【十勝連峰】日帰り縦走するにはどこを起点にする?|富良野岳から十勝岳、オプタテシケ山までを繋いでみよう

 

十勝連峰は、主峰の十勝岳を中央に、富良野岳からオプタテシケ山までの一連の山々を指します。夏道が無い境山や下ホロカメットク山などを除くと、原始ケ原から富良野岳を経てオプタテシケ山、表大雪のトムラウシ山、そして北海道の最高峰、旭岳や黒岳まで縦走することができます。北海道で最も標高が高い中央高地に、縦走のロングコースがあることは、たいへん素晴らしいことです。

 

この記事では、十勝連峰の縦走路を富良野岳から十勝岳を経てオプタテシケ山まで日帰りしたみたい方や興味がある方に向け、私が実際に歩いてみたお話を紹介するものです。今回は、2014年6月に十勝岳温泉を起点にし、吹上温泉に下山した内容です。

 

日照時間が最も長い6月後半でも、日の出から日没までかかりますが、体力に自信がある方はチャレンジしてみてください。

 

車両の都合上、どこを起点にするかを悩む

十勝岳温泉

 

まず最初に頭を悩ますのが、車両の問題です。

 

起点から終点まで周回することを考えると、いくつかのパターンとそのオプションがあります。

 

  1. 十勝岳温泉を起点とする
  2. 吹上温泉を起点とする
  3. 望岳台を起点とする

さらにそれぞれにオプションがあり、オプタテシケ山を往復したあと、どこまで縦走路を戻り、どこへ下山し、車道を歩くかです。縦走路の中で厳しい区間として

  1. 三峰山を中央としてその両脇の岩場
  2. 上ホロから十勝岳への登り
  3. 鋸山へ登るザレ
  4. 美瑛富士のコルから美瑛岳への登り
  5. オプタテシケ山を下りてからベベツ岳への登り

大まかに言ってこの区間で時間を消費しそうです。

 

そんなことを頭に入れていましたが、結局は十勝岳温泉からスタートすることにします。

 

十勝連峰日帰り縦走2014

 

まだ3時台。曇り空ですが、夜明け前は富良野岳がクッキリと見えています。

 

装備は最小限に抑え、新調したサロモンのシューズで軽快なスタート。

 

水分は約3リットルとビール1本。美瑛富士の裏で採ることも考えておきます。

 

富良野岳

 

富良野岳のコル、縦走路分岐まで約2時間、5時30分くらいに稜線に出ました。

 

十勝連峰でまとまったお花畑があるのは、富良野岳付近くらい。チングルマが満開です。

このあとは、ベベツ岳くらいまであまりお花は見られません。

 

富良野岳

 

6時ちょっと前、十勝岳温泉から約2時間半で富良野岳山頂へ到着。ちょっと寒いのでウィンドブレーカーを着用。まだまだ元気です。

 

十勝岳方向がガスの中なのが残念ですが、そのおかげで水の消費が少ないのも確か。

 

富良野岳

 

富良野岳から三峰山へ向かう途中ガスが少し晴れて、朝露に濡れたお花畑と緑の山肌が見えました。

 

三峰山

 

三峰山への登りは両脇にお花畑が広がり、種類も豊富です。

 

ただ、距離のわりには時間を要する箇所でもあります。

 

安政火口

 

稜線上がずっとガスの中で、三峰山、上富良野岳、上ホロカメットク山をやり過ごし、左手に荒々しい安政火口を見下ろしながら十勝岳への登りに差しかかります。

 

上富良野岳や上ホロカメットク山付近は、足元が固めのザレの区間なので、走ることができるくらいスピーディに移動できるところ。ただ、高度感があるので、左右にあまりブレないようにしましょう。

 

十勝岳

 

十勝岳へは坦々とした登り基調で、まだかまだかと思うくらい長く感じます。ガレ場なので、浮石に乗って滑らないように、一歩一歩を慎重確実に登りたいところ。

 

十勝岳

 

十勝岳は日本百名山の一山なので、特に道外からの多くの登山者でにぎわっています。

 

縦走路の上ホロカメットク山側を歩く人が少ないので、ガスの中縦走路から突然現れると驚かれます。

 

この旅では、ここまで4時間30分かかり、時刻は午前8時。

 

何度か来ているので、20秒も滞在せずに、次の美瑛岳へ向かいます。

 

十勝岳から殺風景な景観のザレ場をひたすら歩く

十勝岳

 

十勝岳頂上直下の岩場を下りると、新得町側の荒涼とした通称「月面」を進みます。

 

ここはかなりスピーディに距離を稼ぐことが出来るところですが、濃霧のなかでは迷う可能性があります。ただ、道は見えるので見失うことはないでしょう。この辺に雪が残るのも、おそらく5月くらいまででしょう。

 

 

鋸山からは結構下る場面。もっともザレが深い箇所があるので、足を取られて苦戦しがち。道を外すと雪が残るところも。

 

美瑛岳

 

十勝連峰でもっとも荒々しい場所が、ここ美瑛岳の西斜面です。自然の大迫力を感じ取りましょう。

 

美瑛岳

 

その後、美瑛岳をぐるりと巻くようにトラバースしながら登ります。

 

大きな岩が散りばめられた山肌に、低い背丈の草花が点在しており、気持ちを紛らわせてくれるでしょう。

 

美瑛岳

 

そして美瑛岳の頂きへ。縦走の場合、ちょっと寄り道になりますが、ここは十勝連峰で最も眺めが良い場所なので、立ち寄る価値があります。また、休憩ポイントに最適な場所。

 

この日は残念ながら、雲の中。

 

美瑛富士へは、帰り余裕があれば寄ることにしてオプタテシケ山へ向かいます。

 

美瑛富士とのコルまでの下りは、足が疲れるところ。いたわりながら慌てず下ります。

 

美瑛富士

 

美瑛富士の避難小屋へは、東側斜面をトラバースするように道が付いています。

 

ここは縦走路中でもっとも遅くまで雪渓が残ります。滑落するほどの斜面ではありませんが、転ぶと止まらないこともあるので、慎重にトラバース。

 

美瑛富士

 

美瑛富士避難小屋付近にて。

 

いつも思うのですが、オプタテシケ山までの距離表示はわかりますが、化雲岳まで22.9㎞という表示が謎。トムラウシ山は縦走路から離れるので、次の著名な山は化雲岳かもしれませんが、せめて南沼あたりにしておけばいいのでは、と思います。

 

ベベツ岳

 

美瑛富士避難小屋からは、大きな岩場が続く石垣山。

 

お花畑が徐々に増えてしばらくすると、ベベツ岳の山頂です。

 

ベベツ岳からの下りには大きなケルンがあり、ここからいったん大きく高度を下げていきます。

 

オプタテシケ山

 

ベベツ岳のコルまで下って振り返ると、帰り道が憂鬱になるかもしれませんが、そこは次のオプタテシケ山に登るため。 この下りが、オプタテシケ山への行程を盛り上げてくれる、ちょっとしたスパイスになっています。

 

オプタテシケ山への登りも疲れる場面で、最後の方は岩場を通過する箇所も。

 

 

美瑛富士避難小屋付近から1時間20分でオプタテシケ山。コースタイムより早く、時刻は正午を過ぎたくらいです。

 

横浜から来られたという2人組の女性とおしゃべりしながら、ひとりでビール。運動中にお酒を飲むのはややリスキーですが、楽しいから仕方ありません。

 

オプタテシケ山まで来て周囲はガスの中というのは残念ですが、何とも言えない達成感はあります。

 

オプタテシケ山で折り返して吹上温泉へ下山する

美瑛富士

 

次の目的地は美瑛富士。

 

ベベツ岳への登りは厳しいところですが、登ってしまえばあとはほとんど下り基調です。

 

美瑛富士

 

ビールを飲んだせいなのか、それとも満足感からなのか、突然、疲労感が押し寄せてきました。

 

ペースが落ちます。それでも美瑛富士に登ることに決め、14時30分に美瑛富士到着。

 

やや小雨模様の稜線。状況判断を迫られます。

  1. このまま上ホロ分岐まで進んで行って下山
  2. 十勝岳まで進んで望岳台へ下山
  3. ポンピ沢に降りて望岳台へ下山

 結局、稜線で雨に打たれるのはハイリスクと判断。風が強くなれば低体温症になりかねません。そこで美瑛富士避難小屋までもう一度戻り、ポンピ沢へ下ります。

 

美瑛岳

 

美瑛岳をトラバースしながら、ポンピ沢へと下降するルートを進みます。

 

あの急斜面を下山で使うのは膝に良くないのですが、こういう場合は仕方ないですね。

 

途中に遭遇したキタキツネが雪渓上を歩いています。キタキツネやエゾシカはあまり高いところへ登ってこないイメージがありますが、そうでもないようです。

 

美瑛岳

 

小雨のなか下山したため、美瑛岳に虹がかかります。 

 

晴れた日にしか山歩きをしないと、めったに見られません。

 

十勝岳

 

望岳台へ下りる途中でも、振り返ると虹が。

 

望岳台

 

望岳台まで下りず、途中から吹上温泉へ向かう道に入ります。歩きやすい道ですが、意外と長く感じられるかもしれません。

 

吹上温泉

 

十勝岳の登山道から吹上温泉へのハイキングコースを歩き、やっと吹上温泉が見えてきます。キャンパーたちを横目に車道に出て、ここから十勝岳温泉への分岐点となるT字路まで約2㎞歩きます。

 

時刻は18時。すっかり夕方になりました。

 

T字路から十勝岳温泉までは急こう配の車道。「あんなに登るのか」と閉口するくらい見上げる凌雲閣にため息が出ます。最後の試練、歩いたり走ったりしながら19時30分に十勝岳温泉に到着。14時間30分くらいの山旅です。完全燃焼した感がありますが、外が明るい時間を丸1日トレーニングするには、ちょうど良いコースですね。

 

この記事は2014年6月28日の山行をもとに作成しました

 

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