雌阿寒岳雪山ハイク|冬型の気圧配置で5合目で惨敗(2月上旬)

雌阿寒岳登山口

 

先日のブログに書いた通り、3日の深夜から道東へ行ってきました。

 

はじめに結果をお伝えすると、初日の雌阿寒岳で敗退してそのまま帰ってきちゃいました。道東の平地は概ね晴れていたものの、予想以上に気温が低くて風も強く、「あっ、これダメなやつだ。」と5合目であっさりと敗退。2日目の予定もキャンセルして帰宅。

 

レンタカーを2日間も借りて、いったい何のために道東まで行ったのだろう?」という不完全燃焼感が残る反面、”今やりたいと思うことをやった満足感”も同時にあります。

 

まずは天気のレビューから

天気図

 

まず今日の天気をレビューしてみます。いわゆる”西高東低の気圧配置”の典型なのですが、自分がここから読み取れる情報は”南西の風が吹いて寒そうだ”とか”カムチャツカ半島は大荒れなんだろうね”くらい。

 

どのくらい冷え込んで、どのくらいの風速で、天気はどうなのかということまでは想像が付きません。だからこういう天気図の時はリアルではどういう天候なのかを体験して、頭にインプットしておく、そんな学習。

 

アメダス

 

自分が雌阿寒温泉に到着した、3日午前6時半頃の阿寒湖畔のアメダス

 

阿寒湖畔(標高426m)で氷点下14℃なので、雌阿寒温泉の登山口(標高710m)はもう少し低いのでしょう。風は南西の風5.2mだったようですが、3合目で森林限界を超えてからの風ははるかに強く感じました。

 

 

24時、雌阿寒岳登山口へ向けて札幌の自宅を出発。

ナビ

2月2日。17時退勤後に日産レンタカーさんへ直行。いつもは割安のニコニコレンタカーさんでお借りしていますが、2日間以上借りると割高になることを最近知って日産レンタカーさんへ。楽天トラベルのクーポンを使って5,950円。18時からレンタカーを借りてすぐに帰宅。夕食を取って19時台からおよそ3時間の仮眠。23時に起きて24時に札幌を出発します。一般道(国道274号)のルートはおよそ300km。早く自動運転技術が実用化されて欲しいですね。中国ではすでにバスで自動運転が実用化されているのだとか。

 

国道274号

天気が荒れているのはどうせ札幌周辺だけ”と高を括っていたのですが、千歳市との境界であるマオイの丘付近を過ぎても変化の兆しがまったくなく、むしろ夕張あたりから吹雪いてきました。その後も日勝峠を越えて清水町から鹿追町に入るくらいまではずっと吹雪。十勝側が晴れていないのは想定外で、この段階で2日目のカチポロ登山は無理ゲーと判断しました。

 

道の駅ひだか

ちなみに道の駅”樹海ロード日高”でこのくらいの積雪。完全に読みが外れました。正面のパッソが今回の相棒。車中泊道具も待ってきたけれど、そもそもパッソとご対面した時点で”初日で帰りたい”という気持ちに。しかもこの気温でモンベルダウンハガー#2で耐えられるか心配になってきて、ますます日帰りムードが濃厚に。

 

道の駅ピア21しほろ

途中の休憩ポイントはいつも一緒。1回目は”樹海ロード日高”、2回目は日勝峠を越えた清水町のセブンイレブン(深夜なのでここで朝食と行動食の調達をする)、3回目は上の画像の”ピア21しほろ”。ここで我慢できずに仮眠を30分。寒くて目が覚めたら5時だった。この1年で雌阿寒岳へ2回、雄阿寒岳へ1回行っていますが、なぜか毎回こうなってしまいます。

 

足寄町

5時45分、足寄町で夜が明け始めます。10日前の蔵王では6時を過ぎていましたから、東経を考慮しても季節は着実に春へ向かっていることを実感できます。24時間営業をしないセイコーマートにも明かりが灯り始めています。10月に雄阿寒岳へ行った時昨年2月に雌阿寒岳へ行った時よりも1時間くらい遅れているのは、夕張日勝峠で吹雪いたから。

 

雌阿寒岳

車中からみた雌阿寒岳。山の付近にだけ少し雲がかかっていますが、地上は風がほとんどなくて空もスッキリ晴れています。もしかすると、ナイトハイクでこの時間に登頂すれば問題なく登れたのかもしれません。

 

雌阿寒温泉

登山口がある雌阿寒温泉に到着。登山者用駐車場はゲート付近にあったと記憶していますが、冬の平日、誰も登っているわけがないので、手前のスペースに駐車。もちろん3時間後に下山したときも同じ状況。今日は誰一人とも会わなかったし、誰とも会話しなかった。これぞ万全なコロナ対策かも!?

 

雌阿寒温泉登山口から夏道を行く。

雌阿寒岳登山道

登山口から夏道に沿ってトレースというか完全な道が出来ていて、林内はツボ足で歩けるくらいでした。入山記録を見ると1月31日に多くの人が登っていて、1日に1組、2日はゼロだったみたい。

 

雌阿寒岳

3合目を過ぎて森林限界へ。ここの出口のところは前回も吹き溜まりになっていましたが、今回もやはり一緒。雪面が硬いところを選んで歩かないと、スノーシューでも膝くらいまで埋まってしまう。

 

フップシ岳

・999へはトレースが完全に消失している箇所。この辺から風が強烈になりましたが、西(後方)から吹いているのであまり気になりません。前方に見えるのはフップシ岳。よく考えたら、こういう風が強い日はあっちを登れば良かったかも。

 

雌阿寒岳

山頂付近の噴煙がものすごい速度で流れていきます。背後(北西)もさっきまで澄んでいたのに、白く霞んできて気分も下がる一方。それにしても山肌は雪が少なくてまるで初冬みたい。

 

雌阿寒岳

こちらは2020年2月2日の雌阿寒岳。これを期待していただけに現実との差異を受け入れられない自分がいます。

 

雌阿寒岳5合目

4合目から風が強烈に感じられ、珍しく足の指先も痛くなってきました。幸い、夏道が出ているほど雪が無くて歩きやすいので、スピード勝負で上まで登ってしまおうと考えてみたのですが、5合目で風の強さに我慢できずやめることに。11月の早池峰山を思い出しました。万一事故を起こしてもこの風なら救助されることもないでしょうし、雌阿寒岳で死んだなんて言ったらそれこそ人生を後悔するので中止。

 

オンネトー

振り返るとオンネトーの白さに癒されました。遠方は真っ白。下山後はオンネトーで遊んで帰ろうかなって気分に切り替わり、新しいワクワクを胸に下山開始。気持ちの切り替えって大切。

 

雌阿寒岳

「いやーダメだったわ~」を表現しようとバツ印でセルフィー。いつも通り笑顔を作ってみたのですが、まつ毛が白く凍って目が見えていない、、、汗。サクッと下山したら、オンネトーで遊ぶのをすっかり忘れて札幌へ帰ります。

 

下山後の移動も大変なの。

忠類

帰り道は吹雪の日勝峠越えを避けたいので、80km遠回りをして太平洋側から帰ることに。だけど、上の画像のように路面がツルツルの箇所があり、横風に煽られて車が回転しかけたこともありました。防風柵が途切れた瞬間に吹き溜まりになっている箇所もあり、冬の道東の運転は侮れません。

 

道の駅忠類

ランチは道の駅”忠類”の駐車場でセイコーマートホットシェフのカツ丼とミルクティー。ここは温泉併設でコンビニ至近なのでなかなか快適な場所なんですが、場所的に中途半端なのでめったに来ることはないんですよね。で、コンパスで下山届を提出して間もなく、会社から着信が、、、属人業務なので他の人にはどうにもならず、エクストリーム出社することに。僕は独身なのでコンパスの下山通知が上司のメールアドレスに届くように設定しているから、このタイミングで電話が来たのだと思う。良いのか悪いのか。

 

天馬街道

天馬街道に入った途端に一気に冬の様相に。道路に雪煙みたいのがユラユラ彷徨っているときは運転したくありません。

 

天馬街道野塚トンネル十勝側出口

残雪期にお世話になる野塚トンネル十勝側出口付近。登山者御用達の駐車場は除雪中。昨晩からかなり降ったのでしょうか。今年もまた春に来たくなりました。峠を越えて浦河へ出ると雪はほとんどなく、その後も恵庭までほとんど無雪状態。道東より日高の太平洋側がもっとも雪が少ない印象。札幌には17時半に到着、そのまま出社してこっそり業務の対処。そして9時間睡眠で疲れを解消。やっぱり冬の北海道の山は厳しいってことを確認した山行でしたが、残雪期にあちこち行きたいって思うきっかけにもなりました。