旭岳(旭岳温泉)|初冠雪の大雪山系最高峰へ(10月上旬)

 

こんにちは!コモ子@やまたび北海道(@ComocoHk)です。

 

今日の話題は大雪山系の初冠雪について。

 

大雪山系の初冠雪は、例年9月中旬から下旬頃と相場が決まっています。

 

2018年は8月中旬に黒岳で雪が降るという異常な状況でしたが、これはちょっと例外。

 

特に何も無ければ、9月の最終週には真っ白な大雪山系を見ることが出来るでしょう

 

その中でも大雪山系の主峰「旭岳」は道内で最も早い初冠雪となることが多く、地元のニュースでも毎年話題になりますよね。

 

紅葉と初冠雪、お昼になってからの青い空とのコントラストが素晴らしく、上空からヘリコプターで撮影された映像がお見事です。

 

初冠雪観測の発表は旭川地方気象台から発信され、例年の平均値は9月25日と言われています。

 

2018年のように、同じ大雪山系の黒岳の方が早いこともありますし、利尻島の利尻山のほうが早いこともありますが、おおよそほとんど変わることがありません。

 

ちなみに富士山の初冠雪は9月30日が平均と言われていますが、2000年は9月4日、2008年は8月9日、2012年は9月12日に観測されています。

 

なので、大雪山より富士山の初冠雪の方が早いこともありますが、たいていの場合全国に初雪の話題が届くのは北海道からなんですね。

 

まずここ5年間での、旭岳の初冠雪について記録をまとめてみました。

年度 初冠雪観測日
2017年 9月30日

2016年

9月29日 

2015年

9月29日

2014年

9月16日

2013年

9月19日

雲がかかっていても、強風が晴れを呼ぶと期待して登る

旭岳公共駐車場

 

今回私が訪れたのは2017年10月1日。

 

初冠雪が9月30日でしたので、翌日に登ったことになります。

 

ロープウェイの営業時間は、10月1日から午前8時からと公式ウェブサイトで案内されていて、紅葉最盛期の週末に比べてかなり遅くなっています。

 

なお、公式ウェブサイトでは東川町のライブカメラのリンクも載せられているので、姿見からの旭岳の様子を確認できますよ。

 

なお、当サイトでもライブカメラのリンク集のページがありますので、そちらもご参考ください。

 

登山に役立つライブカメラリンク集|北海道の山に登る前に現地の天気をチェック!

 

さて話を戻します。

 

10月1日早朝、上富良野町で車中泊をして現地へ到着したのが5時頃。今回はロープウェイを使わずに登る計画です。

 

駐車場にいた登山者の方から「1時間前倒して7時から運行される」との情報が得られました。

 

旭岳公共駐車場は2017年度現在では改修工事中のため、場内がたいへん狭くなっていますが、この時間ではまだほとんど車両がなく、すでにシーズンオフの感じが否めません。

 

さて、姿見駅がある5合目までの道のりはおよそ1時間半から2時間程度

 

でも多くの登山客は、ロープウェイを利用しています。

 

私は状況に応じて使い分けており、太陽が出ている時間が短い紅葉時期やテント泊装備を担ぐときにはロープウェイを利用、それ以外は登山道を使用することが多いです。 

 

今回はロープウェイの始発に乗るより、登山道を利用した方が姿見到着時刻が早いと思ったため、下から歩くことにしました。

 

なお今回は山頂から下山開始直後の午前9時過ぎまで、ずっとガスの中で視界がありませんでした。

 

 

大雪山系旭岳登山口

 

まず旭岳の登山口となるのは、公共駐車場からロープウェイ駅に向かう途中から右手に曲がった場所にあります。

 

もちろんロープウェイ駅に立ち寄って登山届を記入してからでも大丈夫です。

 

大雪山系旭岳初冠雪

 

登山開始からしばらくは、姿見川に沿ってほとんど視界がない林内の歩道を進みます。

 

やがて「第一天女ヶ原」で視界が開けてくると、真っ白に雪化粧をした旭岳が眼前に。

 

この付近は木道が整備されていますが、一部朽ちている箇所がありますので注意が必要。

 

全般的に湿地帯なので、足元が泥だらけになる覚悟をしましょう。

 

旭岳4合目

 

標高1,550mの4合目付近まで来ると、姿見駅との分岐地点は間近です。

 

登山口から標高差で450mくらい登ったことになります。

 

木段が滑りますので丁寧に詰めていきましょう。

 

早朝はまだまだ雪が残っていることも。

 

上部の積雪が深いことも想定し、4シーズンのゴアテックスシューズと冬用のロングスパッツ、風が強いことも想定してアイゼンも持参して挑みたいですね。

 

大雪山系旭岳4合目

 

後ろを振り返ると十勝連峰の山並みも見えます。

 

すべての山に雪が見えますが、特に十勝岳美瑛岳に雪が多い感じ。

 

大雪山系旭岳姿見分岐

 

姿見の分岐点。これほどわかりやすい標識が立っているにもかかわらず、一般観光客の方が間違って登山道を下山してしまうケースがあります

 

不整地では足元に気を取られがちですが、周囲を見る余裕も持ちたいところ。

 

姿見の池

 

姿見の池の手前から、初冠雪の旭岳と広場に立つ通称「愛の鐘

 

姿見の池

 

午前7時の段階では、ロープウェイの始発時間前なので無人でしかもガスがかかっていました。

 

夏山シーズン最盛期であっても、ロープウェイの運行時間外はほとんど無人になります。

 

静かに一人の時間を過ごすことができますが、ちょっと寂しいかも。

 

私もそんな経験があります。

 

大雪山旭岳。ガスの中の山頂で夕方ひとりで2時間粘ってみたけれど、やっぱり晴れなかった残念な週末(泣)

 

姿見の池

 

さざ波すら立たない真澄の姿見の池。背後の山塊は当麻乗越から当麻岳安足間岳比布岳へと続く稜線が連なっています。

 

訪れる人が少ない表大雪の穴場的ポイント。

 

愛山渓温泉から登るのが普通です。

 

永山岳・安足間岳|秋の紅葉シーズンが美しい|愛山渓温泉から登る表大雪の穴場的存在

 

姿見の池から真っ白な山頂を目指して

姿見の池

 

姿見の池からは傾斜が急になり、岩場の斜面をグングン登っていきます。

 

振り返るといかにも初雪という風景。初夏のチングルマ、秋になって草紅葉となったお花畑も長い冬眠の季節に入ります。

 

私もかつては夏山専門でしたが、雪の山々も楽しめるようになってからは、山の本当の魅力を少しだけ分かってきたような感じがします。

 

旭岳六合目

 

姿見より上部は岩とザレ場が続きます。

 

この付近には植生がないので、こうして雪が降るといち早く真っ白になります。

 

これからの時期は雪山用の手袋が必須。

 

気温が下がると末端が最初に冷えるので、冬用の手袋は予備を含めて2セット以上持っていきましょう。

 

さらに行動中に着ける薄手の手袋も2セット。

 

私見になりますが、5月や6月の山より9月の山の方が厳しいと思います。

 

手袋は消耗品だと割り切っていて、ダイソーさんで1双150円くらいのものをシーズン初めにまとめ買いしたり、作業服専門店で2双600円くらいのインナータイプのものを使用したりしています。

 

ストックのグリップとの摩擦で、ほぼ1~2シーズンでダメになってしまうことが多いですが、十分だと思います。

 

ボルネオキナバル山に登ったときにも持って行きました。

 

キナバル山(標高4,095m)旅行記|札幌から3泊4日、10万円で登れちゃうマレーシア最高峰

 

以前MIZUNOさんのブレスサーモを購入してオールシーズン酷使しましたが、これはかなり長持ちして肌触りも良かったです。

 

大事に丁寧に使うことができる方には、こうしたしっかりした製品をおススメします。

 

これから雪山を始めようとしている方、雪山で使う装備って何が必要?北海道の雪山ってどこがおすすめ?って興味があれば北海道雪山ガイドを読んでみて。

 

旭岳初冠雪

 

姿見から山頂が見えているので、一般観光客と思われる方が手ぶらで山頂方向に登って行く場面を見ることがあります。

 

確かに気象条件が良ければ山頂へ立ててしまうのですが、それは運が良いだけ。

 

天候急変やケガをした場合のリスクを考えると、自殺行為に近いと言ってもいいくらいなので、無計画な行動は控えましょう。

 

この時期に夏山装備で山頂を目指すのも同じですよ。

 

大雪山系旭岳

 

7合目付近を超えると岩肌も見えなくなり、辺りは真っ白に。

 

岩に付着した雪の様子から、この数日間の風がとても強かったことがわかります。

 

旭岳7合目

 

流れゆく雲の合間に姿を現した化雲岳トムラウシ山

 

化雲岳は最も美しいと言われるクワウンナイ川カウン沢の源頭部付近に位置していることから、化雲はアイヌの言葉の当て字となのでしょう。

 

でもこのような素晴らしい景色を見ると、「化」ではなく「華」とか「花」のほうがいいのではないかと。

 

化雲岳は花の名山ですしね。

 

化雲岳

 

山頂の化雲岩が特徴的。

 

化雲岳には登る人は比較的少ないのですが、全周を見渡せる景色、一面のお花畑、ヒサゴ沼など魅力がたくさんあります。

 

下記の記事で化雲岳の様子を紹介しています。

 

【トムラウシ山|日本百名山】を天人峡温泉から日帰りできるか?このコースをおススメする理由とは?

 

石狩岳

 

東大雪石狩連峰にも雪が見えます。

 

石狩岳も1,900mを超える高山。

 

大雪山系のすべてが、すでに雪山シーズンの始まりのようです。

 

美瑛岳十勝岳

 

こちらは十勝岳美瑛岳。少しだけ美瑛富士の頭も見えていますね。

 

まだ雪のない三川台辺りから、初冠雪のオプタテシケ山を見上げてみたいものです。

 

大雪山系旭岳

 

いよいよ山頂は間近。

 

初冠雪は前日の出来事ですが、山頂付近にはすでに20cmくらいの積雪があります。

 

一気に雪が降るんですね。

 

旭岳山頂10月雪

 

山頂到着時刻は午前8時30分頃。山頂はあいにくガスの中でした。

 

山頂標識にはすでにエビの尻尾のように雪が凍り付いていて、一方から風が吹いていることがわかります。

 

ロープウェイの始発以降の時間帯は、雪の時期とは思えないくらい多くの人たちが登ってきます。

 

最近の大雪山系は外国人ハイカーが目立つようになりました。

 

北海道の山が世界中のハイカーから注目されるのは嬉しいですね。

 

北海道の魅力は何と言っても自然。

 

私たち日本人はグルメにばかり注目しがちですが、北海道ならではの景観をもっとPRすべきだと感じます。

 

大雪山系旭岳姿見の池

 

秋も深まって10月になってくると日照時間が短くなるので、安全のためにも午前中のうちに下山したいですね。

 

紅葉シーズンから日曜祝日の正午頃は、ロープウェイ駐車場付近が大渋滞となるのでお出かけはお早めに。