭川から小1時間で、林道を走らずに登山口にアクセスできる。
  2. まずは滝見台までのウォーミングアップ、羽衣の滝を俯瞰する。
  3. 起伏の少ない森の中を歩いて第1公園の木道歩きを楽しむ。
  4. 旭岳を見ながらなだらかな第2公園、小化雲岳を目指す。
  5. 森林限界を越えて、お花畑に囲まれながら、大雪山系随一の展望台、化雲岳に登る。表大雪~東大雪の山々の眺望を楽しめる。
  6. ヒサゴ沼と日本庭園、ロックガーデンとトムラウシ山の色々な顔を楽しむ。

といったところが挙げられます。トムラウシ温泉から登るルートとは違った魅力があるのです。一方でデメリットとしては、

  1. なんと言っても距離が長い。
  2. ハイマツ帯に出るまでは蚊などの虫が多く、朝露で身体も濡れやすい。
  3. 登山道が水路にもなっているので、泥だらけになりやすい。

というところでしょうか。ゴアテックスの登山靴やスパッツはこのようなコース向けかもしれませんね。

 

今回の山旅では、札幌を24時にスクーターで出発し、国道275号、12号と繋いで天人峡温泉に3時20分に到着、すぐに準備を完了して出発。天気予報では、晴れときどき曇り。「てんきとくらす」での登山指数はCですが、これは風が強いという意味でしょう。

 

第1公園のお花は始まったばかり。残雪も少々

 

第1公園までは、フラットに近い森の中を進みます。道は一部が泥濘化していますが、これは数日間の天気に左右されるかと思います。基本的に土の登山道なので、軽装なら走ることもできますね。

 

何か所か倒木が道を塞いでいましたが、2016年に発生した東大雪地域や日高山脈の台風被害に比べれば軽微なものですね。

 

やがて急な登りとなり、台上に上がるとそこが第1公園です。ここは木道が整備されていて、北海道内の高層湿原のなかでは屈指の景観が待っています。ここだけを目的に訪れる人も多いようで、花も多くて旭岳の眺めも素晴らしいものがあります。

 

木道は一部が残雪で覆われていますが、歩行に支障をきたすほどではありません。

 

なだらかな斜面とお花畑を歩いて化雲岳へ

 

木道が整備された第1公園を抜けると、全般的に緩やかに化雲岳へと続きます。残雪が解けて水路と化している夏道ですが、靴が濡れるのは仕方ないと思ってあきらめます。

 

コモ子は秀岳荘さんのセールで手に入れた、サロモンのスピードクロス4というトレランシューズなので、すでに靴の中は濡れています。それでも、ヒサゴのコルくらいに着いた頃には、靴下も乾いていました。夏山は機動性の方を重視していますので、軽いシューズが自分には合っています。余談ですが、今まで履いてきたサロモンのウィングスプロやXAプロ3Dよりも自分には合っています。

 

だんだんと石がゴロゴロするようになって、ハイマツ帯を抜けると小化雲岳も近く、まだ残雪があるのでピークに立ち寄ることもできます。この辺はまとまった残雪が多く、木々が無いので、夏道を見失いかねません。基本的に直前の夏道の延長線上に進路を取れば間違いありませんが、平坦地形なのでガスがかかると迷うかもしれません。

 

晴れていれば、左手にポン忠別岳や忠別岳、右手に十勝連峰やトムラウシ山を見ることができ、さらに多くのお花に癒されるでしょう。そして大雪山系随一の展望台とも言える化雲岳の山頂に立ちます。

 

360度の展望台、化雲岳に魅せられて

 

化雲岳からは全周を見渡すことができ、表大雪の山々、高根が原、沼ノ原と東大雪、遠くに北大雪、目を転じるとこれから向かうトムラウシ山と十勝連峰の一部、奥には芦別岳周辺を見ることができます。

 

山と高原地図(昭文社)ではここまでのコースタイムは7時間50分となっていますが、3時間半くらいで登ってしまうツワモノもいるのだとか。距離が長いので、1歩1歩の時間短縮は大きいですよね。コモ子は4時間15分で到着。

 

日本庭園、ロックガーデンを越えて山頂へ

 

一部に木道が整備された平坦な道を、トムラウシ山へ向かって歩いて行きます。実に気持ちがいい縦走路です。いったん、ヒサゴのコルへ標高を下げていきます。ここが帰り道最大の登り返しとなる箇所ところですね。

 

再び登って大きな岩が点在する日本庭園、ゴロンゴロンした岩だらけロックガーデンと道は続いて行きます。チングルマが群生し、お花たちに大変癒される場面ですが、ロックガーデン周辺は一部に雪が残り、進路を見失うかもしれません。実際にコモ子もマーキングを見失い、地形を見ながら適当に歩きましたが、ガスがかかっていたらマズい場面です。

 

北沼は崩壊した雪が沈んでコバルトブルーに見え、思わず感動してしまいました。

 

最後の登りで追い付いたパーティと、挨拶を交わして山頂へ。前回からもう6年も経つのか、と振り返り感慨深いものがあります。

 

天人峡温泉から約7時間かかりましたが、それだけの価値がありました。特にここから眺める十勝連峰の景観が素晴らしく、天気と休日が合えば、ヒサゴ沼か南沼にテント泊したいところですが、また次回にしましょう。

 

今回の時間ペースで登ることが出来れば、扇沼へ下りるコースや、双子池でテント泊をして翌日に富良野岳まで縦走することもできそうですね。もっとトレーニングをして、再訪したいところです。2017年6月末日のレポでした。

 


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