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ブルーモスク(マレーシア)|路線バスでクアラルンプールからシャーアラムへ

ブルーモスク

 

クアラルンプール郊外にあるシャーアラム。ここには世界で4番目の大きさのモスク「ブルーモスク」があることで有名です。スルタン・サラディン・アブドゥル・アジズ・モスクというのが正式名称です。日本人観光客には特に人気があり、理由は旅行ガイド誌に掲載されていたり、ウェブ上でも多くの情報が集められたりするからというのもありますが、高潔な印象を受ける青さと純白のコントラストが大変美しいことと、100m以上ある4本のミナレット、そしてモスクの大きさそのものにも魅力があるからだと思います。また、多くの日本人にとってイスラム教のモスクは未知の世界であり、関心度が高い対象であることも理由の一つでしょう。

 

この記事では、シャーアラムのブルーモスクに訪れようと計画している方に向けて

  1. KLセントラルまたはパサールスニから路線バスでシャーアラムへ移動する方法
  2. ブルーモスクでの入館受付の仕方と案内の受け方、その注意点

について紹介します。宗教施設であることを念頭に、また親日国家であるマレーシアで私たち日本人がさらに好感を持っていただけるように心がけ、事前の情報収集とマナー、振舞いについてイメージしておきましょう。

 

なお入館は無料です。金曜日は礼拝のため入館できませんが、その他の日は

  • 10時~12時
  • 14時~16時
  • 17時~18時(土日祝のみ)

に入館することができます。注意点として必ずガイドさんが随伴し、勝手に入ることはできません。

 

パサールスニから路線バスでシャーアラムへ行く方法

パサールスニ

 

一般旅行者が公共交通機関でシャーアラムへ行くには、大きく2つの方法があります。

  1. KLセントラルからKTMコミューターを利用する方法
  2. パサールスニからバスを利用する方法

その中でも特にKTMコミューターを利用する方法が良く知られ、多くの旅行者に利用されているようですが、僅かながらデメリットが2つあります。

  1. シャーアラム駅でKTMコミューターを降りてから、さらにタクシーかバスを利用してモスクまで行かなければならないこと
  2. 路線バスに比べると料金が高いこと

KTMコミューターのシャーアラム駅から、徒歩でブルーモスクまで歩けないわけではありませんが、気温が30℃を越えるマレーシアではちょっと現実的ではないかも。そうなるとKTMコミューターの運賃とタクシー代で片道約10リンギットくらいかかることになります。しかも帰りのタクシーがすぐに手配できるかどうかも懸案事項になってきますよね。

 

その点、路線バスは往復6リンギットで済みますし、乗ってしまえば1時間足らずで到着できるので大変便利。路線バスに乗ると現地の方との一体感を感じることができるのも魅力です。そこで、この記事では路線バスを利用してシャーアラムへ訪れる方法について書いていきます。

 

750系統のバスには3リンギットで乗車できる

パサールスニ

 

バスの始発となるのは、パサールスニ駅です。パサールスニはセントラルマーケットがあることで有名で、KLセントラルからLRTで1駅、2017年に開業したMRTでも1駅での移動です。

 

パサールスニのB6のバス停から750系統に乗ってしまえば、シャーアラムまで運んでくれます。後述しますが、このバスはKLセントラルのバス停にも停車するんです。確実に座りたいという方はパサールスニからの乗車をおススメしますが、宿泊先がKLセントラル周辺であれば、こちらから乗車した方が大変ラクです。

 

パサールスニ750

 

まず、バスの運賃表。シャーアラムへ行くのであれば、運転手さんに3リンギットを渡すだけで大丈夫。レシートのようなチケットをその場で発券してくれます。もちろん交通系ICカードでの支払いもできます。その場合は、ICカードリーダー部にカードをかざします。SuicaやPASMOと同じです。

 

バスは前乗りで、乗車時に運賃を支払います。下車時は基本的に後ろ(真ん中)から降りますが、前から降りる人も。交通系ICカード利用の場合は、ICカードリーダーは後ろ(真ん中)の出口に設置されていますので、下車時に再度カードをかざします。

 

パサールスニ 750 

 

シャーアラムから到着したバスは、再び折り返しシャーアラムへと戻ります。上の画像は、到着したばかりのものですので、行き先表示がパサールスニのままですが、交代の運転手が戻ると表示がシャーアラムへ切り替わって乗車を促されます。

 

車内の様子は日本の路線バスとほぼ一緒。

 

シャーアラム バス

 

バスは約1時間くらいでシャーアラムのバスセンターに到着します。車内アナウンスはなく、バス停にも目立った看板もありません。シャーアラムが近くなってくるとモスクが見えてきますので心配ないでしょうが、ここが終点ではないので寝過ごさないように。ターミナルでは数分停車して運転手も一度降りますし、全員ではないものの多くの乗客が降りるので、シャーアラム到着したことがわかると思います。

 

バス停を降りて画像の矢印のように進めば、モスクまで徒歩で15分足らずです。

 

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バスターミナルはちょうどこの位置になります。ここから北にあるのがモスク。

 

いっぽう、KTMコミューターのシャーアラム駅はさらに南に位置していますので、意外と遠く感じるでしょう。

 

シャーアラムのバスセンターから徒歩でブルーモスクへ

シャーアラム

 

大きな道路を渡ると左手には博物館があり、更に左奥には市庁舎があります。

 

シャーアラム

 

"I♡SHAH ALAM."(^^)

 

シャーアラム

 

首からカメラをぶら下げて歩いていると「おい、俺たちの写真を撮ってくれ!」と呼びかけらました。スマホの普及率がこれだけ上がっても、カメラを持っている人は少ないかもしれません。それはマレーシアだからではなく、日本でも同じ。

 

彼らの笑顔が素敵です。

 

今回の訪問を通じて、現地の方々のモスクへ訪れる旅行者への好感度が高い印象を受けました。

 

入館受付の仕方、案内の受け方について

ブルーモスク

 

交差点の角から敷地に入り、いよいよブルーモスクへ。美しさ、大きさ、どれをとっても圧巻です。

 

ブルーモスク

 

エントランスに到着すると一段ステップがあり、まずそこで靴を脱ぎます。案内の方から靴ロッカーを使用するように指示されますので、外側の棚ではなくロッカーの中に靴を入れます。鍵はかけませんが、どこにしまったかを忘れないように注意しましょう。

 

なお、靴下は脱がなくても大丈夫。

 

ブルーモスク

 

次に記帳台に記入するように促されますので、名前と出身国、人数を記入します。記入が終わったら、椅子に座って待つように指示があります。ある程度のグループができたら、順番に案内される様子。

 

なお、午前中の拝観時間は10時から12時までとなっていますが、私が訪れたのは11時30分頃。快くお受けしていただけました。

 

シャーアラム

 

椅子に座って待っていると、ソンコと呼ばれる帽子(イメージはこちらのリンクから)を被った男性から「君はどこの国から来たんだ?」「そうか日本から来たのか、ようこそマレーシアへ」「このビスケットをあげるよ」となど、つたない英語での会話がありました。

 

東南アジアを訪れると、こうした会話がしょっちゅうあります。気軽な感じで良いですよね。日本国内でも北国では無口な人が多い傾向がありますが、気候と人間の気質には相関関係がありそうです。

 

ガイドさんに内部を案内してもらおう

ブルーモスク

 

5分ほど待っていると、案内が始まりました。ちょうど日本人の方が3名いらして、一緒に案内を受けることになりました。現地駐在の方で、3名とも私より語学レベルがはるかに高く、説明を熱心に聞いていました。案内の女性がゆっくり丁寧に分かり易い英語を話してくれたのですが、それでもイマイチ理解できていない私に通訳までしていただき、感謝しきれないほど。

 

ブルーモスク

 

ミナレットについて、水で身体を清めるための場所、コーランが書かれたドームの外壁などについて説明を受け、いよいよモスクの中心部へ。

 

ブルーモスク

 

モスク中心部のエントランス部分。この建物の中で最も美しいと感じる場所。

 

ちなみに案内の女性が持っているファイルには日本語が書かれており、特に説明を強調したい部分では、日本語の説明文を併用して解説してもらえます。

 

ブルーモスク

 

基本的に写真撮影をしても問題ないようで、説明が終わると写真を撮る時間も与えられます。もちろん人物を入れて記念撮影することもできます。

 

ブルーモスク

 

お祈りをするモスクの内部。きれいな絨毯が敷かれていますよね。

 

ここでは、お祈りをする姿勢、時間、回数などについて詳しく説明を受けます。私も仕事がら、お客様を職場の施設内部へ案内することがしばしばありますが、一方的な説明ではなく、質問をされたほうが案内のし甲斐があります。これからモスクへ訪れようと計画している方、イスラム教に関してだったり、建物自体に関してだったり、いくつか質問を準備してから訪れてみると、コミュニケーションが弾み、ガイドさんと心が通じるかもしれませんよ。

 

ブルーモスク

 

ここから先へは進めませんが、ドーム全体を見渡すことができます。ガイドさんがコーランの一部を読み上げてくれたのですが、イスラム教への距離がグッと近づいたと感じる瞬間でした。

 

ブルーモスク

 

厳かなモスク内部と白く輝く回廊。モスクの美しさが強調されがちですが、ムスリムの方々がどんな様子でお祈りしているのかを知れることに、ここを訪れる本当の価値があるのではないでしょうか。

 

ブルーモスク

 

最後に案内されるのが結婚式場。運が良ければちょうど結婚式の場面を見ることができるそうですよ。

 

ブルーモスク

 

儀式としての結婚式について説明を受けました。日本の神前結婚式、キリスト教の結婚式と同じく、式自体は神聖かつ厳かな雰囲気で行われるようです。

 

ブルーモスク

 

「QIBLA(キブラ)」とは礼拝を行う方向のこと。聖地メッカに向かっているそうです。ガイドさんが「あなたが宿泊しているホテルにも表示されていると思います」と言ってましたが、私が宿泊した一室にも天井に「QIBLA」と表示されていました。

 

ブルーモスク

 

案内がすべて終了すると、再びエントランスへ戻って解散となります。ガイドさんにはしっかりお礼をしましょうね。そうそう、内部に入るために最初に衣装を借りた方は着替えも。

 

さて、ここでは僅かでも寄付をしたいところです。扉を開けてすぐ左側に縦長のポストのようなボックスがありますので、投入口に紙幣を入れます。

 

海外を旅行していると、お金の価値について考えさせられることがあります。

  • タクシーや飲食店で「不当な請求」を受けたとき
  • 物乞いなどからの「要求」されたとき
  • 靴磨きなどで「一方的なサービスの強要」を受けたとき
  • チップの習慣がない日本人が「チップ」を支払うとき

私たちがこれらの場面に遭遇したとき、いずれも「事前の知識で知っている相場」が判断基準になりがちです。しかし、受けたサービスに対して価値があると感じたのであれば、「自分の物差しを基準」にして価値相応の金額を支払えばよいわけで、「相場」は考慮しなくても良いと思います。「自分の物差し」とは、日本で暮らしている日常の生活、つまり「先進国の物価」に等しいわけですから、たいていの旅行先では「相場」より高い金額になるはず。私はそれが良いと思います。

 

ひと昔前には「日本人旅行者がなめられないように」というような風潮があり、財布の紐を締める傾向がありましたが、今ではアジアのどの国もかなり豊かになり、そんな必要はないのではないかと感じます。グローバル化が進み、日本からも多くの企業が進出して交流が盛んになっていますし、日本にも多くの旅行者が訪ねて来てくれています。私たち日本人一人ひとりが彼らと対等に接し、旅行先で良いイメージを抱いてもらえるような言動に配慮したいところです。

 

ブルーモスクでガイドを受けた後の寄付の場面で、ちょっと考えさせられたのでした。

 

 

話が逸れましたが、最後に記帳台で一筆コメントを書いてから、靴をロッカーから取り出して退出します。

 

シャーアラムから路線バスでクアラルンプールへ帰るには

シャーアラム

 

シャーアラムからクアラルンプールへは、バスセンターから再びバスに揺られて帰ります。バスセンターは運転手さん達の休憩所になっており、バスも数台停車しています。

 

パサールスニへ戻る750系統のバスはここに停車しているバスではなく、バス停の前を通過するバスなので、バス停の方で待ちましょう。ポイントはここが始発ではない点。油断していると、停まらずに徐行しながら通過してしまうことがあるため、バスが来たら近づく、手を挙げるなどして、乗る意思を明確に伝えることが大切です。

 

KLセントラルから750系統のバスに乗るには?

KLセントラル

 

こちらはKLセントラルのバス停。750系統のバスはここからでも乗ることができます。場所は、NUセントラルからモノレールの乗車口へ向かい、NUセントラル前の道路を横断して改札口の手前から地上へ下ります。歩道へ下りたら、リトルインディアと反対方向(北側に歩き、銀行がある交差点を渡ったら右手にあります。上の画像は銀行側から撮影した様子。チェーン店のオールド・タウン・ホワイト・コーヒーもあります。

 

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上のグーグルマップを拡大し、道路を渡ったところにあるバス停「KL1080 Brickfields Asia College - B, Jalan Tun Sambanthan 4」に750系統が停車します。旅行者にはこちらのほうが便利かも。

 

交通系ICカード「Touch'n Go」の購入方法とチャージの仕方

NUセントラル

 

NUセントラルのセルフサービスキオスクでは、交通系ICカード「Touch'n Go」の購入やチャージが出来ます。詳しくはコチラの記事で紹介しています。

 

最近ではMRTでもチャージできるようになりました。

 

クアラルンプール MRT Totchn Go リロード

 

MRTの駅にこの機械があればチャージできます。こちらはブキッビンタン駅の様子。

 

Touch'n Go

 

電子マネーのチャージに手数料が0.5リンギットかかるというところに違和感を感じますが、ルールですから仕方ないですね。

 

なお個人的な意見になりますが、クアラルンプールでは買い物の都度、小銭が発生しやすい傾向があります。LRTやモノレールに乗るときにTouch'n Goを使わずに、小銭で消化して毎回トークンを購入した方がいいと思います。

 

アイスカチャン

 

いかがでしたか?クアラルンプールに訪れたら是非訪れたいブルーモスク。半日かがりになりますので、午前中の早い時間に訪れることをおススメします。

 

クアラルンプールの弾丸旅行で私がおススメする欲張りコースは、

  1. 午前中にバスでシャーアラムのブルーモスクを観光
  2. お昼はクアラルンプールへ戻ってチキンライスとアイスカチャン
  3. 午後はKTMコミューターでバトゥケイブを見学
  4. 夕方はKLCCでツインタワーを眺め、ショッピング
  5. 夜はブキッビンタンの賑わいを楽しんで、アロー通りで屋台メシ

ちょっとハードですが、お腹いっぱい十分楽しめます☆