【雄阿寒岳|オクルシュベコース】残雪期(4月)に廃道となった夏道を登ってみよう

 

道東の雄阿寒岳(おあかんだけ)は、阿寒湖の湖畔に位置し、標高は雌阿寒岳(めかんだけ)より低く、入山数に関して言えば、夏も冬も圧倒的に雌阿寒岳に劣ります。しかしながら、登るのは雄阿寒岳のほうが大変です。

 

雄阿寒岳の夏道は、昔の地図には2本のコースが記載されていますが、現在は1本のコースがだけが残り、もう1本のコースは廃道になりました。登山道を維持・管理していくことは大変難しいということがわかります。

 

なお、日高山脈の楽古岳の登山口にある楽古山荘について、先日調べていたところ、浦河町スポーツ振興審議会の平成29年度の資料が公開されていました。それによると、平成29年度の予算は、楽古山荘の管理事業費が78千円、カムイ山荘の管理事業費が57千円で、両者を合わせても、町の体育施設の経費全体の2.1%であることがわかりました。

 

このことから、登山というレジャーに対して、充てることができる予算の許容限界を垣間見えます。登山道も、山小屋も、林道や駐車スペースまで、大切に使わせていただきたいものです。

 

 

雄阿寒岳の話に戻します。

 

その廃道となった昔の夏道コース(オクルシュベコース)は、積雪期に一部の人達に利用されています。

 

今回、2017年4月に、冬に登られる旧夏道コースから山頂を目指してみましたので、ご紹介します。

 

 

道央圏から道東へのアクセスは良好。積極的に道東の山へ行こう!

雄阿寒岳オクルシュベ雪登山口道道1093号線阿寒公園鶴居線

 

20年くらい前の私の感覚では、札幌から阿寒湖まで走るとなれば、移動に半日を要するというイメージでした。ところが、道東自動車道足寄まで延伸している現在では、わずか4時間くらいで到着することができます。この日も朝4時15分に札幌を出発し、8時15分には登山口に到着することができました。

 

登山口となるのは、阿寒湖と弟子屈を結ぶ国道241号線道道1093号(阿寒公園鶴居線)の交差点付近です。道道は冬の通行止めが解除されていないので、ここに駐車して道路を横断したところから入山します。

 

なお、道道1093号線の冬季通行止め(2017年度)は、2017年11月22日から2018年6月12日を予定されています。(”北海道開発局 北海道地区道路情報”より引用)

 

 

私が訪れたこの日は、先行者が2グループいるようで、1名がちょうど出発するところでした。

 

 

平坦な林内を歩いて、まずは標高点・706まで登り切ろう!

雄阿寒岳オクルシュベコース

 

まず、このコースは、国土地理院の2万5千図で顕著にわかる尾根を登っていきます。

 

4月中旬ともなると、雪が少なくて地面が露出している部分がたくさんあります。

 

平坦な林内を少し歩くと、標高差で100mも登らないくらいの場所から、一気に急な斜面に取り付きます。

 

 斜面には雪がなく、登山口で見かけた先行者が引き返してきました。

 

スキーが楽しめなさそうなので、中止するとのこと。挨拶を交わし、尾根の西側にジグをきって登っていく廃道となった夏道を登っていきます。

 

ブッシュが濃いため、完全な藪歩きになれば引き返そうと思いますが、もう1組先行者がいるところを見ると、雪を繋いで何とか登って行けそうな気配です。

 

倒木により夏道の一部が遮られていますが、笹藪なのでそれほど苦労せずに跨いだり、迂回することができます。むしろ、廃道なのに、道がわかるのでありがたいところ。

 

この斜面を150mくらい登り切ったところから、平坦地が続く尾根となり、しだいに雪も安定してきます。

 

この日は平地での気温が15℃近くまで上がり、暖かい風が吹いていることもあって、雪解けが一気に進んでいます。これほどまで腐った雪は滅多になく、スノーシューでも膝まで踏み抜く箇所がたくさんあって、かなり疲れました。

 

残雪期登山において、4月はかなりコンディションが変わります。厳冬期のように厳しいこともありますし、5月のような腐れ雪にあたることもあるので、見極めが大切です。

 

 

地図には表れない小さな起伏を読みながら、進路を北に取って

雄阿寒岳オクルシュベコース

 

雄阿寒岳は独立峰の山体を成しています。そのため、全体を通してみた場合、地図上ではとても単純な地形となっていることがわかります。

 

ところが、実地においては小さな起伏が多く、幾分惑わされることがあります。

 

進行方向に対して両脇が急な斜面になっているので、大きくルートを外れた場合には、気付く地形なのですが、小さな起伏を迂回しているうちに、進むべき方向がややズレてくることがあります。

 

雪山では登りの速度が遅く、下りの速度が速いため、地形の変化の読み取りには注意を要します。

 

オクルシュベコースの全体を大まかに表現すると、まずはほぼ北に向かって進行します。次に、尾根に上がってしばらくしてから、北北西に進路を取り、谷地形を登りながらトラバースして、夏道に合流する、そんなイメージです。

 

ーキングが至る所にされているので、一つの目安になります。ただ、冬のルートは各自バラバラで、スキー登山の場合は、広範囲に及んでいることが多いため、あくまでも確認程度に留めておくべきでしょう。実際にこのルートは、登りメインで利用されており、下りでは、多くの人が谷を滑っているようです。

 

自分自身でマーキングしていくのが基本だと思います。

 

 

岩稜帯を直登できるが、夏道へトラバースして頂上台地へ出よう!

雄阿寒岳オクルシュベコース

 

計画では標高1,000mくらいから、標高点・1209付近の夏道に出るつもりでいたのですが、ついつい登り切ってしまい、標高1,250mの岩稜部に出てしまいました。

 

後方に阿寒湖と雌阿寒岳が見える絶景が広がっており、とても壮大な景色を楽しむことができるのですが、進路は岩場と急斜面に阻まれてしまいます。岩場の基部で踏み抜くと、かなり深い穴になっていることが多いため、油断できません。

 

先行者のトレースは、ハイマツ帯を強引に登攀した様子ですが、私たちはスノーシューをデポして、雪で埋まっている急斜面をキックステップで登っていきます。雪が腐っているので何とか登っていますが、滑落したら間違いなく命はありません。

 

安全性を優先した場合、トラバースして夏道に出るべきです。

 

 

山頂台地まで登らなければ見られない景色と達成感を感じよう!

雄阿寒岳オクルシュベコース

 

頂上部はやや複雑な地形になっており、平坦地にはハイマツ帯がかなり露出しています。

 

岩稜帯の基部にスノーシューをデポしてきたため、ツボ足でかなりの踏み抜きに閉口し、時間の制約もあるため、夏道に合流した地点をゴールにしました。70代の女性2名を連れていたこともあり、ここまで約5時間、時刻は14時手前です。

 

山頂に立つことはなりませんでしたが、ここからでも景色は良好。山頂台地まで到達しなければ見られない景色が広がっています。

 

雄阿寒岳、標高こそ高くありませんが、独立峰なので天候には注意が必要です。廃道となったオクルシュベコース、皆さんも残雪期に訪れてみませんか?

 

2017年4月15日の山行をもとに記事にしました

 

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