こんにちは!コモ子@やまたび北海道(@ComocoHk)です。
今日の話題は富良野岳。
10月初旬、雪化粧をしたばかりの十勝連峰に訪れてみましたのでその様子をお伝えします。
山頂まで行かなくても、三峰山との縦走路分岐がある稜線付近まで登るだけきっと満足できるはず。
稜線にガスがかかっていても、天気図を信頼して
表大雪の旭岳に初冠雪の便りが届くと、十勝連峰や北大雪も相次いで雪に覆われるようになります。
その後何度か雪が降ると、大雪山系はあっという間に一面が雪景色に。
11月になると積雪が一気に増えますから、10月いっぱいをめどにして、初冬の雪山ハイキングを楽しみたいところですよね。
まず、天気が晴れるかどうかというお話から。
登山口がある十勝岳温泉は標高が高いんですよね。
車中泊をして朝を迎えた場合、 雲の中で天候がわからないこともしばしば。
せっかく朝早くに目が覚めたのに、出発するかどうかをためらうことってありませんか?
なので私は登山口ではなく、上富良野町の市街地で車中泊をすることをお薦めします。
カメラのシャッター速度を遅くして撮影すれば夜でも山々の状況も見えますし、深夜早朝の冷え込み対策にもなります。
おススメは日の出公園。
十勝連峰の山々がが一望できるので、天候の判断がしやすいです。
渦中にいると客観的に自分を見つめることができない。一歩引いて見つめなおす
ビジネスでは当たり前のことを、日常生活にも応用するわけですね。
私が訪れた日は、平日の早朝。
登山口の駐車場には私のクルマ以外1台も停まっていません。
数日前に旭岳に登りましたが、そのときも朝イチの入山者は少なめでした。
大雪山系旭岳|10月上旬紅葉シーズン終盤の温泉街から初冠雪の山頂に登ろう
やはり10月の大雪山系は、中途半端な季節と考えらているようです。
十勝岳温泉登山口からまずは安政火口分岐へ
さて、準備ができたらいよいよ出発。
日の出前の時間帯は、まだビッシリ雪が残っていました。
安政火口との分岐点までの道のりは、道幅も広くて明瞭なので少々雪が降ったくらいでは見失うことはありません。
ここでラッセルをしなくてはならないくらいの積雪になったら、完全に冬山シーズンに入ったと考えるべき。
山腹のトラバースが続いてラッセルが厳しいですし、雪崩の危険性があります。
ちなみに帰路の様子はこんな感じ。
わずか数時間しか経っていませんが、雪が完全に解けて地面が露出しています。
左手が三段山付近で正面がカミホロカメットク山付近の主稜線。
まるでヨーロッパのアルプスやヒマラヤのような景色に感動するでしょう。
早朝は、笹やハイマツにも雪がどっさり乗っかって垂れ下がり気味。
登山道に覆いかぶさるように垂れ下がっているので、道が狭いところではシャーベット状の雪が身体に付着します。
冷たくて身体も濡れるので、雪解けが進む時間帯は注意が必要です。
余談ですが、三段山方向の崖尾根コースと呼ばれている夏道は、長い期間通行止めになっています。
今後も解放される見込みは薄そう。
三段山に登る場合は吹上温泉から登るのが一般的。
安政火口分岐付近からは稜線を見上げられるのですが、早朝はガスがかかってこのような感じでした。
ここから富良野岳までの登山道が西側斜面。
午前中は日当たりが悪いですし、なかなか暖まりません。
反面、ガスが晴れて天気が良くなる午後には気温が一気に上がります。
汗をかくほど暑く、正面に真っ白な主稜線を見ることができます。
この付近までは一般の観光客の方でも来ることができます。
ただし靴が汚れることは必至。
正面の主稜線はおよそカミホロカメットク山から十勝岳の中間付近。
手前右側は化物岩のあたりですね。
安政火口分岐からトラバースをしながら主稜線へ
登山道は安政火口分岐の手前で一度渡渉し、トラバースをしながら上ホロ分岐へと進んで行きます。
途中に渡渉点が数か所ありますが、いずれも飛び石で渡ることが出来ます。
靴を濡らすことはないでしょう。
そもそも冬の装備で来ているので、靴が濡れて困ることはないのかな。
ここからは大きな岩が点在する登山道に変わり、これまでの観光歩道とは異なります。
しばらく先に進むと今度は上ホロ分岐地点へ到着。
富良野岳へは三峰山との縦走路分岐のコルに上がるまで、さらに山腹をトラバースしながら進みます。
稜線まで約2kmの道のり。
富良野岳は朝日をまともに浴びるので、白く輝いてとってもきれい。
昨シーズンの12月、望岳台から十勝岳に登るときの見た真っ白な富良野岳も印象的でした。
12月下旬の北海道十勝岳登山(望岳台)|視界不良で敗退した記録
登山道から十勝岳温泉を振り返ると、山腹に小さな池が見えるんです。
地図上に表記もなく、航空写真にも写っていないことから、この時期だけしか見られないのかもしれません。
稜線が近くなると一部に木段が設置されていて、後方には十勝岳が確認できるようになります。
一段一段丁寧に登るとまもなく稜線に到着です。
稜線から初雪の十勝連峰の眺め
富良野岳と縦走路の分岐地点へ到着すると、眼下に縦走路が確認できます。
その先には三峰山から続く十勝連峰の山並み。
ここからいったん富良野岳を往復してから三峰山を越え、上富良野岳から下山するのが夏の定番プラン。
三峰山も富良野岳と並んでお花が多く、上富良野岳まで進むと見える景色がかなり異なるんですよね。
景色を眺めながらひと休み。
引き続き富良野岳の山頂を目指して登り始めます。
6月下旬ごろのこの付近の斜面は、チングルマをはじめとするお花畑になっていて、とても見ごたえがあります。
お花に乏しい十勝連峰の中では、この付近は花が多いことで有名ですね。
富良野岳への登りは、標高差にして150mくらい。
シーズン初めでも雪が吹き溜まりになるので、ややラッセル気味。
富良野岳の山頂から真っ白な十勝連峰を眺めよう
そしていよいよ富良野岳の山頂へ。
十勝連峰のなかで、事実上の端っこにある山。
こうして天気が良いと、表大雪の山々まで見渡せるんですよ。
こちらは9月の富良野岳山頂の様子。
遠くに見えるのは東大雪のニペソツ山。
あれだけの鋭鋒も西から見ると、優しい山容に見えるのがおもしろいですね。
直線距離で約33km離れています。
ニペソツ山には過去に3度登っていますが、すべて当たり。
その中でももっとも印象に残っているのは、日帰りの白ニペとテン泊の早朝。
【ニペソツ山|日本二百名山】白いニペソツに会うためには?10月上旬、旭岳の初冠雪の時期を目がけて登る
【ニペソツ山】杉沢コース登山口へ通じる16の沢林道の被災状況について
こちらは上ホロカメットク山から続く国境稜線。
空知郡の南富良野町と上川郡の新得町を分けています。
下ホロカメットク山の端正な円錐形はどこから見ても目立ちますね。
個人的にこの山には強い憧れを持っていて、2018年4月に念願の山頂へ登ることができました。
カムチャッカ半島のコリャーク(カムチャッカ富士)、イランのダマ―ヴァンド山、フィリピンのマヨン山(ルソン富士)など、世界には円錐形の美しい山々がたくさんあります。
こちらは前富良野岳。
私にとっては未踏の山。
富良野盆地を挟んで対岸に見えるのが夕張山地。
私の記憶では芦別岳には過去3回、夕張岳には2回登っていますが、2018年6月に登った芦別岳が特に印象に残っています。
【芦別岳|新道コース】全周に広がる雲海、残雪と緑と青い空、ツクモグサを楽しみに早朝から山頂を目指そう!
芦別岳をズームで見るとこのような形に。
芦別岳は北海道を代表する鋭鋒として知られていますが、東から見ると稜線上の一つのピークにしか見えませんね。
そして直線距離ではニペソツ山とほぼ同じ距離というから驚き。
ニペソツ山のほうがはるかに遠い印象がありますが、数字は決してウソつきません。
そしてこちらが夕張岳。
前岳がもっとも尖がって見えるのがこの角度のようですね。
こちらは直線距離で約45km離れています。
旭川市や三国山と同じくらいの距離なんですって。
夕張岳は、2015年5月にシューパロ湖から日帰りしたときにヒグマに遭遇し、しかもマダニに咬まれたので、あまりいい思い出はないですね。
【夕張岳|日本二百名山】林道でヒグマに遭遇、マダニに咬まれる|冷水コースと馬の背コース
富良野岳の山頂からは、もちろん表大雪の山並みも見渡すことができます。
初冠雪からわずか5日ですでに真っ白になりました。
特に旭岳は、植生がほとんどないので真っ白になりますよね。
主要なピークはご覧の通り。
前十勝付近は噴煙を上げており、地熱のせいで雪がありません。
三段山が背面の稜線より低いことからイマイチ判然としませんが、概ね山頂を結んだ線上に美瑛岳が位置しています。
最後に動画をアップしておきますので、こちらもご覧下さい。
風の音とピント合わせの雑音が入り、ピンボケもしていますがお許しを。
※再生すると、音が出ますのでご注意ください。