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山登りもやはり技術が必要だとこの歳になって思う

  

私は20代の頃に登山を始めたのだが、山の世界に導いてくれたお師匠さんはいても、専門的な教育は一切受けていない。

 

では技術や知識は必要か?

 

登山道が付いている夏のハイキングコースでは、体力だけでなんとかなるものだ。だからただひたすら若さと体力でカバーし、経験値を積んで今に至っている。

 

結局のところ私はどこまでも素人なのだ。それでも今のところ何とかなっている。

 

そしてふだんは単独登山をしている私だが、今回のキナバル登山では現地ガイドさんと一緒に登った。

 

Day1はガイドさんが私のあとを追随してくれるが、Day2の山頂アタックのときはガイドさんが先行して私が随行するパターンだった。

 

こういう経験はめったにない。

 

ガイド役の彼も前日のボルネオマラソンに参加していて、東南アジアのあの暑い中を3時間17分で完走した超人だという話は別のブログで書いたが、彼の後ろを歩いていて、単純に持久力や筋力、あるいはメンタルが優れているという話でないことが分かった。

 

体重移動の動きに全く無駄がない。どんな地形でも一切バランスを崩すことなく、スイスイと静かに歩を進めていく。無駄のない洗練された動き、これは技術に違いない。

 

歩き始めて10分も経たないうちに、ハッキリ言って私は打ちのめされた気分だった。

 

振り返れば似たような経験は自衛隊に在籍していたときにもあった。

 

積雪のある地域ではヒールフリーのスキーを履いて走る。

 

当時(もちろん今も)スケーティングができずクラシカル走法しかできない私は、体力だけではどうにもならないことを思い知らされた。体力があっても技術が優れている隊員のほうが圧倒的に速いからだ。

 

滑走だけではなく滑降も苦手な私としては、これによってスキーが嫌いになった。

 

私は我が強くて自信過剰なタイプなので、人から学ぶより自分で何とかしようとする傾向が強い。

 

でもこの歳になって、独学ではなくプロから学ぶべきだとつくづく実感している。

 

結局のところ謙虚な姿勢で素直に学ぶ。それが成功への近道だと思う。