【夕張岳|日本二百名山】林道でヒグマ遭遇、マダニに咬まれる|冷水コースと馬の背コース

 

夕張岳は日本二百名山に選ばれており、花の百名山でも新・花の百名山でも紹介されている人気の山です。

 

 

夕張岳単独でのカタチより、周囲の前岳や滝ノ沢岳、熊ケ峰と合わせて、総合的な山容が特徴的。大雪山系や日高山脈の主要な山々からでも、雲海に浮かぶ山頂を確認することも出来ます。

 

登山コースは夕張市側にメインとなるルート(大夕張コース)、南富良野町側にややマイナールート(金山コース)があります。平成29年現在、登山口へアクセスする林道が車両通行止めとなっていることから、南富良野町側の金山ルートから登る人が増えています。しかし、夕張岳の高山植物帯は、山頂稜線より夕張市側にあるため、ここを目的で訪れる場合、一度下る必要が出てきます。

 

この記事では、夕張市側の林道が冬季通行止めが解除される前、5月にシューパロ湖から徒歩で往復40㎞を日帰りしてみた内容をお伝えします。今後も林道の状況が改善されなければ、登山口にある夕張岳ヒュッテまで徒歩で訪れて宿泊し、翌日に山頂へ登る方が増えることが予想されますので、この記事が参考になるかと思います。

 

なお、林道の通行規制に関する情報は、こちらの記事でご案内しています。

 

日の出とともにシューパロ湖畔から歩き始める

シューパロ湖

 

5月、林道には残雪がないことが容易に想像できましたが、高山植物を楽しむことはできないので、登っている人は皆無だと思います。林道の開通は毎年6月以降なので、そもそもシューパロ湖畔からヒュッテまで林道を歩く人もいないでしょう。

 

札幌から約2時間の距離ですので、5時前には湖畔を出発することができました。

 

夕張岳

 

シューパロ湖から夕張岳ヒュッテまでは、ほぼ一本道ではありますが、厳密には、市道奥鹿島線という舗装路と鹿島林道、ヒュッテの直前の部分が鹿島支線林道という3部構成になっています。

 

この区間を歩いたり走ったりして、ヒュッテまで行こうという計画です。舗装区間は快適に走ることができ、約50分で未舗装区間へ。未舗装の区間に入ると、勾配が急になる箇所があるので、足ったり歩いたりして詰めていきます。

 

9.4kmという距離は、歩けば長いですが、軽く走れば1時間ちょっとの距離です。

 

夕張岳鹿島林道

 

鹿島林道を歩いている最中、右側の林内でガサガサという物音とともに、ヒグマ1頭が4時の方向に去って行きました。これはかなり衝撃的。心臓が止まるかと思いました。

 

林道沿いには、ペンケモユーパロ川が流れており、ちょうどその河畔林にヒグマがいたわけです。川が近いため、水の音で私の気配に気付かず、ヒグマの方も驚いたのでしょう。鈴の音だけでは不十分だと言えます。

 

これ以降、笛をピッピッと吹きながら、体操のお兄さんのように行進します。

 

夕張岳ヒュッテから、冷水コースを行く

夕張岳

 

シューパロ湖から2時間10分で、夕張岳ヒュッテに到着。

 

ここから冷水コースに入ります。

 

もうヒグマに遭遇することはないだろう、と笛を吹くのは止めて、ラジオのボリュームを全開にして登り始めますが、ザーザーとノイズが入るとイライラします。

 

ラジオのノイズが嫌なので、最近はスマホでオーディオブックや語学を聞くことが多くなりました。

 

冷や水コースは沢地形なので、かなり雪が残るだろうと思いましたが、ほとんどありませんでした。

 

夕張岳

 

石原平まで約1時間40分。

 

一面はすっかり雪になりました。シラネアオイが7月上旬まで楽しめるとのこと。

 

残念ながら、ガスで前岳の斜面が見えませんが、地図を頼りに前岳の北側に沿って進みます。

 

ところどころ登山道を確認できました。

 

夕張岳望岳台

 

望岳台の手前に急斜面があり、ここをトラバースするのですが、雪がびっしり残っており滑落が心配です。 

 

ソールが柔いシューズでキックステップを刻めず、アイゼンも持ち合わせていないため、真剣に敗退を検討します。しかし、上部を見ると、雪があまりない箇所があり、ヤブを漕いで進めそうです。

 

夕張岳

 

前岳の東側に出ると、平坦地が続きます。ガスで視界がないために現在地が掴めず、彷徨うことに。地図とコンパスがあっても全体的な様子が掴めません。

 

ところどころに夏道が露出している箇所があるので、手掛かりになります。

 

結局30分以上行ったり来たりを繰り返して、諦めたころにやっと夏道を発見。

 

そして一気にガスが晴れて視界が開けました。

 

夕張岳

 

ガスが晴れたと言っても、あいにく山頂は雲の中。

 

しかし、目指す方向がわかったので、どんどん進むことにします。

 

このペースなら、11時にピークに立てれば、明るいうちに自宅に帰れる計算です。

 

夕張岳

 

コース中の著名なランドマークとなるガマ岩に到着したのが10時。この付近は木道がしっかりと整備されているので、歩きやすいのですが、木道の上に雪があると滑るので、注意しましょう。

 

夕張岳

 

金山コースとの分岐を過ぎ、山頂直下から振り返ると、前岳から歩いてきたルート全体を確認できます。

 

残雪がびっしり残る斜面もありましたが、5月後半の夕張岳は、すでに夏山シーズンに入っています。

 

夕張岳

 

山頂直下には神社があります。

 

北海道の山は歴史が浅いので、山頂部に神社仏閣があることは極めて稀な例です。

 

山頂からは360°の大パノラマが広がる

夕張岳

 

11時前に山頂へ到着。シューパロ湖からおよそ6時間かかりました。

 

360°のパノラマが広がっています。

 

芦別岳

 

鋭鋒として有名な芦別岳も、中富良野町の里から見る姿とは全く違う印象です。

 

夕張岳から見ると、どっしり、という感じでしょうか。

 

夕張岳

 

さて、ここからが折り返し。

 

下山途中で振り返った夕張岳は素晴らしい姿カタチをしていました。

 

登山は天気を味方につけないとだめですね。

 

夕張岳

 

帰り道は馬の背コースから下山。

 

沢沿いの道と尾根道、好みが分かれるところですね。真夏の登りは冷水コースのほうがいいかも。虫が多いかもしれませんが。

 

夕張岳

 

山頂からヒュッテまでは、写真を撮りながら2時間半くらいかけて下山。

 

林道では結構走りましたが、往路とほとんど変わらず2時間ちょっとかかり、シューパロ湖到着は15時30分。約40㎞。ちょっと疲れました。

 

夕張岳

 

翌朝は4時30分から仕事だったので、自宅に帰ってからすぐに寝たのですが、脇の下に何か違和感があり、鏡を見るとマダニに2か所咬まれていました。

 

翌日に神居尻山に登り、下山後に皮膚科で処置してもらい、薬ももらいました。

 

マダニは日高山脈で咬まれることが多いのですが、夕張山地にも多いそうです。もし、咬まれてしばらく気付かなくても、皮膚を引っ張られるような違和感を感じます。

 

また、咬まれたときは無理にはがさず、クリームを塗るのがおススメ。マダニが窒息して自然に剥がることが多いです。ライターの火で炙るやり方は、ケガをする可能性があります。

 

※この記事は2015年5月24日の山行をもとに作成しました。

 

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