永山岳・安足間岳|秋の紅葉シーズンが美しい|愛山渓温泉から登る表大雪の穴場的存在

 

北海道の屋根と言われる大雪山系は、表大雪、北大雪、東大雪、十勝連峰と大きく4つの地域に分かれており、北大雪を除く3つの地域は縦走路で繋がれています。「日本百名山」では、表大雪の「旭岳」「トムラウシ山」、十勝連峰の「十勝岳」が、「日本二百名山」では東大雪の「石狩岳」と「ニペソツ山」が選ばれており、さらに「日本三百名山」では十勝連峰の「オプタテシケ山」と北大雪の「ニセイカウシュッペ山」が選ばれています。更に「北海道百名山」「北海道の百名山」に選ばれている山々を含めると、これら4地域から30以上にのぼる山々が名山として選ばれていることになります。

 

今回ご紹介する愛山渓から登る山々は、愛別岳を除いては名山として選ばれていないのですが、姿見の池や中岳分岐から見た山塊の山肌は美しく、北大雪から眺める山容は雄大で、麓から見上げる姿は険しく屹立しており、どうして名山から外されてしまったのか不思議なくらいの粒ぞろいの山々なのです。そのくらい周囲の山々が目立っていると解することもでき、表大雪を引き立てる「縁の下の力持ち」的存在なのかもしれません。

 

登山口となる愛山渓温泉は秘湯の一軒宿として知られ、同じ大雪山系の旭岳温泉、層雲峡温泉、天人峡温泉といった温泉街に引けを取らない泉質のお風呂が楽しめます。アクセスに使用する道道223号が長期に亘る冬季通行止め(10月中旬から5月中旬頃)の期間を設けているため、本当の意味で秘湯になってしまうところが惜しいところ。この影響で愛山渓から登る山々のアクセスも閉ざされ、事実上の冬眠に入ってしまいます。

 

表大雪北側の主稜線を目指して愛山渓温泉から登る

愛山渓

 

このコースに登山者が少ない理由として、先に挙げた通り表大雪の他の山々に比べてマイナーだという点、それと紅葉シーズンには旭岳や銀泉台から登る山々が賑わうという点があります。ところが中腹に点在する高層湿原と色とりどりの紅葉が楽しめる山肌は、大雪山系屈指の景観であり、かなり穴場的な存在です。

 

さて登山口となる愛山渓温泉からスタートし、しばらくはジメジメした森の中を歩きます。北側に位置する沢沿いの道なので日当たりが悪く、薄暗いイメージがあります。

 

愛山渓

 

地形図上の標高点・1120で尾根に登る道もありますが、ここではイズミノ沢に沿って進んで渓谷美を楽しみたいところ。稜線も見えてくるので清々しく、暑い時期ならとても気持ちが良いでしょう。

 

愛山渓

 

何度かこうした滝が現れ、景観を楽しませてくれます。沢登りする人にとっては特に珍しくないでしょうが、一般の登山者の方にとっては滅多にお目にかかりませんよね。また、開けた景色や稜線、お花畑や小動物だけではなく、このような地形に魅力があるのもいいですよね。

 

愛山渓

 

村雨の滝の上部で飛び石の渡渉をしたあとは、笹が覆い茂る斜面を登って行きます。背丈程度の植生なので、周囲が開けている雰囲気で窮屈に感じることはないでしょう。

 

沼の平

 

振り返ると、沢地形の奥に「沼ノ平」の湖沼群。安足間岳まで登ったら、帰路は当麻乗越から沼の平へ下りる周回登山を楽しみたいところ。特に紅葉シーズンはお勧めです。

 

十勝連峰

 

この付近は大雪山系のなかでも西側に位置しているため、十勝連峰や夕張山地も眺めることができます。やや判然とはしませんが、この角度から見て尖って見えるのが富良野西岳です。

 

愛山渓

 

稜線が近くなってくると、ハイマツと岩場のミックスされた斜面が続き、開放感があって気持ち良く登ることができます。表大雪の主要なコースのなかでは、最も清々しく登ることが出来るアプローチルートの一つ。

 

主稜線から見る愛別岳が美しい

永山岳

 

永山岳まで登ると愛別岳の全容と後方にニセイカウシュッペ山を見ることができます。愛別岳へは主稜線から吊り尾根を伝って山頂へ登ることができます。

 

安足間岳

 

さらに安足間岳まで足を延ばすと、この山塊の最高点の比布岳。

 

安足間岳

 

北海道で2番目に標高が高い北鎮岳と、北大雪で2番目に標高が高い武利岳。それぞれ1番目は旭岳とニセイカウシュッペ山。知名度だけで話をすると世の中と一緒で、1番と2番との間には大きな差があります。

 

愛山渓

 

愛別岳に登る気力と体力があれば寄るのもよし。車の回送ができるのであれば層雲峡に下りるのも良いでしょう。先にお話した通り、当麻乗越、高層湿原抜けて愛山渓温泉へ下りるのもおススメです。

 

もちろん下山後は秘湯愛山渓温泉にゆっくり浸かり、疲れを癒したいところ。総合的に考えると、層雲峡で前泊して始発のロープウェイで黒岳に登り、北鎮岳を経て愛別岳にも立ち寄り、当麻乗越から愛山渓温泉に下山して1泊するルートが多様な要素を楽しむことができるのでおススメです。

 

この記事は2011年9月13日の山行をもとに作成しました。

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