
上海虹橋から青島北へ

機場快速線からの動線を歩くと2Fの入口に着いた。鉄道駅では入口でパスポートの確認、次いで手荷物検査がある。パスポートは係員に手渡しして確認してもらうこともあれば、自分でリーダー部分にかざして読み取る場合がある。

上海虹橋火車站は空港並みに巨大。改札口が1~30まであるくらいだから、ホームの島の数は少なくともその半分はあるだろう。

改札口はこんな感じ。
トリップドットコムでチケットを購入した場合、アプリの旅程詳細欄に、列車番号と改札口が表示されている。
今回のケースでは列車番号D2160、改札口20A、21A、20B、21Bと記載されている。
20番線と21番線は同じ島だから、改札口は一緒。AとBはホームの前側か後側の意味。電光掲示板の末尾に車相1~8と書かれているので、つまり1号車から8号車に乗車するのなら、B側から入場したほうがよい。
電光掲示板に緑の文字で表示されているのは現在改札中、黄色の文字は改札前ということ。
左から、列車番号、行き先、出発時刻、ホーム、改札中か改札前か、列車番号の順で記載されている。
注意点は行き先だ。トリップドットコムのアプリ上にはこの記載がない。したがってどの列車に乗るのかについては、列車番号で確認したい。

時間があるのでバーガーキングで朝ごはんを食べることにした。
店頭に表示されているQRコードを支付宝のアプリで読取り、メニューを選択する。その前にアプリ上でいろいろな規約に合意する必要があるが、この辺りの仕様は日本と一緒である。
決済が完了するとアプリ上に4桁の番号が表示されるので、店頭で同じ番号が表示されるまで待つ。会話は一言も要らない。
ちなみに列車の中で食べるのは問題ないし、みんなもそうしている。ただ、座席間隔がやや狭くて日本人の感覚では少し違和感を感じると思う。ゆったりと食べたければ乗車前に済ませたほうがよさそうだ。

スターバックスもQRコードを読み取ってオーダーできる。

8時55分頃、改札を通過してホームへ下りる。寧波発 青島北 行きの列車に乗る。
旧い情報によると、中国の高速鉄道に乗るには駅に1時間前に行っても間に合わない、ということが書かれていることが多い。その情報を参考にして、空港へ行くときと同じくらい時間に余裕を持つスケジュールを組んだ。
しかし、出発の30分前に駅に着いてもお釣りがくる雰囲気だった。おそらくテクノロジーの進化によって状況が変わったのだろう。

青島北站行きの列車番号はD2160だった。
Gから始まる4桁の列車に比べ、Dから始まるそれは停車駅が多く、所要時間がかかることを後から知った。青島北站まで6時間を要する。
2等車は2ー3の座席配列になっていて、希望通り2列側の窓側席が充てられた。そして満席。充電スペースはなく、フットレストもない。速度は最高でも230km/hで巡行する。
途中の停車駅は、常熱、張家港、南通西、如皋南、海安、塩城大豊、塩城、阜寧東、濱海港、響水縣、連雲港、日照西、青島北。
韓国のKTX、台湾の高鐵、イタリアのITALOに乗った経験と比べても、中国の高速鉄道は騒がしいくらい賑やかだ。多くの人が常に喋っているし、周囲を気にせず大きな声で電話もする。そして何かを食べている時間も多い。
鉄道関連の従業員も多い。検札や販売員、ごみの回収など常に誰かが通路を往来している印象。
11時半くらいになるとランチタイムが始まる。お弁当を食べている人が大半。カップ麺を食べている人も少なくない。日本人はこういったシーンでカップ麺を食べることはないだろう。でも海外ではこういう場面をちょくちょく見るし、最近では日本のコンビニでも訪日外国人観光客がカップ麺を食べている姿を見ることがある。つまり、日本人よりカップ麺を食べる機会が多そうだ、ということ。

15時、青島北站に到着。名前の通り市街地の北側に位置し、2014年に開業した新駅のようだ。

この駅は、地下鉄1号線、3号線、8号線への乗り換えが可能。

今晩予約している青島駅至近のホテルまで、1号線で移動する。
地下鉄あるあるの話として、路線図を見ると近くに見えても、実際にはかなり遠いことがある。そのくらい地下鉄網が発達しているのだろう。

青島駅から徒歩2分くらいのところにある、金海大酒店というホテルに泊まった。
4つ星ホテルなのに、2泊で7千円以下。ふだんは3つ星以下のホテルやホステルに泊まっているので、クオリティの高さに感動してしまった。最近の中国旅は本当に懐に優しい。
価格だけではない。立地、部屋のクオリティ、サービス、どれをとっても素晴らしく、これから青島へ行く方にはぜひ推したいと思う。
青島マラソンのレースキット受け取りへ

荷物を置いてスマホの充電をしたら、今度は青島マラソンのレースキット受付会場へ向かう。
EXPO会場は青島国際会展中心。青島駅からだと、地下鉄3号線で五四広場へ行き、地下鉄2号線に乗り換えて苗嶺路へ。今度は藍谷快線に乗り換えて1駅先の会展中心で下車。

コースマップを見た感じ、ハーフマラソンのコースは面白そうに見えるが、フルマラソンのそれは、後半が退屈そうに見えなくもない。そういう私はハーフマラソンに参加。

事前に大会情報を得たかったが、ウェブサイトがなかなか更新されずに困った。中国ではWeChatで情報共有されることが多いので、情報はそちらをフォローして確認すべきだと思う。

ゴール付近の動線。

さすが青島ビールの城下町。大会スポンサーでもあるし、EXPO会場にもブースがあった。

レースキットの中に缶ビールが入っていた。海外マラソン32レース目にして、こんな嬉しいお土産は初めてだ。

レースキットの中身はTシャツとゼッケンの他に、スポンサーからの試供品など多数。
台湾で開催されるマラソン大会もお土産が多いが、中華圏の大会はこういうものなのだろうか。
ただ多いだけでない。私にとってはどれも実用的だと感じた。旅の途中なのでスプレー缶などは途中で処分しないとならないのが惜しい。

ホテルに一度戻ったら少し散策に出かける。
日本では中国に関するガイドブックがほとんどないので、情報は現地で百度地図で調べたり、perplexityで検索しながら街歩きをする。
ホテルから近い、青島桟橋、中山路、浙江路天主教堂付近を歩いて22時に帰った。

大会前夜にやってはいけないことの筆頭格、飲酒を始める。
白啤は思っていたよりも遥かに美味しい。日本で売っていたら絶対買う。もう一つのキンモクセイの香りがする白ビールもまずまず。
ベロンベロンに酔っぱらい、毎晩のように後悔しながら就寝する。
➤3日目へ続く。