増毛山地の名峰「群別岳」の南西2.37kmにある三角点「1222.1m」のことを、通称「幌天狗」と呼びます。
浜益10峰として知られ、林道から山頂まで、緩やかで幅広いスロープを持つこの山は、スキーの山として親しまれてきました。
さらにコンディションが良ければ、群別岳までアプローチすることができますが、幌天狗から群別岳や浜益岳を眺めたら、十分満足できる人が大半ではないかと思います。
そんな幌天狗を残雪期にスノーシューで訪れてみましたので記事にしてみます。最後まで読んでいただけると、きっとその魅力が伝わるでしょう。
幌の集落から幌川に沿って道を進む

幌天狗へ訪れるには、石狩市浜益区の幌の集落から、幌川に沿った道に入ります。
舗装が途切れた地点に縦列で車両を止め、未舗装の道を200mくらい歩くとゲートがありますので、そこから林道を登っていきます。

林道にはゲートがあり、少し歩くと右側に分岐する林道があるので、そちらを進みます。地理院地図では標高点・116の南に実線道(浜益岳林道)がありますが、その南の点線道を標高点・550を目指して登っていきます。

最初のうちは雪が解けて土が露出しがちですが、高度が増せば、だんだんと雪が繋がっていくので大丈夫。
地図を見ると分かりますが、林道が何回か屈曲しているので、うまくショートカットして歩けば時間を稼ぐことができます。

そうして林道跡をショートカットしながら、標高550mの台地に上がります。
標高点・745付近まで広い平原を進みますが、北に見え始める浜益岳に見とれていると、誤って北進してしまうので、コンパスを見ながら東北東方向に歩きましょう。

標高点・745へ差し掛かると、目指す幌天狗が見えてきます。

幅広い尾根は樹木が少なく開けており、振り返ると日本海や黄金山を一望することができます。
ちなみに途中で下山して来られた方から、群別岳へは全層雪崩で行けなかったとの情報をいただきました。

名峰「黄金山」も、幌天狗への尾根から見ると、端正な姿をしています。

後半はやや登り基調となりますが、目指す幌天狗の山頂が見えるので気持ちが楽です。
そう、日差しが強いので、サングラスと帽子は必須アイテム。
幌天狗からの眺めは、とにかく最高だった!

山頂にはなんと標識が設置してありました。
無雪期には来られないので、ちょっとレアですね。

山頂からは、真正面に群別岳。背後に暑寒別岳。
何度見ても、どこから見てもカッコ良すぎです。

こちらは、ずっと左手に見えていた浜益岳。

右手には奥徳富岳。こちらも浜益10峰。その背後、左奥に南暑寒岳も。

帰りは標高点・1044から一気に尻滑り。
ツボ足やワカンで来ても、こんな滑りが楽しめます。むしろここに限って言えば、スキーより無邪気に遊べます。
落差100m近い天然滑り台を無邪気に滑る、70代の女性たち。いくつになっても「遊び心」を忘れてはいけません。
幌天狗、一度登ってみませんか?スキーでなければ帰りも3時間くらいかかりそうですが、きっと大きな満足感が得られますので、イチオシの山の一つです。
この記事は2014年4月下旬の山行をもとに作成しました。
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