芽室岳2019年2月9日|清水町の最低気温氷点下23℃。厳冬期深夜2時出発で山頂を目指すものの、単独スノーシューでラッセルに泣かされる

最低気温清水町

 

こんにちは!やまたび北海道のコモ子です。

 

2月上旬の『10日間日記』は厳冬期の芽室岳北尾根を登ってきたお話について。

 

週末は史上最強レベルの寒波が押し寄せる予報ですが、一方では「雪が降らない」「ほとんど風がない」という登山には絶好の条件。「これは行くしかない」ということで、北日高の芽室岳を目指してみました。

 

*秋にも芽室岳に登ったことがあります。その時の記事はこちらです。

【芽室岳】秋の紅葉シーズンに最適な北日高の名峰を訪ねて。沢歩き無で爽やかな尾根歩きが楽しい

 

平成28年夏の災害で芽室岳登山口への林道は壊滅的

芽室岳オマベツ林道

 

芽室岳へは2012年の10月に紅葉を見ながら登ったことがあり、また再訪したいと思っていたところ。でも平成28年夏の災害で林道と町道が大きく被災し、登山口まで車を進めることができなくなりました。

 

この当時、東大雪と日高山脈の十勝側にある多くの林道が被災し、登山口まで車でアクセスできない山々が今でもあります。

 

いずれにせよ、冬期間の林道は除雪されないため、ポイントとなるのは最終除雪地点から山頂までの距離になります。芽室岳北尾根は清水町の町営育成牧場から林道区間が約5km、北尾根から山頂までが約4kmなので残雪期であればスノーシューでも十分日帰り圏内です。今回は2月なので単独でのラッセルを考えると、成否は雪しだいと言ったところでしょうか。

 

深夜1時出発で山頂のタイムリミットは午前9時で設定。尾根は単調ですが、真夜中に林道の被災地点を上手く通過できるかどうかが肝になりそうです。

 

札幌21時出発でも道東道で楽々アクセス

占冠PA

 

芽室岳と言うと、以前は日勝峠を越えて3時間半の運転が必要でした。今は札幌南ICから十勝清水ICまで2時間ちょっとで移動できるので、十勝連峰や表大雪の山に登るよりずっと近くなった印象。

 

今回は金曜日の退勤後に出発するので、ETC割引の対象となる0時過ぎに十勝清水ICから出るように時間調整します。

 

 

恵庭を過ぎたあたりから、すでに外気温がマイナス10℃以下になり始めます。フロントガラスが曇るのでエアコンを入れると頭が暖まって眠気が強くなり、占冠PAでしばし仮眠。

 

この影響で起点となる町営育成牧場到着は1時間くらい遅れることに。

 

除雪された形跡があり、車種によっては被災地点まで行ける!?

町道芽室岳

 

町営育成牧場の△377.0を過ぎたところにあるT字路が除雪最終地点ですが、その先も除雪された形跡があります。最後に除雪されてから10cmくらいしか積もっていないので、そのまま直進してみます。さらに仮設のゲートも解放されており、芽室川に近づく標高点・434まで車を進めることができました。(*ワゴンRです!)

 

その先もまだまだ行けそうですが、登山中に降雪があった場合に取り残されることになりますし、雪が降らなくても埋まった場合に自力で脱出も出来ないので、転回して再びT字路まで戻ることにしました。

 

*結局はT字路から約3km地点の川と交差する被災地点までは、車種によっては車を進めることができそうでしたが、推奨できません。厳密には標高点・434から先は被災した箇所を修復中という印象です。そもそも車で進入できるということはラッセル不要ということなので、徒歩でも時間がかかりませんからね。

 

 

芽室岳

 

標高540m付近で林道と支流が交差する付近は大規模に被災しており、崖が高いので林道へ上がるのは難しいです。しかし渡渉して崖を登ることさえ出来れば、ここから先の山小屋芽室岳までの間はほとんど無傷なので大丈夫。

 

芽室川の左岸もえぐられているため、左岸沿いの斜面をトラバースしながら歩くのも緊張します。この気温で川に落ちて濡れたら命取り。慎重に通過します。

 

しばらく歩いて崖が低くなった所から林道へ復帰しましたが、雪が深くてなかなか登れず苦労します。今回最も苦労したのがここです。結局、山小屋まで5kmの移動に2時間30分かかり、北尾根に取り付いたのは午前4時30分になってしまいました。

 

 

山小屋芽室岳は無惨な状況

山小屋芽室岳

 

林道の終点には山小屋芽室岳がありますが、ここも残念ながら被災して使用できない状況になっています。全壊とまではいかないものの、扉や窓が壊れて内部も荒れています。ストーブなども使用できません。

 

ご覧の通り倒木に押されるように外壁が変形しています。

 

林道の状況や利用頻度を踏まえると、今後の修復はしばらく見込めないと思います。まだまだすぐに倒壊するとは思えませんが、もし使用するなら自己責任の範囲になるでしょうか。

 

スノーブリッジを渡って北尾根に取り付く

スノーブリッジ

 

北尾根に取り付く前に芽室川の渡渉点があり、2万5千図では橋が架かっています。この丸木橋は、現在は流されてないのか埋まっているのか分かりませんが、今回はスノーブリッジで対岸に渡ります。沢は至るところで開いており、スノーブリッジも不安定なので慎重に。ストックで突くとすぐに穴が開くので、相当薄っぺらい感じ。飛び石の上に雪が積もっているような印象です。

 

なお、北尾根の手前にはもう1本の渡渉点があり、そこもスノーブリッジで渡ります。

 

ここからはほぼ夏道と一緒。もちろん道は見えませんが、地形は単調なので尾根に沿って歩けば稜線に出られます。「新版北海道の山と谷2」では山小屋芽室岳から5時間をみているので、自分の体力や経験、技術や装備ではそれよりもう少しかかりそう。この時点で登頂は厳しそうな感じです。雪質が良ければ厳しいラッセルから解放されるかもしれない、という希望的観測を持って制限時間いっぱいまで登ることにします。

 

芽室岳北尾根の朝

 

北尾根に取り付いて1時間30分経過。5時台でもまだまだ星が見えていますが、6時直前になってやっと東の空が明るくなってきました。

 

この時点で未だに200mくらいしか標高を稼いでおらず、ところにより膝上までもあるラッセルに一人苦しみます。

 

目出し帽の口元が自分が吐く息で凍り、バリバリになっています。手袋を脱いでインナーグローブだけで写真を撮ろうとすると、指先が急速に冷たくなって痛くなり危険。冬季でも稜線に出るまでめったに着ることがないアウタージャケットも、出発時からずっと着たままで暑く感じないので、気温は氷点下30℃くらいなのでしょうか。

 

フロントのカメラバッグに入れてあるペットボトルのお茶も、すでにシャーベット状になっています。カイロを入れて保温していてもダメみたい。一度凍ってしまうと山行中に解凍することは困難なので、液体のうちに飲んでしまいます。ちなみに背中のザックの中の水は2本とも大丈夫。

 

芽室町

 

帰宅後にYahoo!天気で芽室町の気温を見てみると、6時の観測は氷点下26℃だったみたい。平地でこのくらいですから、標高1,000mならやはり氷点下30℃くらいでしょうね。

 

先月訪れたインドのムンバイは日中の気温が30℃を越えていたのですが、それぞれに魅力があるので一概に寒いより暑いほうが良い、というような感じにはならないです。

 

西の稜線

 

西側には真っ白な稜線が見え始めます。できれば稜線上で朝が来るのを眺めたいところだけど、芽室岳でそれを実現するには前日から登り始めて山中泊をしないと。

 

ペケレベツ辺りなら、今日と同じくらいの時間帯に出発して朝を迎えることが出来そう。次回はそうしようと思います。

 

芽室岳北尾根の朝

 

6時50分にもなると、西側の山々は陽の光を浴びて紅く染まり始めます。自分はこの時点でまだ標高870m地点。この付近から雪が締まってスネ程度のラッセルで済むようになってきたものの、10歩に1歩くらいの割合で膝まで沈む箇所があり、雪の表面や地形を見極める眼力がまだまだ未熟だと痛感。

 

芽室岳まで3km

 

芽室岳まで3kmの看板を見たのが午前7時50分。タイムリミットを9時に設定していたので、この調子だと稜線ですら到達は無理。それでも8時15分までに1,040mまで登りました。

 

雪の稜線が見たい、4年ほど前に訪れた11月の十勝幌尻岳が今でも忘れられません。そのときの記事はこちらです。

 

【十勝幌尻岳】日高山脈最高の展望台で真っ白な山並みを楽しむには11月がおすすめ

 

上空の雲の流れも速く、レンタカーの返却時間や夕方の予定もあります。きっぱり諦めて下山し、御影の「とんかつのみしな」さんで大好物のロースカツカレーを食べてゆっくり帰ることにします。

 

十勝平野

 

下りると決めたら下りは快調。スキーより数倍時間がかかりますが、傾斜が急なので山小屋まで45分もかかりません。でも、やはり下りは慎重に。単独ということを肝に銘じて。

 

下山時は林道を被災地点までラッセルしながら行ってみたものの、崖になっていて万事休す。ニペソツ山の16の沢林道ウペペサンケ山岩間温泉へ行ったのは夏でしたが、今回は雪が付いているのでかなり慎重になります。

 

でも戻るのも大変なので、何とか下りれそうなところを見つけて沢に下り、スノーブリッジを渡って広場へ出ます。深夜は真っ暗で何も見えなかったけれど、なるほどこうなっていたのか。芽室川周辺の被災状況はかなり大規模なものでした。沢の渡渉点があるので、春や夏の増水時は注意が必要です。また、引き続き工事が行われていると思いますので、工事関係者の方に制止されるかもしれません。

 

除雪最終地点

 

11時30分、無事下山完了。占冠PAから誰にも会うことはありませんでした。繰り返しますが、このT字路が除雪最終地点。ここから被災地点約3kmは一度除雪された形跡があり、2月9日の状況ではオフロードの車なら行けますが保証はできません。ラッセルがないので徒歩でも1時間くらいです。

 

十勝へ来たら御影の「とんかつのみしなさん」がおススメ

とんかつみしな

 

みしなさんは定食が美味しいけれど、自分はカレーが好き。普段はめったに外食をしない自分ですが、十勝へ来たら毎回寄ります。冷え切った体が一気に温まりました。

 

ちなみに、みしなさんはクレカや電子マネーも使えます。