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10周年を迎えることが心から喜ばしい

 

タイトルからブログ10周年と思われたかもしれませんが、そうではありません。まだ5年くらいです。今回の話題はあるラーメン店のお話。

 

2012年の正月、小樽の某所でラーメン+居酒屋の業態でお店を開業しました。

 

私が運営に関わっている当時は経営がうまくいかず、とても苦戦を強いられました。

 

小樽は札幌から僅か40kmしか離れていない港町ではあるものの、日々地元のお客さまと接して感じたことは、よそ者を受け付けないかのような閉鎖的なムードというイメージ。表現を変えると地域コミュニティが強固とでもいうのでしょうか。とにかく札幌とは全然違うように感じたものです。

 

ここにどうやって溶け込んでいくか、地域に受け入れていただけるか。安定した軌道に乗せるために「地域への溶け込み」なんて要素は想定していなかっただけに、かなり困惑したものです。

 

誤解を招かないようにあえて付け加えますが、もちろん私たちの力不足こそが一番の敗因です。ただ、今までよりも長期戦になるなってことは確かなようでした。

 

2年と経たず閉店の決断となったのですが、物件オーナーさんとの関りもありましたし、当時アルバイトで勤めていた方がご夫婦で引き継ぎたいという意思表示をしてくれたものですから、経営をバトンタッチ。

 

その後は安定軌道に乗り、最近では2店舗目をオープンするに至っております。

 

心から喜ばしいことは、もうすぐバトンタッチをして10周年を迎えることです。また、当時の屋号をそのままに、そしてコンセプトもそのままで運営されていることです。

 

コンセプトは私が立案したので、特に嬉しいです。もちろん変えていただいても結構なのに。またFacebookページのアカウントも私が立てたのですが、今でも積極的に発信されています。

 

ここで私が伝えたいことは2つ。

  • 自分が関わって短期的には失敗したプロジェクトでも、消滅せずに誰かが成功させたならば、それは「成功」だったと実感できる。それには長い時間軸での視点が欠かせない。
  • 自分の手を離れても事業が育っていくということは、そこから収益や名声が得られなくても「心から」「純粋に」喜ばしく感じられるということ。

私は子育てをしたことはないけれど、たくさんの子供を育てた両親は本当に幸せなんだろうなって思います。晩年になってさらに孫が生まれる喜び、これも最近になって気持ちが分かるようになってきました。

 

自身が関わった物事が育っていくのを見届ける、これも人生を長く生きることの意義なのかもしれませんね。

 

※万一ご迷惑をおかけしてしまってはいけないので、店名は伏せたままにします。